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1996年(H08)総務委員会12月17日

◆吉川 委員 公明の吉川でございます。私の方からは、行政手続条例について、それから行財政見直し並びに財政健全化について、この2項目について質問をしたいと思います。
 まず、本議会に上程されておりますこの行政手続条例について、何点かお聞きしたいと思います。
 本条例は平成6年10月に施行されました行政手続法を根拠とされるものでございますけれども、同法は1964年に第一次臨調の提言以来、実に30年を要して成立した法律でございます。私ども国民にとりましては、行政手続の公平さ、透明性を確保するものとして大変評価できる法律ではないかと、このように思っているわけでございますが、その運用いかんでは、これからの新しい行政のスタイル、姿というものが生まれてくるのではないかとも期待しているものでございます。そこでお尋ねいたしますけれども、本条例の制定によって約747の事務数が対象になるそうでございますけれども、この条例の制定によりまして、市民の皆様方にはどのようなメリットがあるのか、まず初めにお聞きしたいと思います。


◎乾 行政管理課参事 行政手続条例制定に向けて、市民へのメリットということでございますが、この手続条例そのものは行政手続法にのっとりまして、当然条例でございますので市民を対象としてはおりますけれども、同じように行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ると、もって市民の権利利益の保護に資するということを目的といたしております。この中でいろいろ行政行為・処分いろいろありますが、そういった中で申請に関する処分については審査基準を設ける、あるいは標準処理期間を設けなさいというのがございますし、不利益処分を打つ場合には処分基準を設けなさいと、こういったような規定がございます。こういった形の中で基準を設けるということについては、例えばどういう要件を満たせば許認可がされるのかといったことが、あらかじめ市民にわかるようになっておりますし、また、それの準備がしやすくなるというようなことがありますし、また標準処理期間の設定によりまして、認可をされるまで、おおよその時期ですね、いわゆる目安の期間が予測できるようになりますから、当然その先を見越した上で次のスケジュールを立てることができると、そういったものもございますし、もう1つは、やはり処分の根拠、これが何に基づいているものかというその辺の明確性というのが上がるという意味では、非常に市民にとってのメリットは大きいものだと考えております。


◆吉川 委員 メリットをお答えいただきましたけれども、これで市民の皆様方が行政の皆さんと対等の土俵に立っていろいろな処理ができるんではないかということだと思います。
 それでは、この本条例、見させていただきましたけれども、行政手続法と同様に計画策定手続については、この条例の中でも対象となっておりませんけれども、その考え方はどういうふうなことで対象とされていないのか、お答え願えますか。


◎乾 行政管理課参事 今委員ご指摘の計画策定手続についてでございますけれども、これが行政手続法制定時におけるその審議過程の中での1つの論議であるという部分については認識いたしております。一口に行政計画と申しましても、本市ですと総合計画といった、こういう市の施策の方向を決定するものから、あるいは具体的には施設の整備計画、こういったものも、いろいろな種類あるいは性格といったものの計画がございます。そういった計画におきましても、市民の参加あるいは合意形成といったことは、これは重要であり、また必要なことであるというようには認識いたしておりますが、今それぞれの計画につきましては、それぞれの計画の策定に最適と思われるような形、例えば総合計画ですと、総合計画審議会といったような形の中で、あるいはまた地元説明会と、計画のものの中での地元説明会と、そういったものも既に実施いたしておりまして、市民参加はそれなりに実現されておるのではないかというように考えております。
 ご指摘の行政手続条例の中で、こういう計画策定手続について、いわゆる通則でございますので、一般的に規定するという件につきましては、今申し上げましたように、それぞれの計画が一応特徴がある中で、柔軟な対応を困難にするであるとか、あるいは策定を非効率にするというようなことも考えられますし、また多様な計画の中には、こういった行政手続条例でいいますところの事前手続、これを規定するというような本条例になじみにくいものもあるんではないかというように思っております。そういった観点から、今回この行政手続条例の中に計画策定手続というのは盛り込んでおらない状況でございます。


◆吉川 委員 ただいまのご答弁では、中には計画によっては、その性格上、それの策定を難しくするというような今ご答弁もございましたけれども、行政におきましては、この計画というものが持つ役割というのは非常に大きなウエートを持つわけであります。従来の市民参加のあり方という角度をもう少し広げて、これは今後ともあわせて、これについてはご検討いただきたいと、このように要望したいと思います。
 この本条例は、市民の皆様方が活用して初めてそのメリットが出てくるわけでございまして、また当局の方でも、先ほどご答弁ございました標準処理時間や審査基準あるいは処分基準をどれだけ合理的な内容で設定できるかなどによって随分と、いわゆる運用によって差異が出てくる条例ではないかなというふうに思うわけでございます。したがいまして、今後の市民の皆様へのこの条例制定にあたっての啓発及び職員の皆様方自身も、この条例をしっかりと勉強していただくという、そういった研修も重要になると、こういうふうに思うわけでございますけれども、その点については当局としてどのようにお考えかお聞かせください。


◎乾 行政管理課参事 まず1点、市民への周知ということでございますが、今議会に上程させていただいてますこの行政手続条例ですが、条例の可決をいただきまして、一応そこへ上げておりますように施行を来年4月1日というように考えております。その時点で、例えば市としての代表的な広報媒体である「広報さかい」、そういったところへ市民の周知を図ってまいりたいと思いますし、あらゆる、できる限り、例えばケーブルテレビでありますとか、あるいはハイビジョンといった、そういう文字放送の部分を使いながら、どこまでできるかというのはあるかと思いますけれども、ある程度そういった市が有する各種媒体をできる限り使いまして広報に努めてまいりたいというように考えております。
 それともう1点、職員への研修というんでしょうか、これにつきましては、実は行政手続法が6年10月に施行されておるわけですけれども、この時点で、まず行政手続法についての説明会をやり、そんな中で法に基づく処分ですね、これについての審査基準でありますとか処分基準を設けるにあたって、基準等公開表というのを作成いたしておりますけれども、そういった形の中で説明会をやらせていただきましたし、行政手続条例そのものも法にほぼのっとった形でやっておりますので、これにつきましても、ことしの7月に全課を対象といたしまして説明会を開催させていただきました。また、その上で、これ今先ほど委員の方から747というような項目数、これを確定させていただいてるわけですけれども、その段階でも私ども行政管理課から、できる限り各課へ周知へ図るようにしてまいりましたし、今後条例の可決をいただきました後には、先ほど申しましたように、同じように、行政手続法と同じように基準等公開表を作成する予定でございますので、そのあたりについては何らかの形で行政管理課からどんどん職員への理解を深めてまいりたいと思います。一応そういうことでございます。


◆吉川 委員 市民の皆様方には、さまざまな媒体を使って啓発するということでございますけれども、条例そのものは非常にわかりにくい言葉で表現されておりますし、なかなか理解もできないと思いますので、それをわかりやすい形で、イグザンプルなんかをまじえながら、わかりやすい形でお知らせ願いたいと思います。また、今後この標準処理期間及びさまざまな基準について、その妥当性をご評価いただけるような機構も当然行政管理課さんの方でご担当されると思いますけれども、しっかりとこの条例を育てていく方向で進めていただきたいと思います。
 行政手続条例については、以上でございますけれども、次に、さきの本会議におきましても、我が会派の池原議員から大綱質疑もございました行財政見直し及び財政の健全化について、もう少し議論を深めたいと、このように思うわけでございます。
 まず、財政当局からお出しいただきました「堺市財政の健全化に向けて」という、この報告ですね、これがございますけれども、堺市の現状並びに財政悪化の原因、財政の見通し、さらには財政健全化の基本方針と当市の深刻な財政を明らかにしていただいたわけでございます。過去には断片的な情報で、さまざまなこともお聞きしていたわけですけれども、このように明確な数字を示して、まとめていただいたことは、そこからさまざまな議論が沸き起こってくるわけでございますので、これは大変評価できるものと私は思うわけでございます。今後この内容を全職員の方、すべての職員の方がしっかりと勉強していただいて、その意識をお持ちいただけることを大いに期待したいと思うわけでございます。
 そこで、この報告に関連いたしまして何点か確認の意味も込めましてお聞きしたいと思いますけれども、まず、財政の見通しでございますけれども、平成9年から平成13年までの5年間である一定の仮定のもとに約1,000億近い財政不足、954億ですか、の財政不足を生じるというふうに試算していただいておりますけれども、まず、この一定の仮定というのはどのような仮定か、お答えいただけますか。


◎井上 財政課参事 ただいま、去る10月に提示させていただきました「財政の健全化に向けて」の冊子の中での財政の中期財政収支試算、これについてのご質問でございますけれども、今回の財政の収支の見通しにつきましては、普通会計における一般財源ベースでの試算を行ったものでございますけれども、その試算にあたりましての仮定といいますか、条件設定をしました中身について若干説明をさせていただきたいと思います。
 基本的に財政を試算行う場合には、まず過去のいろんな歳入項目であるとか、歳出項目であるとか、そういうもろもろの伸び率とか、あるいは将来に向けましては客観的な指標、そういうものを用いて試算を行うのが一般的でございますけれども、今回の試算の中での主な項目、まず歳入の方からご説明させていただきます。
 収入の大きな割合を占めます市税につきましては、税目ごとに納税義務者の見込み、それから名目経済成長率、あるいは企業収益の改善見込み、こういうもろもろ、それから9年度に予定されております固定資産税の評価がえ、こういうものを見込んで積算をいたしたところでございます。また、交付税につきましては、これは過去にもいろいろと変動のある収入費目でございますけれども、その性格からしまして基準財政収入額あるいは需要額、個々に積算を行いまして試算を行ったところでございます。さらに、消費譲与税につきましては、9年度に制度の改正が見込まれておりますので、これらを見込み、その他の項目につきましては、過去の収入実績の推移、あるいは先ほど申し上げました経済成長率の見込み等もろもろを参考として積算を行ったものでございます。
 次に、歳出についてでございますけれども、歳出の試算にあたりましては、行財政制度、これは現行の制度を前提といたしまして試算を行ったところでございます。個々に申し上げますと、人件費につきましては、現在の職員数をベースに定期昇給及び一定の給与の改定の率を見込み、あと定年退職者数等から退職手当の見込みの増減を見まして試算を行っております。扶助費につきましては、過去の実績を参考といたしまして、高齢者福祉計画の実施予定分等一部織り込みもいたしまして試算を行っております。また公債費につきましては、発行済起債の償還予定、これに後ほど申し上げます建設事業に伴います新規発行分、これらを加味して試算を行っております。次に、建設事業につきましては、通常事業分、毎年一定の割合で実施しております建設事業につきましては、平均の実施額等こういうものを勘案いたしまして、その他大型事業等につきましては、総合計画の実施計画に組み込まれたこれらの事業計画をベースに、国・府起債等一定の財源割合を乗じまして、一般財源を導き積算を行っております。その他、物件費等につきましては、過去の伸び率あるいは物価上昇率、こういうものを参考にして積算を行ってきたところでございます。
 全体としまして、歳入につきましては、その後いろいろと国におきます固定資産税の評価の取り扱いの問題であるとか、景気回復の歩みの遅さとか、こういうもろもろの観点がありますところから、内容的には歳入については、かなり期待値の部分が入ってるかというふうに理解しております。歳出につきましては、ある程度、自然体で増加見込みを出したように我々としては感じております。以上でございます。


◆吉川 委員 総合的に今種々お答えいただきましたけれども、歳入においては期待値が入ってるということは、かなり例えばここにございます市税収入3%の伸びという角度も、若干これからは低くなってくるんじゃないかというふうなことだと思います。ということは、これは若干甘目に出てるというふうな、この見込みは甘目に出てるというふうな認識でよろしいんでしょうか。


◎井上 財政課参事 今、歳入の見通しの中の市税についての3%という議論がございましたけれども、甘い目に出てるんではないかと、期待値という言い方いたしましたが、ただ試算そのものを行いました時点、その後の今申し上げました固定資産の評価の扱い等、景気の歩み等もろもろから見まして、確かに期待値といいますか、そういうものがあることは否めませんけれども、3%そのものと申しますのは、これは、この税の試算を行うにあたりまして参考としました名目成長率、これが平成7年の閣議決定が行われております構造改革のための経済社会計画、この中で採択されております名目経済成長率の3.5%と、こういう率を適用した関係上、平成9年度に特別減税の戻り等で若干6%台の伸びが、市税の伸びでございますけれども、出てる以外は、3%というような率になっている、そういうふうに我々理解しております。


◆吉川 委員 この認識にあたっては、そういうことだということですので、これを突っ込んでも仕方がないと思いますが。それでは、今回の本会議の中で、行財政見直し計画をこの5年間実施して、その経済効果はどうかという質問に対しまして、平成8年度までの効果を前提としてという前置きはございましたけれども、約130億と予測するというご答弁がございました。甘いのか厳しいのかわかりませんけれども、1,000億近いこの財源不足と行財政見直しの経済効果を差し引きしますと、残りはやっぱり800億ぐらいの不足になるという、単純に考えてそういうふうに思うわけでございますけれども、これに関しては、どのように考えられますか。


◎井上 財政課参事 委員今ご指摘の財政効果130億ということでございますけれども、これは先ほどの本会議で平成7年度及び8年度の当初時点での見直しによる、それ以降の5カ年間の経費効果、こういうところからご答弁をさせていただいた数字でございます。一方、平成9年、今の財政収支試算、提示しておりますこの中での9年度以降の財源不足額およそ950億円と、こういうふうに見通しを立てているわけでございますけれども、これとの差、800億円、これについてはどうだというお尋ねでございますけれども、この財源不足への今後の対応といたしましては、平成7年度、8年度、今の見直し、これに引き続きまして、業務の委託、職員配置基準の見直し等によります人件費のさらなる抑制、2点目といたしましては、先ほど来いろいろご議論いただいております予算編成にあたっての物件を初めとするマイナスシーリング、それから3点目といたしましては、保育行政のあり方等、今後いろいろ思い切った事務・事業の見直しを行って経常経費削減を図っていく。また4点目といたしまして、税収の確保はもとよりでございますけれども、おおむね3年を経過したような使用料等につきましては順次改定を図り、その適正化を行うというようなことを考えてるところでございます。さらに遊休財産の処分、乏しくなってきてはおりますけれども、財政調整基金を初めとした基金の活用に加えまして、建設事業におきます、これまでの事業の進捗等も勘案して財源配分をより一層重点化を行うとか、いわゆる箱物と言われますような建設事業につきましても、その事業の中身、それから実施時期等、そういうもろもろの見直し等も検討いたしまして、当面単年度の収支の回復、これを目標といたしますけれども、さらに努力を重ねまして5年間のこの不足する財源不足の確保に最大限努力をしていきたいと、このように考えているところでございます。以上です。


◆吉川 委員 今、財政健全化の基本方針をもとにさまざまなご答弁をいただいたわけですけれども、これから、より議論を深めていただいたらいいと思うんですけれども、当然その中・長期的な市政運営の基盤として財政があるわけでございますので、抜本的にどうするのかという一つの意思が見えないと、いろんなことをおっしゃられても、なかなか市民の皆様方にも理解しにくい、本当にこれで大丈夫なのかなというような気がするわけでございます。本会議では財政局長のご答弁では、この報告は現状分析に重きを置いて、今後の施策においては一定の方向を示したというようなご答弁だったと思いますけれども、じゃあ、この一定の方向をすべて完璧にやれば、この財政問題は切り抜けられるのかということも考えるわけですね。そうすると、そういった課題について、じゃあ一体だれがその責任を持って、いつを目標年次にしながら、どういった施策でやっていかれるのか、どのような体制でそれに臨まれるのかということを、はっきりとお示しいただかないと、いろんな人がいろんなことを言うてるだけでは、これ実現しないと思いますので、その点はいかがですか。


◎吉崎 財政局長 本会議で申し上げましたけれども、これだけ多岐にわたる非常に大きな問題でございます。これは答えになるのかどうかわかりませんけど、当然市長を先頭にやっていかないと、こんなものはできるもんじゃないと思います。それともう1つ、巨額の財源不足でございますけれども、例えば、医療費等扶助費の伸びがこのままでいけば、我が堺市も大変ですけど、国とか保険財政等も大変になると思います。それは、国の制度等の問題もあるだろうと思います。そういうことで、全庁的にやっていくということがベースであるというふうに思っております。一部署だけの問題ではないと思っております。


◆吉川 委員 全庁的にやられると、いつもお答えいただいてるわけです。60年に、市長を先頭としてという今ご答弁でございましたけれども、行財政見直し推進本部、これはいつできましたか。


◎久保 行財政見直し推進室次長 当初、推進本部の設置につきましては、60年の8月の5日でございます。以上でございます。


◆吉川 委員 もう10年以上も経過しているわけですね、この推進本部体制ができてから。当然市長が本部長で、その体制を組まれてるということでございますけれども、その体制は変わらないわけですから、10年たって変わらないのに、これからどうしていきますかということを明確にお答えいただかないと、我々はこの財政問題を本当に解決できるのかなという不安に駆られるわけでございます。そういう意味で、しっかりとこのあたりをどうか明確にしていただきたい。それと、財政健全化については、しっかりと目標をお示しいただきながら、1つ1つそれに取り組むということが必要かと思うんですね。それから、全庁的に取り組むとおっしゃられましたけれども、全職員にその意識があるかどうか、これは非常に大事なところでございます。
 ちょっと話は飛んでしまいますけれども、例えば先日の平成8年12月9日に労使交渉をされたということで、こういうふうに答えますという文書をいただいたわけでございます。この中に、住居手当については平成9年1月給与から一律1,000円を増額したいというふうなものがございますけれども、まず、例えばこの住居手当の持つ意味合い、これをまず、ちょっと教えていただけますか。


◎衣笠 職員課長 住居手当の持つ意味合いということのお尋ねでございますが、住居手当につきましては、都市部におけるところの住宅難及び土地・建築費等の高い水準における安定を反映いたしまして、職員の負担する家賃等の高額化に対処し、その生計費の圧迫を緩和するための手当であるというふうに考えております。以上です。


◆吉川 委員 それでは、私、株式会社リクルート、週間住宅情報というところにお願いして、関西圏家賃相場報告というものをいただいたわけでございます。これを見ると、これはデータは92年からの関西圏のいろんなタイプの賃貸住宅の坪賃料、それから平均賃料というものがデータとして載ってるわけなんですね。ちょっと見えにくいかもしれませんけれども、ここが92年で、今ここですね。思い切り右下がりになってます。今後の予測も書いてまして、ほぼ横ばいというような報告があるわけなんですね。これは一企業の調査かもしれませんけれども、この家賃ということに関して見るならば決して高騰してないわけですけれども、かえって下がってると、こういうふうな状況の中で今なぜその住居手当を改定する必要がありますか。


◎衣笠 職員課長 委員さんおっしゃるとおり、家賃等の高騰も一段落あるいは一部におきましては降下しているものもあるという状況は承知いたしておりますが、住居手当の額の決定にあたりましては、家賃等の全額を補償するものではございませんので、実際の家賃の動向のみを根拠とするのではなく、府下各市の状況等も勘案した中で総合的に決定いたしました。以上です。


◆吉川 委員 一律1,000円上げられる根拠は何でしょうか。


◎衣笠 職員課長 さきにご答弁いたしましたように、住居手当の額の決定にあたりましては、実際の家賃の動向のほか、府下各市の状況等も総合的に勘案して決定いたしておりますので、ご理解いただきたいと思います。以上。


◆吉川 委員 ちょっと難しいお答えをされたので、よく理解できない部分もあるんですが。例えば、私かねてから思っておったわけですけれども、家賃というのは、今おっしゃったように、もう家賃の高額化に対処して生計費の圧迫を緩和するという手当ですね。住居手当の額にあたっては家賃等の全額を補償するものでないと今おっしゃいましたけれども、だから、家賃の動向は余り関係ないんやと、府下の他市の状況を見比べてやったんやということでございましたね。そうすると、これだけをとらえて、どうのこうの言うのは何なんですけれども、例えば額で見なければ率で見ればいいわけですよ。その方が住んでおられるところの家賃の負荷が、どれぐらいその方の生計に影響を与えてるのかというような率で見れば、その動向は大事になってくるわけです。見方を変えれば、そういうことになると思うんですね。そうすると、これ今おっしゃったご答弁というのは、なかなか説得力がないんじゃないかなと、市民の皆様方が本当に納得できないのじゃないかなと私は思うわけです。
 私は、これを上げるとか上げないとかというこの是非を今申し上げてるのではなくて、一つの行動を起こされる際には、先ほどから財政の話もありましたけれども、それを意識に入れて、意思を持って決定していただきたいというふうに思うわけです。例えば、私は堺市の職員の方はできるだけ堺市に住んでいただきたいという思いを持っております。しかし、堺市は土地が高い、家賃が高いとなかなか住めないということで、どんどんどんどん郊外に行かれるわけでございますけれども、例えば、じゃあ堺市に住めるような援助を、この家賃を一律じゃなくて、だから堺市に、都心部に住む方はもう少し市が負担しましょう。そのかわり郊外に行かれる方は家賃が安いんですから軽減しましょうというような明らかな意思を持ってこの決定をしていただきたいというふうに思います。交渉の1つの非常に見えないところでの手段として、こういうことが行われてるのかどうか知りませんけれども、そういうやり方というのは非常に納得がいかない。この回答のところに、今後信頼関係に基づいて進めるというふうにございます、組合とのね。ですから、信頼関係というのは、お互いそういうことを議論しながらぶつけ合うことではないかなというふうに私は思うわけでございます。
 また話は元へ戻りますけれども、そういうふうな財政の危機という状況が職員の皆さんの意識にあって、それが仕事にどう反映するのかが私は大事なことではないかなというふうに思いますね。それからお聞きしますけれども、地方公共団体における定員適正化計画の策定という、これは自治省からの通達がございました。どんどん人を減らしていくというのは、職員の方に逆に負担が大きくなるということでございますので、当然私はその負担を軽減する、企業でいうならば省力化とか自動化とかいうことを一方では進めないといけないと思ってるんですけれども、当然今申し上げた通達の中にもございました。どこやったか忘れましたけれども、ご存じかと思います。その通達に基づいて、そういう例えば省力化、自動化、特に情報化を進めることは事務作業の軽減に非常に大事なことでございますので、その点はどのように考えられてますか。


◎石橋 情報政策課長 堺市では汎用コンピューターを中心に、対応提携業務の電算化に力を入れてきました。今後は一応パソコン等を中心とする少量非定型の業務、こういうものにも力を入れていきたいと考えております。そのためにパソコン、またはそういう情報基盤の整備をするにつきましては、やはり人・物・金、これがかかりますので、今年度中に行政情報化推進計画、こういうのを策定して計画的にやっていきたいと考えております。以上です。


◆吉川 委員 今年度中に計画を策定されるということでございますけれども、この情報化の計画をするに際しては、例えば今財政ということが非常に問題になっているわけでございますので、この経済効果という観点から見ると、その目標値というものは明らかになってますか。


◎石橋 情報政策課長 今回策定させていただきます計画は、基本構想、基本計画、これにあたるものでございまして、個々のシステム等のいわゆる実施段階のものにつきまして、効果等具体に検討していきたいと思っております。以上です。


◆吉川 委員 ぜひとも、それは算出していただいてお願いしたいわけでございます。
 ちょっとその中で気になることがあるんですけれども、今私、手元に中核市の電算担当課組織というものの内訳を持っておるわけなんですけれども、堺市は他市と比べると、今は情報政策課ですか、情報政策課の中には職員の方しかいらっしゃらない。どういうことかと申し上げますと、他市の場合は、委託SE、委託オペレーター、委託キーパンチャーという方がたくさんいらっしゃるんですね。私も実はおとといまで、いてはるもんと思うてたんですけれども、きのう、そういう方は堺市にはいませんということでびっくりしたんですけれども、当然電算機のお守りというのは、夜間のバックアップとかバッチ処理とか、いろいろやらないといけないんで、お守りをしないといけませんけれども、そういったところを市の職員でされてるんですか。


◎石橋 情報政策課長 そのとおりでございます。


◆吉川 委員 ということは、非常にチャージ、チャージと言ったらわかりませんね。給与の高い市の職員の方がバックアップ作業ってどんなんかご存じですか。ボーッとほとんど見てるだけです、一回オペレートするとね。ボーッと見てるそれを残業使ってやられてるというのは、もう不思議で仕方がない。当然外部に委託して、そういうオペレーターを雇って当然だと思うんですけれども、そういうことはお考えになってませんか。


◎石橋 情報政策課長 先ほど行政情報化推進計画策定すると言いましたが、やはりその中でも市の職員でやる部分、また外部へ委託する部分、こういうことも考えていかなければならないと思っておりますし、委員言われたように、やはり中核市等ではSEさん、またOPさん、キーパンチャーの方、こういう方が多くございまして、そういうところに効率的にやはり委託をやっていく、こういうことも必要と考えております。以上です。


◆吉川 委員 ぜひとも、そういう考え方を推し進めてお願いしたいと思います。それとあわせて、これは要望になりますけれども、もっとそういった情報機器を広く職員の方が自由に使える環境を一日も早くつくることが、職員の方のご負担を軽減し、それがかえって経費節減につながるという、こういうことを、ぜひともしっかりと進めていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 もう1個、これはご答弁は要りませんので私の方で言いますけれども、行財政見直し実施計画の中には、「住民票の写し等の自動交付システムについては、支所行政の推進、市民サービスの向上を念頭に自動交付機の是非を含め、窓口事務のあり方についての構想を策定する」とございます。その市民サービスという観点は、この自動交付機については必要かと思うんですけれども、今私の手元には平成7年度統計年表集積表というのがございます。これは市民課の業務の中にいろいろな証明書を発行する業務がございまして、どういう証明書を何通発行したかということが一覧表になってるわけでございます。一番多いところは住民票写し、72万7,777件、2番目がし尿くみ取り券ですけれども、証明書を見ると印鑑証明、これが2番目でございまして、48万3,165件、合わせますと121万942件、この証明書を全庁で発行されてるわけでございます。聞くところによりますと、この証明書を1つ発行するのに5分処理がかかると、現状でですよ。5分かかるということでございますので、これに5分を掛けますと605万4,710分、10万911時間、これを年間230日の8時間で割りますと54.7人が休みなくこの証明書を発行し続けてるという計算になるんです。間違うてたら言うてくださいね。
 この自動交付機、多分この住民票と印鑑証明に適用する機械だと思うわけですけれども、住民票は5分ぐらい処理がかかると、印鑑証明は2分ぐらいやということで、印鑑証明はじゃあ早うなるんやなというふうに認識したわけでございますけれども、例えばこの54.7人分をその機械に置きかえたら、どれだけ節約ができますかというようなことも、ぜひともご議論いただきたい。市民サービス向上という観点だけではなくて、この省力化、自動化ということは、大変に事務の効率化を促すわけでございますので、ぜひともそういう角度でこの自動交付機というもののあり方を早いうちにご検討いただきたいなというふうに思います。何か平成12年には国の方の法律が、住民基本台帳にかかわる法律が改定されて二重投資になるんじゃないかなどという懸念があるそうでございますけれども、こういう機械はソフトだけをいじれば、多分対応できる機械ではないかなと思いますので、ぜひとも早い時期にこれをご検討いただきまして、当然片一方ではその市民サービス向上はどうするのかという観点は忘れてはいけないと思うんですけれども、今、財政がこのような状況の中で、1つ1つの仕事に対してそういう視点をお持ちいただきたいと、これが財政局長が言われる全職員がその意識を持ってやられてるということではないでしょうか。
 北九州市、先日テレビを見ておりましたら、北九州市の行革というんですか、の番組をやってたんですね。先ほども職員の提案のお話がございましたけれども、ここでは仕事診断カルテを全職員が自分の仕事を見直して、そこにむだがないかということを提案していこうという制度を設けて、3,500件の提案がございました。そのうち2,200件を改善して23億の節約があったそうでございます。職員の提案制度、当市にもございますけれども、大事なことは、その仕事を続けることではなくて、その仕事で成果を出すことが大事なことだと思いますので、ぜひこれもご参考にしていただきたい。また、同じく印鑑を減らして、年間80万個印鑑を削減したというような話とか、予算編成の査定方式をゼロベース方式を採用して60億の歳出削減とし、なおかつ、めり張りのついた予算、いわゆる優先順位が明確にされた予算編成ができたとかいうような話もございました。テレビでございますので、いいところしか映してないのかもしれませんけれども、そういう皆様の業務の隅々にわたって私はこの経済的な意識を持っていただきたいと。
 最後に、北九州市の都市局と建築局の統合を市長がみずからリードして、それをやろうというような場面が映っておりましたけれども、その中で都市局長の言葉が印象的でございましたので、それを紹介して終わりたいと思います。この都市局と建設局の統合はどうですかというインタビューに答えまして、この都市局長は、市長の指導力が大きければ、我々事務方はついていけるというコメントをされておりました。どうか、ここに市長いらっしゃいませんけれども、大きなリーダーシップを発揮していただいて、皆様方はそれをきちっとブレークダウンしていただいて、この危機を乗り越えて、すばらしい堺をつくっていただきたいことを要望して質問を終わります。以上です。



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