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1998年(H10)建設委員会03月12日

◆吉川 委員 おはようございます。公明の吉川でございます。私の方からは、1点、自転車等の放置防止対策、中でも自転車駐輪場の設置に関する質問をしたいと思います。
 この件につきましては、平成7年9月の本会議並びに同年11月の決算委員会でも議論をさせていただいたところでございますが、今改めまして、この自転車駐輪場対策に対する基本的な考え方及びそのねらいを確認したいと思います。


◎古川 自転車対策事務所長 駐輪場対策に対する基本的な考え方でございますが、本市におきましては、昭和50年代後半から60年代にかけて、鉄道駅への自転車等の利用が急激にふえ、周辺道路等に大量に放置され、通行障害やまちの美観を損なうなど、都市機能の低下をもたらしました。このため、放置自転車問題の抜本的な対策として、昭和62年に良好な都市環境の確保と交通の円滑化を図るため、「堺市自転車等の放置防止に関する条例」を制定いたしました。この条例は、自転車駐車場の整備、駐車場の有料化、自転車等の放置禁止区域の指定を3つの柱としております。すなわち駅周辺への自転車等の集中台数に対しまして、一定数の自転車等駐車場を確保し、この駐車場の駐車秩序の確立や効率的な利用のため、整理員を配置いたしまして、これらに対する受益者負担として有料化いたしております。また、有料化により近距離利用者の抑制など、市民に適正な自転車利用を促しているものでございます。また、駐車場整備にあわせて道路等の機能確保のため、周辺道路を自転車等の放置禁止区域に指定し、不法駐車の撤去を行いながら、市民の利用マナーの向上を図ることにより、安全で快適なまちづくりを行っているものでございます。以上でございます。


◆吉川 委員 それでは、現在までに実施されております自転車駐輪場に対する現状はどのようになっておりますか。


◎古川 自転車対策事務所長 条例制定後10年が経過をしました現在、阪堺軌道を除く5鉄道路線27駅中21駅につきまして、条例により放置禁止区域の指定と駐車場の有料化などの施策を実施いたしております。以上です。


◆吉川 委員 27駅で既に21駅まで実施をしていただいているということでございます。残るところは、あと6駅ということになるわけでございますが、この残る6駅についての自転車駐輪場に対する計画、これはどのようにお考えでしょうか。


◎古川 自転車対策事務所長 委員ご指摘の条例未適用の残り6駅につきましては、いずれの駅も駐車場が不足をしておりまして、駐車場用地の確保が大変困難であり、長年にわたって地元住民の方に大変ご迷惑をおかけしているのが現状でございます。私どもといたしましては、早急に条例適用すべく、地元自治会、関係者、関係機関と協議をして、今後3年間をめどに6駅の条例化を行いたいという思いで努力をいたしておりますので、ご理解をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。以上です。


◆吉川 委員 残る6駅につきましても、この3年間で何とか達成をしたいという、今ご報告をいただきました。この条例の目的でございます良好な都市環境の確保という、これにつきましては、地元の駅周辺の皆様方の大きな願いでもあるわけでございまして、また自転車を利用される方が安心して自転車を預ける場所が一刻も早く欲しいというご希望もある中で、今3年間という目標を示していただきました。これにつきましては、優先的に実施を図っていただけますよう、助役さんの方にも財政的な面でも、ぜひともご支援をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それでは、この駐輪場、先ほど有料化というご報告をいただいているわけでございますが、この料金設定に対する考え方はどのようになっておりますか。


◎古川 自転車対策事務所長 本市の自転車等駐車場の料金は、昭和60年に学識経験者、市議会議員、公共的団体、関係機関、鉄道事業者の代表など28名によります堺市自転車問題対策審議会により、条例制定に向け調査研究をしていただいた中で条例制定いたしましたが、その考え方は受益者負担を原則に管理コスト、民間駐車場の料金、他の交通機関の利用料金などを勘案して設定いたしております。以上でございます。


◆吉川 委員 それでは、その考え方に基づく料金設定に対する具体的な基準というのはどのようになっておりますか。


◎古川 自転車対策事務所長 現状の料金は、通勤手当などをもらってない方や、学生などで自転車利用以外に交通手段のない方を基準として、ただいま申し上げましたように、受益者負担を原則に他の物価と比較して、どなたでもが利用できるように、自転車の定期利用では、平面屋根なしが1カ月1,500円、3カ月4,200円、平面屋根つきが1カ月1,800円、3カ月3,800円、立体地下と1階、2階が1カ月2,000円、3カ月5,400円で、立体3階は平面屋根なしと同額の1カ月1,500円、3カ月4,200円となっており、駐車場の構造による料金体系となっております。以上でございます。


◆吉川 委員 それでは、この基準を設定される上での優遇措置等はございますか。


◎古川 自転車対策事務所長 料金面での優遇措置といたしましては、通勤・通学など継続して利用される方のために、3カ月定期につきまして約1割の割引を行っております。また、利用料金の特例といたしまして、身体障害者、生活保護受給者、奨学金や授業料の減免を受けている学生の方々の定期利用につきましては、5割の減額措置を行っております。以上でございます。


◆吉川 委員 それでは、この現状での自転車駐輪場の採算性を見ると、どのようになっておりますか。


◎古川 自転車対策事務所長 条例適用21駅に84カ所、約4万8,000台の自転車駐車場がございますが、平成8年の利用率は78.6%で、使用料収入は約8億7,612万1,000円、歳出は駐車場の管理運営委託費、土地借上料、需用費などで8億7,664万4,000円となっております。以上です。


◆吉川 委員 今、平成8年度の管理にかかる経費と使用料の収入をご報告いただきましたが、それを見ますと、若干赤字だというふうに理解できるわけでございますが、ただいまの報告は平成8年度と、私、平成6年度のご報告をいただいているわけでございますが、それと比べると、まず、利用率に対しましては5%弱減っていると、これは金額に直しますと1,800万弱が利用率として減っているわけでございます。経費的には、ほぼ平成6年度とイーブンということでございますが、皆様方の努力で、せっかくつくっていただいた駐輪場ですね、利用率が減っていると、採算的にも若干の赤字がこれからふえていくんじゃないかなというようなことも考えられるわけでございまして、これは一度しっかりとその要因を分析していただいて、せっかくの設備でございますので、より多くの方々がご利用いただけるような配慮も必要かなというふうに思います。ただいま行財政見直し推進の中で、さまざまな受益者負担の料金等が検討されているわけでございますが、それら、自転車駐輪場の使用料金についても何かお考えでしょうか。


◎古川 自転車対策事務所長 利用料金の見直しについてでございますが、条例制定以来、10年を経過しておりまして、見直しの時期に来ていると、そういう認識はいたしておりますが、まだ条例未適用の6駅は駐車場が無料でございます。駐車秩序が確立されておりませんので、適正な利用に向けて努力すること、すなわち全駅条例化をして、駐車場間の格差をなくすことがまず先決であると考えております。今後、全駅有料化を実施した上で、利用実態や将来予測等を勘案した中で、見直しについて考えてまいりたいと思います。以上でございます。


◆吉川 委員 当然、10年前に設定された料金ということで、将来にわたっては、この料金を見直す可能性もあるというふうに私は理解したわけでございますが、それでは、この駐輪場運営にかかる経費節減に向けて、皆様方はどのようなご努力をされておるでしょうか。


◎古川 自転車対策事務所長 駐車場の管理経費につきましては、人件費が大部分を占めております。利用実態に合った管理人の見直しなどを行ってまいりましたが、さらに経費節減に向けて定期発売の機械化、駐車場出入り口の自動化などによる管理体制の見直しなど、管理運営の効率化に向けて現在研究しているところでございます。以上でございます。


◆吉川 委員 人件費がその大部分を占めるということでございますので、先ほどのご答弁の中には、この3年間で残る6駅を新たに公的な駐輪場を設置していくというお話でございましたので、ぜひですね、非常に人件費というのは、ランニングコストに対する負担が大きくなるわけでございますので、今、ご答弁いただいたとおり、この機械化を研究されているということでございますので、ぜひとも、新しく設置をしていただける駐輪場に対して新しい方式をぜひとも考えていただきたいなというふうに思います。当然イニシアルコストは、ある程度の負担を強いるわけでございますが、長い目で見れば、経費的にも大きく貢献するものと思われます。それはイコール、先ほどの駐車場の料金の見直しにもはね返ってくるわけでございますので、ぜひとも、この新しい方式で新駅等の対応も考えていただきたいというふうに思います。
 それで、私、以前からこの自転車駐輪場の使用料金に関して、学生割引制度は導入できないのかということをお尋ねしてきたわけでございますが、現状ではそのお考えはいかがですか。


◎古川 自転車対策事務所長 現在の料金は、他の交通機関の利用手段から比べますと安価でございまして、学生などの利用のため、立体3階の料金を低く抑えるということなど一定の配慮をしております。受益者負担の原則からも、現状で学生割引制度は考えておりませんが、しかし今後、27駅を全駅条例適用した時点で、利用料金や料金体系とともに、適正な利用料金制度について研究してまいりたいと思いますので、ご理解よろしくお願い申し上げます。以上です。


◆吉川 委員 私はですね、この自転車駐輪場の学生割引が妥当であるという観点は3つあるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。1点目としては、弱者救済の公的立場に立つならば、受益者負担の料金に対しても当然それは考慮すべきではないかと、公共的なホールとか、公共の交通機関並びに民間でも映画館等は学生割引がきちっと設定されているわけでございます。この1点目の公共的な立場で考えれば、当然この制度は考えられるべきものじゃないかなと思います。
 それから2点目といたしましては、非常に多くの学生の方が利用されているというふうに伺っているわけでございますが、この健康的な面、また環境的な面、成長過程にある学生の方々のそうした面にもひとつ貢献する、非常にすぐれた交通手段であると思うわけでございますので、その利用促進の観点からも、当然考えられるべきではないかと思います。
 それから3つ目といたしましては、堺市の自転車駐輪場の設置に関しましては、以前にも申し上げましたが、「堺市自転車等の放置防止に関する条例」という中で定められているわけでございまして、その中にある目的は、この条例は駅周辺の道路その他公共の場所における自転車等の駐車秩序を確立することにより、良好な都市環境の確保と交通の円滑化を図ることを目的とするというふうに定められているわけでございます。これはあくまでも自転車を利用される方の視点ではなくて、それを受け入れる側の視点で定められたというふうに思うわけでございまして、1点欠けていることは、自転車を利用される方の視点がないのではないかなというふうに思います。
 吹田市並びに守口市だったと思いますけれども、この自転車駐輪場の学生割引を制定されているところもあるわけでございますが、その条例の目的を見ますと、自転車を利用する市民の利便に資するためという観点で、この条例が制定されているわけでございます。そうすると、当然ですね、この自転車を利用される観点から見ると、より経済的な能力のない学生が自動車の免許を当然とれない学生が、この自転車を使って通学することに対しては、学生割引制度というのは妥当ではないかというふうに、この3点を掲げて、これを要望したいわけでございます。
 先ほどのご報告ですと、約4万人の市民の方が利用されている自転車駐輪場でございます。私、住まいは鴨谷台で光明池が最寄りの駅になるわけでございますが、以前にも申し上げましたが、自転車を使って通学されているお子様を持つお母さんの方から、約1,500名もの方からの要望もございました。家から駅まで、それから駅から学校まで両方自転車を利用されている方もあるわけでございます。先ほどの利用料金からすると、例えば3人の子どもをお持ちの方は、3カ月1万2,600円から1万6,200円もの負担になるわけでございまして、ぜひともこの学生割引制度というのは、27駅、全駅条例適用に向けて検討していただきたいことを要望いたしまして質問を終わりたいと思います。以上です。



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