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平成19年第 3回定例会−02月23日 本会議大綱質疑
◆50番(吉川敏文君) (登壇)皆様、おはようございます。公明党の吉川でございます。公明党堺市議会議員団を代表いたしまして大綱質疑を行います。
本議会は、我々にとって任期最後の議会であるとともに、政令指定都市移行後初めての予算案を審議する議会でもあります。我々自身も選挙だけを意識した矮
小な議論に陥ることなく、最後まで市民の負託にこたえる姿勢で臨みたいと考えております。理事者各位におかれましては、これまで以上に新たな自覚と挑戦の
姿勢を示していただければ幸いでございます。
さて、民間企業ではトップの意思が組織の最前線まで浸透しているかどうかが事業の成否を左右するだけではなく、時にはその企業の存亡に至ることもござい
ます。その意思とは、広くは企業の哲学でもあり、経営理念や経営方針であります。そしてトップは、あらゆる方法を使って、その意思を組織の隅々まで徹底す
ることによって従業員のすべての力を集中し、組織としての最大の力を発揮させようと努力するわけでございます。それは極論すれば、大目的に収束する個々の
目的の明確化であり、それを達成させるための行動規範の明確化ではないかと私は考えております。
また、民間企業は利益を追求することが最大の目的であると耳にすることがございます。確かに利益がなければ、その企業は存続できないわけでございますか
ら間違いではないでしょう。しかし、それは株主や従業員に対する経営者の責任のことであって、利益を追求すること自体がその企業の存在価値ではなく、企業
の経営理念はよりよい商品やサービスを提供することによって社会に貢献することでなければ、その企業の発展や組織としてのモチベーション、意欲を長期間維
持することはできないでしょう。
このことは行政にも十分当てはまることであり、私は理事者の皆様が常に意識しなければならないことであると思います。こうした観点も含めながら、以下5項目の質疑を行います。
初めに、新市建設計画事業について質問いたします。
堺市と旧美原町は、合併協議において両市町の速やかな一体化、両市町地域の均衡ある発展並びに住民福祉の一層の向上を図るため、平成17年度から平成
26年度までを計画期間とする堺市・美原町合併新市建設計画を平成16年2月に策定いたしました。同計画には美原町地域に概算事業費総額437億円の事業
並びに前・中・後期の3期にわたる期間設定及び実施事業を4区分した内容が示されております。そして、その実施には平成17年度は約18億円、平成18年
度当初予算で約75億円、平成19年度当初予算案では約108億円の予算を計上いただいております。
この108億円という予算規模は、旧美原町時代の一般会計予算1年分に相当する大変大きな額であり、木原市長の美原地域発展に対する意気込みと強い意思
を感じるものであります。現在は前期事業に限らず中期、後期の事業も前倒しし、取り組むと聞き及んでおります。そこでお尋ねいたします。平成18年度の新
市建設計画事業の進捗事業及び平成19年度の予算案の内容と取り組みについてお答えください。
次に、市立堺病院についてお伺いをいたします。
全国で1,000を超える自治体病院の多くが慢性的な赤字構造で経営の危機に瀕しており、医師不足による地域医療の維持も揺らいでおります。また、老齢
人口の増加、医療技術の高度化や医療保険制度の改革など自治体病院を取り巻く環境も大きく変化することが予想されております。しかし、公的医療機関の地域
医療に果たすべき役割は大変大きく、住民ニーズに対応した的確な医療サービスの提供と住民の生命を守ることは大変重要な責務であると同時に、最大の目的で
もございます。
一方、自治体病院に求められる機能と役割は、それぞれの地域実情や住民のニーズ、あるいはその自治体が掲げる政策によって異なってまいります。本市にお
いての市立堺病院は、民間の医療機関では満たし得ない質的水準の高い医療を行い、がんセンターの開設など急性期病院としての役割を強化していくというこれ
までの姿勢に対し、我々は一定評価をするものでございます。
そこでお伺いをいたします。市立堺病院の公的医療機関としての役割と今後の方向性をお聞かせください。また、以前から大阪府に対して要望しておりました三次救急医療体制の整備状況についてお答えいただきたいと思います。
次に、障害者の自立支援と利用者負担の軽減策についてお尋ねいたします。
障害者が地域で安心して生活できる体制整備をめざす障害者自立支援法が昨年4月に施行され、同時に全国統一的なサービスが求められる自立支援給付が始ま
りました。そして同年10月には地域の特性に応じ各自治体が独自に実施する地域生活支援事業が実施をされ、本格的な法施行が始まったわけでございます。
公明党は、障害者団体や事業者団体からの要望を受け、昨年8月には利用者負担の軽減と施設運営の安定化のための具体策を厚生労働省に要望するなど、自立
支援を円滑に運用するための必要な見直しの実現に全力を挙げてまいりました。このことにより10月の本格施行前に追加措置がとられたところでございます。
その後12月の補正予算、来年度予算の編成を前に自民・公明両党が障害者自立支援法の円滑な運用のための措置として、2008年度までの3年間で
1,200億円の国費ベースでの予算確保を政府に申し入れたところでございます。その結果、障害者支援のための特別対策が今年度2006年度の補正予算及
び来年度2007年度予算案に盛り込まれ、障害者の利用者負担のさらなる軽減や事業者支援が実現されようとしているところでございます。
そこでお尋ねをいたします。今回国から提示された特別対策の概要と本市としてのこの特別対策にどう対応していくのかお示しをいただきたいと思います。
次に、公共交通のあり方について質問いたします。
公共交通における輸送人員の減少に歯どめがかからない中、これまで国においてはさまざまな規制緩和や補助策が打ち出されております。また、先日も地域公
共交通の活性化及び再生に関する法律案が閣議決定されたと仄聞をしており、公共交通の活性化は一地域だけではなく国内全体の課題となっていることがうかが
えるわけでございます。
公共交通を見たとき、単なる移動の利便性を図るだけではなく、経済活動や福祉施策の促進といった側面もあり、本市においては、ふれあいバスやおでかけ応
援バスといった施策も実施をしているところであります。しかし、路線バスに象徴されるとおり、本市でもその乗車数の低下は否めない状況にあり、今後の公共
交通のあり方は本格的な高齢社会を迎える中で本市にとっても重要な課題であると思われます。
平成17年3月の大綱質疑において、我が党の宮本議員より公共交通活性化の取り組みを確認し、時代の変化に合わせた堺市の公共交通に関する総合計画策定
の提案を行いました。また、その後の予算要望におきましても、市民の利便性確保の視点から総合都市交通計画の早期策定を要望してきたところであります。そ
の中で当局は平成19年度の堺市総合都市交通計画の策定に向け、平成18年度から調査検討を始められております。
そこでお尋ねいたします。まず、公共交通の果たすべき役割をどう考え、公共交通に対する公的資金をどのようにとらえているのか、また、堺市総合都市交通
計画策定の進捗状況と現在の調査内容及びその結果はどうなっているのかお答えください。また、利用率低下が著しいバスサービスについて、堺市の特性をどう
とらえているのか、さらにバスサービスに対する市民ニーズの変化はどのようになっているのか、当局の見解をお伺いいたします。そして単なる交通手段として
の利用促進策だけではなく、明らかな政策的目的を持ったふれあいバス、おでかけ応援バスについて、それぞれの役割と評価、今後の取り組みをお答えいただき
たいと思います。
最後に、災害に強いまちづくりについてお尋ねいたします。
国の2006年度補正予算において、国民生活の安全・安心を確保するため、緊急性、必要性の高い問題の対策が盛り込まれ、特に災害対策では昨年発生した
集中豪雨などの被害復旧や災害対策の拡充、学校施設の耐震化などが挙げられています。このことについては、私ども公明党はかねてより国民の安全・安心の確
保が重要であり、その対策としての耐震診断改修の重要性を訴えてきたところであります。
本市においても耐震化の促進に積極的に取り組んでいただいていると伺っておりますが、既存建築物についての対策は十分促進されているとは言いがたく、南
海・東南海地震の発生予測を勘案すると、その対策は急ぐべきであると考えます。とりわけ多くの市民が利用する公共性の高い建築物や道路橋梁、公共建築物、
公立学校施設の耐震化については当局が直接実施できるものであり、早急に取り組む必要があると考えます。
そこでお尋ねいたします。本市における耐震改修促進計画の策定状況及び既存建築物の耐震化に向けた具体的な取り組み状況を報告いただきたいと思います。また、学校、駅舎、道路橋梁の耐震化の現状と今後の取り組みについてお示しいただきたいと思います。
以上、1回目の質問を終わります。
○議長(服部昇君) これより答弁を求めます。
◎市長(木原敬介君) (登壇)公明党堺市議会議員団代表吉川敏文議員のご質問のうち、公共交通の果たす役割についてお答えを申し上げます。
鉄道、バスなどの公共交通機関は、市民や来訪者の移動手段として大きな役割を果たしております。しかし、一方では少子高齢化社会への対応やモータリゼー
ションの進展に伴って、地球温暖化に対する環境負荷の軽減やバリアフリー化など、その利便性が課題となっております。これらの課題に対処するために、今改
めて公共交通のあり方が再認識されているところでございます。
議員のご質問のありましたように、国におきましても地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案がこの2月に閣議決定されるなど、公共交通の活性化に向
けた取り組みが新たになされております。本市におきましても、環境、交流、にぎわい、少子高齢化社会の進展等の観点から、公共交通のあり方を検討すべく平
成18年度から2カ年間の予定で堺市総合都市交通計画の策定を今進めているところでございます。
本市の持続的な発展を支えるために、LRTを機軸としたバスなどを含めた魅力ある新たな公共交通ネットワークの形成、阪神高速道路大和川線を初めとする
幹線道路網の整備が必要であると考えております。今後、市民のコンセンサスを得ながら、政令指定都市にふさわしい総合交通体系の構築に鋭意取り組んでまい
る所存でございます。
なお、その他のご質問につきましては関係局長からご答弁を申し上げます。
◎美原区長(松川安治君) 吉川議員ご質問の1点目、新市建設計画事業に係る平成18年度の進捗状況及び今議会にご提案申し上げております総事業費約
141億9,000万円のうち美原区域分、約108億4,000万円につきましての内容とその取り組みについてお答えをいたします。
まず、複合シビック施設整備事業につきましては、新年度からの着工に向け、現在、実施設計の最終調整を行っているところであり、新年度は建設工事に着手してまいりたいと思っております。
次に、総合スポーツ施設整備事業でございますが、施設の基本設計が完了し、擁壁工事と調整池護岸の整備に取り組んでおり、新年度は施設の実施設計とライフラインの引き込みを行ってまいります。
また、各小学校の給食調理場整備事業のうち4校につきましては、平成19年4月からの自校調理方式の開始に向け、現在工事中でございます。残り2校につ
きましても本年度内に事前工事を完了し、新年度に整備を行ってまいります。これにより美原区域内の小学校すべてに単独給食調理場の整備が完了することにな
ります。
そのほか総合体育館改修事業につきましては、耐震診断業務を完了したところでございまして、新年度はこの診断結果を踏まえ、改修設計に着手してまいりま
す。また、黒山小学校屋内運動場改築事業につきましては、現在、建物耐力度調査と用地境界等の整備設計を行っているところでございます。
一方、基盤道路整備事業につきましては、引き続き築造工事に取り組んでまいります。
また、計画期間の10年間をかけて整備するものに区分されております下水道整備事業につきましても、大きく前倒しをして取り組まれており、新年度末には人口普及率90%を目標に235ヘクタールの整備を行う予定でございます。
これまで本市におきましては、前期中の完了をめざす事業を最優先に、また、それ以外の事業につきましても、可能なものから取り組んできたところでございます。今後も計画期間内の事業完了に向け着実に取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。
◎健康福祉局長(池田利昭君) 市立堺病院についてお答えをいたします。
近年、国による医療制度改革等により医療の機能分化が進み、一医療機関だけで医療を完結するのではなくて、高度医療を行う急性期病院やかかりつけ医の機能を担う診療所等が連携して地域全体で医療を完結する体制の構築が進められております。
このように病院を取り巻く環境が大きく変化する中で、堺病院は地域の診療所で担うことが難しいがん、脳血管障害、心疾患など高度専門医療を必要とする領
域、民間病院で担うことが難しい災害時や救急時の医療、鳥インフルエンザ等の感染症医療などの領域に的確に対応していくことが自治体病院として果たすべき
役割であると考えております。
堺病院では、平成17年度より各分野の専門家が連携して高度専門医療を提供する医療センター化を推進し、5つの医療センターを開設いたしました。この医
療センターの充実により、急性期病院としての機能強化を図るとともに、地域の医療機関との連携を推進し、地域全体の医療の発展に取り組んでまいります。
次に、三次救急についてでございますが、堺市域には生命に危険のある重篤な患者に高度な医療を提供する三次救急医療機関が設置されていないため、近隣の
施設へ搬送している状況でございます。災害時や急病時など、いざというときに頼りになる病院として市民の安全・安心を確保する機能を持つことが必要である
と考え、堺病院に三次救急医療を行う救命救急センターを設置することといたしました。
今後は、消防機関、救急医療機関との連携により地域全体の救急医療の質の向上を図るとともに、災害時に強い地域をめざして、平成19年度から救命救急センターの設計に着手し、平成22年度中の開所をめざして取り組んでまいります。
次に、障害者の自立支援と利用者負担についてお答えをいたします。
障害者自立支援法につきましては、障害福祉サービスの再編が行われる中で関係者からさまざまな意見があるため、これらの意見を踏まえ、国は法の新たな制
度を利用して円滑にサービスを実施し、利用できるようにと、緊急的、経過的な特別対策をこのたび実施するとしております。
具体的な内容でございますが、平成20年度まで3つの柱からなる特別対策が実施されます。1つ目は、利用者負担のさらなる軽減措置でございます。内容と
しては、在宅通所利用の場合、負担上限額の軽減額を現行の2分の1から4分の1に、市民税所得割10万円未満世帯まで軽減対象世帯を拡大し、障害児のいる
世帯も同様の措置がとられます。また、入所施設利用者は、年間28万8,000円までの工賃控除が徹底されます。
2つ目は、事業者に対する激変緩和措置でございます。これは月払いから日払いに伴う報酬の減額保障を80%から90%に拡大し、また新体系に移行した場合にも旧体系の報酬の90%を保障するものなどでございます。
3つ目は、新法への移行を円滑に進めるための緊急的な経過措置でございます。これは新体系へ直ちに移行できない事業者を経過的に支援するもので、デイ
サービスや小規模作業所等へ補助などを継続して支援を行うものでございます。施設の改修やグループホーム、ケアホームの立ち上げ経費の支援、相談支援体制
の強化なども行われます。
次に、国の予算規模につきましては、全体として約1,200億円の規模であり、内訳は利用者の負担軽減として平成19年度から20年度の2年分で計約
240億円、事業者に対する支援として平成18年から20年度の3年分で300億円、新体系移行支援として同じく3年分で660億円を予定しております。
このうち事業者支援と移行支援は18年度中に都道府県において基金を設置し、これを財源として府及び各市町村が平成20年度まで事業を実施することとなり
ます。
次に、本市の特別対策への対応でございますが、障害者自立支援法は、全国統一的なサービスが求められる自立支援給付と地域の特性に応じ各自治体が独自に
実施する地域生活支援事業の2つに大別されますが、このたびの国の特別対策は、自立支援給付に関する特別対策であり、これは本市がこれまでも国に対し要望
してきたものが反映されたものと評価するものでございます。
本市といたしましては、手続などについて一部明らかにされていないところもございますが、この特別対策の実施に向け早急に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
◎建築都市局長(赤石宗嗣君) 公共交通に対する公的支援についてご答弁申し上げます。
公共交通事業につきましては、市民の交通利便性を確保するため、その公共性にかんがみ事業者の経営努力とあわせて事業者に対し一定の公的な支援が必要で
あると考えております。本市では、これまで阪堺線、生活バス路線の維持、ノンステップバス、バス優先システム、バスカードシステムの導入などの支援を行っ
ているところであり、今後もこのような公共交通への支援を継続していく必要があると考えております。
次に、現在策定中の堺市総合都市交通計画の進捗でございますが、平成18年度は現状把握と課題整理を行い、基本的な方針をまとめる予定でございます。
この計画策定にあたっての前提調査でございますが、京阪神圏パーソントリップ調査、全国道路交通情勢調査、堺市統計書などを活用しながら本市の交通情勢
の分析を行い、市全体では昭和55年から平成12年の比較において自動車利用が増加している反面、公共交通利用は減少しており、特にバス利用は大きく減少
しております。
また、高齢者の移動につきましては、高齢者の増加にあわせて約2.7倍となっており、その移動手段といたしましては、バス利用率が7.3%から4.8%
へと減少している反面、自動車利用率は8.2%から21.6%に増加しております。これらの結果を踏まえながら、平成19年度は公共交通についての基本方
針と具体的施策を明らかにし、総合都市交通計画を策定してまいりたいと考えております。
次に、本市のバスサービスの特性でございますが、ただいま申し上げました調査結果から、自動車利用の増加に伴う交通渋滞などにより、バスの定時性の確保
が困難、バイク、自転車等に比べてコストや時間などの面で優位性が低下したことにより、バス離れが顕著になっていると考えております。それに対応してバス
サービスに対する市民ニーズも変化しており、運行の定時性の確保、乗り継ぎ利便性向上などの意見のほか、最近ではデマンドバスやフリー乗降といった高齢者
などにとって使いやすいバスについての意見もお聞きしており、今後、総合都市交通計画の施策案の中でこれらの問題にも対応すべく検討してまいりたいと考え
ております。
次に、ふれあいバスについてでございますが、区役所などの公共施設へのアクセスと公共交通空白地の改善を目的として運行しており、区役所や老人福祉セン
ターへの交通、また公共交通空白地での交通として活用され、その成果を得ております。しかし、運行日数が少なく、利用者数が横ばい状態であることから、高
齢者を初めとする市民の利便性の向上に向けて週2日から週3日運行への再編を平成19年度から実施してまいりたいと考えております。以上です。
◎健康福祉局長(池田利昭君) おでかけ応援バスについてお答えをいたします。
おでかけ応援バスにつきましては、高齢者の外出支援と社会参加を促進し、高齢者の健康づくりや生きがいづくりに資するため、身近な公共交通機関を活用し外出機会をふやす目的で、南海バスをワンコイン100円で利用できる事業として始めたものでございます。
当初、平成16年7月から試行的に月3日で実施しておりましたが、利用者の増加が見られるなど一定の効果が確認できたため、平成18年から月6日に拡充
し本格実施したところでございます。この事業により高齢者が積極的にまちに出かける回数もふえ、各局における本市のイベント事業についても五・十日に合わ
せて開催するところもふえてきております。また、利用証交付の際、無料割引施設を紹介するなどして、その利用の促進を図っているところであり、高齢者の方
々にもご好評をいただいているところでございます。
平成19年度からは南海バスに加え、新たに近鉄バスにも拡充する予定でございますが、近鉄バスの利用開始時期につきましては、現在調整中でございます。
今後ともこの事業を基軸に各局とも一層連携し、高齢者の健康づくり、生きがいづくりを支援するとともに、消費など経済の面でも効果が期待できるよう取り組
んでまいりたいと考えております。以上でございます。
◎建築都市局長(赤石宗嗣君) 災害に強いまちづくりについてのご質問のうち、耐震改修促進計画の策定状況と建築物の耐震化に向けた取り組み状況及び鉄道駅の耐震化への取り組みについてご答弁申し上げます。
平成7年の阪神・淡路大震災において、地震による直接的な死者数の約9割が住宅の倒壊等によるものであることや、本市が東南海・南海地震対策地域に含まれ
ていることなどから、大規模地震に対する備えは急務であり、建築物の耐震化への取り組みは重要であると認識しております。
従来から耐震診断補助や所有者向け講習会の開催、簡易耐震診断などの相談窓口の開設などに取り組んでおり、また昨年の11月からは住宅への耐震改修補助
を実施しておりますが、平成19年度からは国・府の制度を活用し、木造住宅への耐震診断補助率を現行の2分の1から10分の9とするほか、新たに病院など
の特定建築物を耐震改修補助の対象に加えるなど、制度の充実を図ることとしております。
また、耐震改修促進法の改正を受け、大阪府は昨年末に大阪府住宅建築物耐震10カ年戦略プランを策定いたしましたが、本市においても現在耐震改修促進計
画の策定に取り組んでいるところでございます。この計画では、今後10年間に建築物の耐震化率を90%とすることを目標としており、木造住宅の耐震化の促
進のほか、避難所や病院などの防災関連施設、また多数の方が利用する特定建築物の耐震化の促進策について、施策の基本的な考え方と所有者への啓発や効果的
な支援策などをまとめるものであります。
今後、庁内調整を図るとともに、パブリックコメントで市民の皆様のご意見もお聞きし、耐震改修促進計画をまとめ上げ、建築物の耐震化に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
次に、鉄道駅の耐震化への取り組みについてでございますが、鉄道駅は不特定多数の人々が利用することや、被災時における一時的な避難場所及び緊急活動の
場として、また復旧時には物資や人員の輸送において非常に重要な役割を担うことから、国及び府の助成制度を活用し、計画的に鉄道駅の耐震化を推進してまい
ります。対象となります駅は乗降客数が1日1万人以上で、折り返し運行が可能な駅、また他路線への乗りかえが可能な駅で、本市では南海電気鉄道高野線堺東
駅、三国ヶ丘駅、中百舌鳥駅、北野田駅、大阪都市開発泉北高速鉄道光明池駅の5駅が該当いたします。
平成19年度は既に耐震診断が終了している堺東駅、北野田駅、光明池駅において駅舎の耐震工事に対する助成を行います。残る2駅につきましては、鉄道事業者が平成19年度に耐震診断を行うことから、平成20年度以降助成を行ってまいりたいと考えております。以上です。
◎教育次長(木村正明君) 災害に強いまちづくりについてのうち、学校施設耐震化の現状と取り組みについてお答えをいたします。
本市校舎の耐震化の状況につきましては、平成18年5月現在で耐震化率は小学校42%、中学校57%であり、本年度の校舎の耐震化事業としては、小学校
2棟を改築中であります。体育館につきましては、小学校78%、中学校62%で、本年度は体育館の耐震化事業として小学校2校、中学校9校において実施し
ております。
学校施設耐震化の推進は、子どもたちの安全の確保はもとより地域の防災拠点という観点からも急務の課題であると考えており、今後は小・中学校全校の体育館の耐震化を早急に進めていくとともに、校舎等の耐震化につきましても並行して進めてまいりたいと考えております。
また、その取り組みについては、単に建物を建て替えるという方法だけでなく、既存施設を生かした耐震補強の手法も取り入れるなど、国土交通省の目標に
沿って策定される本市の耐震改修促進計画に基づき、本市の最重要課題として今後も取り組んでまいりたいと考えてございます。以上です。
◎建設局長(田村勝實君) 道路橋梁の耐震化についてご答弁を申し上げます。
河川や道路、鉄道等をまたぐ橋梁につきましては、阪神・淡路大震災を機に二度にわたる耐震調査を行いまして、市道における橋長15メートル以上の橋梁の
うち重要な約60橋を抽出し、橋梁の耐震化を推進してまいりました。平成18年度末で架け替えを含め16橋の耐震化が完了いたしております。
また、昨年4月政令指定都市に移行いたしまして、これまで大阪府が行ってまいりました広域緊急交通路にかかる橋梁の耐震事業を引き継ぎいたしました。広
域緊急交通路は地震災害発生時における救助、消火、医療、緊急物資の供給等を迅速に行うための重要な道路でございまして、堺市内にはこれらの道路にかかる
橋長15メートル以上の橋梁は66橋ございまして、平成18年度末で14橋の耐震化が完了いたしております。
平成18年度から市内全域について橋梁の傷みぐあい等を調べ、耐震状況の点検に着手しておりまして、平成19年度にはそのデータに基づき橋梁耐震事業計
画の策定を完了いたします。本計画は道路の重要度、代替機能や災害時に必要となる耐震性能等を十分に検討し、耐震化を必要とする橋梁の優先度を明確化する
ものでございまして、財源の確保を図りながら計画的、効果的な耐震事業の推進を図ってまいります。以上でございます。
◆50番(吉川敏文君) 議長。
○議長(服部昇君) 50番吉川敏文議員。
◆50番(吉川敏文君) ご答弁大変にありがとうございました。初めに新市建設計画事業についてでありますが、平成19年度には区役所及び文化・生涯学習
の拠点となる複合シビック施設が着工されるなど、合併の効果がいよいよ目に見えてあらわれてくることになり、今後、新市建設計画事業に対する美原区民の期
待が高まるものと思います。
平成19年度の予算が執行されますと、3年間で約200億円の事業を推進することになり、事業費ベースで437億円の約45.8%というハイペースで事
業を実施することになります。今後も着実に事業を推進されるよう強く要望するとともに、行革の視点と目的を見失うことなく、区民のニーズや変化を敏感にと
らえながら計画の実施をしていただくよう重ねて要望し、この質問は終わります。
次に、市立堺病院についてご答弁をいただきました。多くの民間医療機関が充実している本市においては、市立堺病院ががん、脳血管障害、心疾患などの高度
専門医療の領域や災害時や救急時の医療、あるいは感染症医療の領域に的確に対応する役割を担っていくとの認識と、さらに急性期病院としての機能強化の方向
性に対し、我々は一定評価をしたいと考えております。
その上で地域医療全体の医療の発展をめざす地域医療機関との連携に対する具体的方策と、大規模な感染症や大災害時の拠点病院としての役割の具現化も要望
しておきたいと思います。しかし、重要なことは、そういった市立堺病院の将来のあり方を市民の方に十分理解をしていただくことでございまして、そのために
は繰り返し十分な説明をしていただくこともあわせて要望しておきます。
また、赤字体質を改善する経営の効率化を図ることは当然のこととして、その構造を変革するためには地方公営企業法全部適用も視野に入れ、検討いただきたいと思います。
次に、課題となっておりました三次救急医療体制を担う救命救急センターの整備にいよいよ取り組まれるとのご答弁をいただきました。既に設計と準備担当職
員の配置に1億600万円の予算計上と具体的な施設のプレス発表もございました。これは長年本市が大阪府に対して粘り強い要望を重ねていただいた結果であ
り、感謝申し上げるとともに、一日も早い開所を要望いたしまして、この質問は終わります。
次に、障害者の自立支援と利用者負担の軽減策についてでございますが、今回、国より提示された障害者支援のための特別対策についてご答弁をいただきまし
た。利用者負担のさらなる軽減、事業者に対する激変緩和措置の実施、さらには新サービス体系へのスムーズな移行をめざす事業者支援とその効果は、利用者及
び事業者にとって非常に重要なことでございます。国及び関係機関ときめ細かな連携のもと、ご答弁いただきましたように、早期かつ円滑にこの特別対策が実施
できるよう要望しておきます。
そして、障害者自立支援法の理念に基づき、その法がめざす本来の目的である障害者の自立が促進され、だれもが安心して暮らせるユニバーサル社会の実現に向け、その取り組みをさらに強化、充実されるよう要望いたしまして、この質問は終わります。
次に、公共交通のあり方についてでございます。まず、堺市総合都市交通計画策定の現状につきましては、現在、市の交通の現状把握と課題整理を行っている
とのご答弁がございました。計画の策定にあたっては、ニーズを徹底的に分析し、それに基づく計画でなければならないと考えます。一般的あるいは既存のデー
タだけの調査だけでは十分ではないと考えます。これは他の計画にも言えることでございますが、どこまで正確に実態を把握し、職員の皆様方がみずからまず市
民が何を望んでいるのかという真のニーズに迫る必要を感じます。
さらにご答弁いただきましたように、公共交通の果たす役割は大変重要なものであり、同計画に位置づけられるであろう公共交通につきましては、単なるパー
ソントリップだけをとらえての交通計画ではなく、さらなる都市魅力の創出や市民生活の向上、福祉の充実あるいは産業振興といった多面的な視点も同時に反映
をしていただきたいと思います。
また、明らかに到来する高齢社会において、市民生活の利便性を維持しながら都市交通のレベルアップを図るためには、公共交通を担う事業者につきましても
NPOも含めたあらゆる可能性を探っていただくと同時に、その運用形態につきましては、ご答弁にございましたように、例えば定時運行の路線バスに加え、デ
マンドバスや乗り合いタクシーなど多様化するニーズに合った工夫もしていただくよう検討いただきたいと思います。さらに、交通計画の相乗効果をねらうため
には、縦割りの壁を取り払った当局の支援体制も必要であると感じますので、それらもあわせて要望し、この質問は終わります。
次に、災害に強いまちづくりについてでございますが、まず、耐震改修促進計画の策定状況及び既存建築物の耐震化に向けた具体的取り組みについてご答弁も
いただきました。耐震改修促進計画の策定につきましては、既に今後10年間で建築物の耐震化率90%という目標が設定されているわけでございますから、早
期に計画を仕上げていただきたいと思います。その中で公共建築物の耐震化率については、ぜひとも100%を目標として取り組んでいただくことを要望いたし
ます。
また、学校、駅舎、道路橋梁の耐震化につきましては、今年度予算案にも具体策を前年度に引き続き計上していただいております。より効果的かつコスト意識
を十分持っていただいて、その推進をお願いいたします。さらに、今後地域防災計画の改定も必要になるかと思います。学校、駅舎、道路橋梁等の耐震化施策を
実施する庁内関係部局と横断的に協議調整し、進めていただきたいことを要望し、この質問は終わります。
それから、これは要望でございますけれども、総務省の平成19年度地方財政対策の中で公的資金の繰り上げ償還による公債費負担の軽減策が盛り込まれてお
ります。平成19年度から3年間で5兆円規模の公的資金の繰り上げ償還を行い、高金利の地方債の公債費負担を軽減するものでございます。本市におきまして
も普通会計と事業会計で総額60億から100億円近い節約が実現するわけでございますから、積極的に情報を収集いただき、その活用を図っていただきたいと
思います。
それから、平成19年度当初予算案全般にわたりましては、大変ご苦労いただいて編成されたことに対しまして感謝を申し上げたいと思います。
最後に、改選後この場に帰ってこれなかったことを考え、ひとり言を言いたいと思います。
できない理由を言う前に、できる方法を考える。一人でもおかしいと感じたら、みんなでその原因を明確にする。何のためにが明確でないものはやらない。ま
た、やるための調査やアンケートはやらない。一度決めたことも必要ならば、いつでも変える。ルネサンス計画に書いてあるからという言いわけではなく、ルネ
サンス計画に書いてある本来の目的を説明する。失敗のマイナスより挑戦のプラスを重んじる。自分の1分間のコストを常に意識する。残業する前に仕事をす
る。計画は人・物・金をいつまでに、どうするかを具体的に書き、実行する前に作成する。分厚い計画書や報告書を立派なものだと勘違いしない。上司は部下の
責任をとっても、成果はとらない。以上でございます。ありがとうございました。