1999年(H11)文教委員会06月17日
◆吉川敏文 委員 公明党の吉川でございます。お疲れのところ申しわけございませんが、もうしばらくお願いをしたいと思います。私の方からは学校給食の民間委託について何点かお聞きしようと思っていたわけでございますが、既に吉井委員、芹生委員の質問もございまして重複する部分は割愛させていただきたいと思います。
今回、先ほどからもございましたけれども、学校給食を民間の業者に、その調理業務を委託されたということに関しましては、私も多くの市民の方と懇談する中で、さまざまなお声を聞かせていただいたわけでございます。その中でこの民間に委託するということに関しましては、深いご理解を示していただきまして賛意をあらわしていただいた多くの市民がいらっしゃるということを最初に申し上げ、皆様には、その期待を裏切ることなく今後もご努力を重ねられて推進をお願いしたいと思うわけでございます。
この学校給食調理業務、民間に委託されたわけでございますけれども、安全でよりよい給食を提供するという、この要件を満たしていくということは、これは公・民にかかわりなく、それをいわゆる管理し、コントロール、制御していく、この仕組みが非常に大事であると私は思うわけでございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。簡単にお答えいただきたいと思います。
◎木村 学校教育部次長 委員ご指摘ありましたように、何よりも安全を確保すると、これは公、それから民を問わず、これを確保することがすべてであろうと考えてございます。以上でございます。
◆吉川敏文 委員 私もそのとおりであると思うわけでございまして、この仕組みに関しては、これからどんどん素早く改善をしながら、さらに研ぎ澄まされたものにしていただきたいというふうに思うわけでございます。それと今回民間にお願いしたということは、自由競争における競争原理を十分に働かせて、そのコストメリットを大いに生かしていくという、こういう大事なところがございます。これは当然その民間の業者というのは競争する中で、より品質を高め、コストを下げていく、その緊張感の中でさらにそれが繰り返されるという、この期待があるわけでございますけれども、これに関してはどのようにお考えでしょうか。
◎木村 学校教育部次長 今委員ご指摘いただきましたように、当然指名競争入札をしておるわけでございます。税をあずかる者として、やはり少しでも安く委託をかけるというのも大事だろうと思います。しかし、そうした中でそうした委託が適正に行われるか、これをきちっと見るというのも当然課せられた責務であろうかと思います。以上でございます。
◆吉川敏文 委員 したがいまして、その競争原理の中で生かされた、逆にこのコストメリットというのは、子どもたちの給食のためにぜひとも再投資していただきたい。将来にわたっても、この競争が続く限りこのコストメリットは私は享受できるものというふうに信じておるわけでございます。
そこで委託業者を選定するにあたりましては、既にいろいろ私もお聞かせいただいて知ったわけですけれども、堺市学校給食調理業務委託調査委員会を設置していただきまして、この委託に関する基準の制定や業者の選定方法、その他委託に関する必要な事項というのを十分に協議いただいた。その上でこの業者を選定し、経営面での調査も行った上で、堺市の委託審議会を経て今回の業者が決定されたと、このように伺っておるわけでございます。こうしたさまざまな皆様方が業者選定にあたってハードルをいろいろと設けられる。そして、そのハードルをクリアした業者が委託をするという、これはもう当然のことでございまして、このハードルというのは非常に大事な意義を持つわけでございます。そこで、これは私の要望でございますけれども、この選定にあたって業者の入札以前に皆様方がお示しいただいたこの仕様書というのも、私はもう既に皆様方からいただきまして一読はさせていただきました。これについてはもう質問をいたしません。
ただし、このハードルをどういうふうに設定するのかということが、また非常に私は大事になってくるんではないか。先ほど申し上げた安全でよりよい給食が提供できるかどうかということを選別していくわけでございますから、このハードルが大事だと。その上でこの仕様書も大事なんですけれども、選定にあたる要件の中で、皆様方さまざまな要件を設定されておるわけですけれども、1つだけ、ちょっと私が疑問に思うのは、「栄養改善法に規定する集団給食施設における給食業務について5年以上の経験を有し、かつ学校給食法に規定する学校給食の実施に必要な施設または夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律に規定する夜間学校給食の実施に必要な施設の調理業務の経験を3年以上有している」。それから「学校給食法に規定する学校給食の実施に必要な施設、または夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律に規定する夜間学校給食の実施に必要な施設での調理業務契約を現在締結していること」というふうな要件があると思うわけでございますけれども、果たしてこれがより優秀な業者を選定するハードルとして適切なのかどうかという、ちょっと疑問があるわけです。
といいますのは、まずこの栄養改善法や学校給食法というのは、それぞれ昭和27年、昭和29年に制定された法律でございます。それから、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律というのは昭和31年に制定されてる。私、法律を否定するわけではないんですけれども、非常に古い時代につくられた法律で、これを満足することが果たして最良の業者を選定するハードルになり得るのかどうか。いいますのは、学校給食というのは、非常に短時間で喫食される、非常に短い時間で食べられるということを考えると、食品衛生管理上は、非常に簡単にいうと楽な管理で済むわけですね。例えば弁当屋さんが朝から昼まで売店に弁当を置いて、それを売らないといけないというこの弁当を提供する食品衛生管理上の規定というのはさらに厳しくなるんじゃないかなというふうに思うわけで、そうしたことを満足できる業者の方が、本当はこうした規定を設ける業者よりも優秀な業者が選定できるのではないかなという疑問が1つあるわけでございます。これに関しては、どうかもう一度いろいろ皆様方でご議論いただきまして、本当にこの自由競争の幅をより広げていただいて、より優秀な業者が選定できるハードルを設定するためのこの要件というのを見直していただきたいと、このようにひとつ要望をしておきます。
それから、皆様方がおつくりになりました堺市学校給食衛生管理手引、すばらしい内容でございます。文部省が出しております学校給食衛生管理の基準、これも私いただきまして見ました。それから厚生省がつくっている大量調理施設衛生管理マニュアル、これもいただきまして見ました。それから大阪府環境保健部食品衛生課がつくった集団給食における衛生規範、これもいただきまして見ました。これらの3つを勘案されて皆様方はこの堺市学校給食衛生管理手引をつくられた。内容を見ますと、確かに文部省が提示しているさまざまな基準よりも、より深いレベルで皆様方がご議論いただいた結果が確かに反映されているというふうに私は感じるわけでございますけれども、1点、この衛生管理手法が、いわゆる従来の食品衛生法における製造基準の遵守という非常に消極的な手法に偏ってるんではないかという懸念が若干ございます。
いいますと、例えば見てたんですけれども、これマニュアルは後ろから見た方がわかりやすいんですけど、後ろから順繰りに見ていくと、学校給食というのは自主管理されてるわけですけれども、学校給食日常点検表というのがございます。その中に下処理として、例えばですよ、例えばです。「野菜類は流水で十分に洗浄した」というチェックリストがございます。これを見たときにチェックどこにつけるのかな、十分に洗浄したって、どういうことなんやろうと、私はまず思ったわけです。そして、そこから順番に前向いて、この手引をめくってみますと、食材の取り扱いとか器具の取り扱いについて書いてある。野菜に関しては、器具は緑色というふうに規定する。また野菜を刻む機械ですか、ちょっとよく知らないんですけれども、それについてもどういうふうに洗浄するのかということも書いてある。ですけれども、ここにチェックをするために十分に洗浄したというのはどうするんやというのは、まだ書かれてないわけですね。それからずっと、また前向いてこの手引をめくっていくとございました。食材の取り扱いというところにあったんですね、この野菜類。ジャガイモ、タマネギ、ニンジンはどうすんねんとか、レンコン、ニンニクどうすんねんと、さまざまに書かれておりますけれども、ここには例えば「大根、カブ、流水で十分洗う」、書いてあるんですね。「カボチャ、キュウリ、流水で十分洗い、へた、種等を取る」書いてます。「レンコン、ニンニク、流水で十分洗う」、十分洗うという先ほどのチェックリストの十分というのは、どういうことなのかなということも、やっぱりここでもわからなかったんです。それからずっと前向いてやると、もう表紙になってしまいまして、実はこの非常に詳しく、微に入り細に入りこの手引はつくられております。特に感動したのは、この手の洗い方。図入りで非常にきっちりと書かれておりますけれども、じゃあどこを管理するのか、この調理をする方が何をポイントに管理するのかということが、ひょっとしたらちょっと欠けてるんじゃんいないかなと。私、理系の人間なもんですから、非常に何でも物事を定量的に表現していただかないとわかりにくいという疑問がちょっとわいてきたわけでございます。
世の中にはHACCP、ハサップと言うんですか、私もよくわからないんですけれども、そういう最近衛生管理の手法等も取り入れられているわけでございますけれども、ここでは
いわゆる危害分析をきちっと実施しなさい。何がその食品衛生管理上、問題になるのかという要因をはっきりしなさい。はっきりした上で、それをどうすれば、いわゆる撃退できるのかということが非常に定量的に書かれてる。なおかつ、その管理項目が重点的に示されているというような手法でございます。こうしたこともぜひとも参考にされて、いっぱい文書で書かれても、なかなかポイントを押さえてないとだめなんじゃないかなという私は疑問を持つわけでございまして、こうしたことに対しましても今後公・民かかわりなく、皆様方が十分ご議論いただいて、さらにいい給食をつくるためにご努力願いたいということを要望いたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。