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平成15年 9月12日市民環境産業委員会−09月12日

◆吉川敏文 委員  公明党の吉川でございます。私の方からは1点お伺いをしたいと思います。
 その前にですね、先ほどの芹生委員の質疑の中で、環境事業部管理課参事さんがお答えになられました、平成22年までごみがふえ続けて、焼却炉の能力をオーバーするというようなご答弁があったかと思うんですけれども、正確に少し教えていただけますでしょうか。


◎西岡 環境事業管理課参事  私ども環境事業部といたしましては、将来の、先ほどのPFI事業なども含めまして、将来事業について計画を持っております。その中で、私ども、ごみ処理事業の今後の推計をさせていただいておりますが、その中にそれぞれ、例えば家庭ごみの伸び、それから減量化のこれからの計画、それから粗大ごみの推移、直搬ごみの推移、そういったものを含めまして、平成30年までの大体ごみの将来推計というものをやっておりますけれども、現在の量から比べまして徐々に、まだ過去のトレンドからいきますと、まだ伸びる傾向にあるだろうと判断をしております。一応、現在のリサイクル社会にありますので、さまざまなリサイクル要因で、ごみは避けていく計画にはしておりますけれども、一応焼却炉を計画する際には、そういったことも含めまして、総合的に考えて、大体平成22年ぐらいがピークになって、約36万7,000トンぐらい出るんじゃないかなという、今、予想をしているところでございます。以上です。


◆吉川敏文 委員  ありがとうございました。私のきょうの質問のテーマは、簡単に言うと、ごみを処理するにあたっての、また、循環型社会をつくるにあたってのコストというものに対して、中・長期的なスキーム、枠組みをきちっとつくるべきではないかという議論をさせていただきたいと思います。
 まず、お伺いをいたしますけれども、現在、簡単に言うと、ごみを処理する費用、ごみを集めていただきまして、それを燃やす。そして残った灰を捨てるという、このお仕事の中で直接費用あるいは間接費用を含めて、年間、どれぐらいの費用がかかっているか、お答えいただけますでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  ごみ処理に係る経費でございますが、2カ年の実績について申し上げますと、平成12年度では約100億円、それと平成13年度は約104億円となってございます。以上でございます。


◆吉川敏文 委員  大枠100億円強ということでございますけれども、この集める、燃やす、後処理をする、こういう3つの分類をすると、それぞれの金額と割合というのは、大まか、どれぐらいになるんでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  それぞれの各部門ごとの経費でございますが、平成12年度では収集運搬に係る経費が100億のうち約56億円、中間処理に約40億円、最終処分に約4億円ということで、収集運搬が56%、中間処理が40%、最終処分が4%でございます。平成13年度でございますが、収集運搬に係る経費が約54億円、これが全体の52%に相当します。次に中間処理でございますが、46億円、これが約44%、最終処分が約4億円ということでございます。なお、平成12年、13年度につきまして、中間処理経費が通年の経費よりも若干上がっているという事実がございます。これにつきましては、一応ダイオキシン工事に係る経費が若干かかったということで、通年よりも、この2カ年について中間処理経費が若干高くついているということでございます。以上でございます。


◆吉川敏文 委員  大まかに言うと、大体60%弱が集める費用、40%が中間処理、残りが最終処分ということだと思うんですけれども、100億というと莫大な経費だと私は思います。この100億を私たちの税金で幾らかは処理がされていると思うんですけれども、この100億を減らす努力、これまでどのようなことを皆さんはやってこられたんでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  それぞれの区分ごとの経費の削減方策でございますが、収集運搬面では、できるだけごみを出さないようにしてくださいというような形で市民啓発等を今までやってきたということがございます。中間処理では、焼却炉でありますとか、破砕施設の運転の委託を行ってきたところでございます。また、埋立処分におきましても、ごみを減量することによって最終的に埋め立てるごみの量を少なくするというふうなことで今まで対応してきたということでございます。以上でございます。


◆吉川敏文 委員  それぞれの対策を講じられているということですけれども、この100億という大まかな費用、確実に減ってるんでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  ごみ処理にかかる経費ということで、私、ここで持っております資料が平成8年度から13年度で持ってございますが、いずれの年もほぼ100億というところで一定しております。ただ、最近の傾向として、収集運搬経費が若干低減傾向にあると、中間処理については、いろいろな排ガス対策等の施設整備等がございまして、若干上がってきておると、最終処分経費については、ほぼ一定した額で推移しておるということでございます。以上です。


◆吉川敏文 委員  先ほど、管理課参事さんがおっしゃった平成30年までごみの量を推計してるというふうにおっしゃられてましたが、かかる経費というのは、皆様方は推計をされているんでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  実は、ごみ処理に係る経費といいますのは、収集してきたゴミを燃やして、最終的に埋め立てるというのが一応ごみ処理経費ということになってございます。ごみ処理経費を削減するためにはどうすればいいかといいますと、できるだけ入ってくるごみ量を少なくすればいいわけなんですが、これが市民サイドで減量されて、私どもが収集するごみ量が少なくなれば、当然、経費的には安くなります。もう一方、市民が出されたごみの中のいろんな区分ありますね、例えばプラスチックであるとか、ペットボトルであるとか、そういったいろんなもんを分別収集して収集した場合に、ごみ処理にかかる経費は減りますけども、資源化をするための費用というのが新たにふえてくるという格好になります。ですんで、ごみ処理経費を減らそうと思えば、分別収集の徹底をすれば、ごみの分の費用については減るんですが、資源収集に対する経費というのが物すごく必要になってくるというふうな、片一方を少なくすれば片一方が上がるという関係にございます。以上です。


◆吉川敏文 委員  そうした経費というのを、今後どれぐらいかかるかということを推計はされてますでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  ごみにかかる経費でございますが、実際のところ、過去の経費の中で約100億ということで、将来的にどうなるかという分については、まだ具体的な市としての分別施策が確定していない段階で推計するのがちょっと困難であるというふうな状況です。


◆吉川敏文 委員  現時点では推計していないということですね。先ほどの芹生委員の質問を引用して申しわけないんですが、清掃工場を建て替える、あるいは新しくつくるというお話がございました。これは今後、ごみの量がどんどんふえてきて、その処理能力を超えるからつくるんだと皆さんはおっしゃられてます。一見、これは論理的な話かなと思うんですけれども、その費用というのは一体どうなるんだろうかというのが私ども市民の感情です。単純に365日で割っても3,000万近いお金がごみ処理に使われている。今後ますますごみはふえていくだろう。工場も更新しないといけない。さらにはリサイクルにも費用がかかる。こうしたお金というのは、すべて税金で賄われるわけでございますので、そういった心配は市民の皆様方にもあるんじゃないだろうかと思うんです。皆さんは、よく工場を建てるとかいうことについて、ごみの量とかリサイクルの量とかで評価をされますが、実際、その費用を賄うという部分でのコスト意識が余りないように私は感じるんです。きょうのテーマはそこをはっきりさせないといけないんでしょうかということを実は申し上げたいんです。
 新工場を建てる方針、忘れましたが、PFIの検討されているというお話もございました。じゃあ、このPFIの検討をされているという中で、イニシャルあるいはランニングコストがどれだけ下がるのかという検討はもちろんされてるんでしょうか。


◎峯 環境局副理事  恐れ入ります。新しい工場あるいはその整備につきまして、従来の整備・更新という形ではなくて、新規に考える場合については、さきの堺市行財政改革計画の中で示されておりますように、新たにPFIの手法をもって導入できないかどうかということをまず検討した上で、整備について検討しましょうという方針が出ております。その方針の中で、今後進めていこうとしているわけなんですけども、現時点におきましては、そのPFI手法が可能かどうか、要はコストメリットがあるか、あるいはそれ以外の部分での公共サービスの向上が図れるのかどうかといったような観点から、そういった方法がいいのかどうかという点での今事前調査をやっているところでございますが、その過程の中で、今ご指摘のありましたコスト意識の問題でございますが、このPFI手法と申しますのは、施設の建設から管理維持、それから運営でございますが、一体とした内容を公共がみずからするのではなくして、民間にゆだねて、民間の資金あるいはその技術力でもって、より効果のある事業ができないかどうかという点でございますので、この点についての検討のよりどころでございますが、そのコスト計算の調査を現在、コンサル等に依頼をいたしまして調査をやっているところでございます。
 なお、先行事例として、既にPFI事業をもって事業の実施方針、そして最終事業の契約までこぎ着けた事例も2例ほどございますので、そういったことを参考にしながら進めていきたいと思っておりますが、そういった先行事例におきましては、施設建設費並びに事業運営のコスト、両方あわせた事業コストの計算の中で、従来の方式に比べまして、PFI方式による事業を進めた場合には、一定コストメリットが出るという事例もございますので、その点、私どもにつきましても、こういった内容を十分検証した後にPFIでやるのがいいのか、従来方針でやるのがいいのかということを今後判断していきたい、そんなふうに思っております。以上でございます。


◆吉川敏文 委員  その事例の中で、コストメリットというのは何%出るんでしょうか。イニシャル、ランニング、建てる費用、それから運転する費用。


◎峯 環境局副理事  今ちょっと資料を持っておらないんですけども、覚えておりますのは、まず、倉敷の場合でございますが、事業実施方針を公表したときのトータルのコストメリット、いわゆるバリュー・フォー・マネーと申しますが、従来方式のコストとPFI事業で一定の方式で算定した場合の比較をしたときに、実施方針公表時には約6%のメリットがあったと。最終、実際の提案がありまして、契約をした段階においては約11%のメリットがあったというふうに聞いております。以上でございます。


◆吉川敏文 委員  いいですわ、とにかくメリットがあると。それで、このPFI、新工場をつくるためにPFIを導入するというお話なんですが、PFIを導入する第1の目的はコストメリットを出すということでよろしいんでしょうか。イエス、ノーでいいです。


◎峯 環境局副理事  当然、コストメリットは大きな要素でございます。


◆吉川敏文 委員  そういう言い方をすると、ほかにまた大きな要素があるのかという質問になるわけです。もう聞きません。
 ということは、PFIというのは、コストメリットで多大な貢献をするという認識のもとで皆さんは検討されているわけなんですね。じゃあ、なぜですね、この100億に網をかけてPFIにしようという検討はされないんでしょうか。


◎峯 環境局副理事  今、ご指摘のありました100億といいますのは、要は収集から中間処理、そして最終処分までを含めての総費用100億を何とか軽減できないか、その方法はないのかということと思うんですが、現実、今、私ども清掃工場の建替え、中間処理施設の整備を緊急に考えておりまして、トータルで直ちにそういった考え方でやるということまでは、ちょっと今のところ、考え方が進んでないというところではございます。


◆吉川敏文 委員  皆さんの仕事は清掃工場を建てるということでしょうか。


◎北尾 環境事業管理課長  廃棄物処理法の中に、一応一般廃棄物の処理については、市町村の義務であるというふうなことが位置づけされております。その中で、今言われました清掃工場に限らず、収集運搬、清掃工場、最終処分と、すべての分野について、市町村が一般廃棄物の処理に関しては統括的な責任を持つ必要があろうかというふうに考えます。したがいまして、清掃工場だけに限らず、収集から最終処分に至るすべての分野について、我々、市町村が管理するというのが本来の責務だろうというふうに考えております。以上です。


○平田 委員長  ちょっと質問者の趣旨踏まえないかんわ。


◆吉川敏文 委員  大変暑くなってまいりましたので、簡潔に行いたいと思いますが、そういう考え方でいくと、例えば今、収集運搬、外部に80%委託をかけられている。中間処理をPFIでやろうとされている。最終処分も委託事業としてやっておられる中で、じゃあ、管理ができてないのかという話になるわけです、今の言い方だとですね。私は、ごみをどういうふうに処理するのかという話は、公民の役割分担をどう考えるのかという一つの大きなモデルであると思ってます。また、その費用負担をどう分担していくのかということについても、公共が行うさまざまなサービスの中でのモデルになると思ってるんです。ここの考え方が非常にわかりやすくて目に見えるというのが、私はこのごみ行政というんですか、であると思うんですね。そういう意味で、皆様方に考え方をはっきりとしていただきたいというのをかねがね申し上げているわけでございます。
 皆さん、それぞれ各論は非常に熱心に頑張ってやっていただいてるんですが、全体がどうも見えていない。私ども市民の目から見ると、見えないと思うんですね。片一方では、ごみはどんどんふえますよというふうにおっしゃられている。片一方では、リサイクルするにはコストがかかると先ほどおっしゃった。さらに工場の耐久年数が古くなったんで、工場も建て替えないといけないとおっしゃってる。じゃあ、将来、それにかかる費用というのは、どう我々は分担していくのか、どれぐらい分担していくのかということは、やはりきちっと考え方としてお示しをいただかないといけないんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。


◎辻 環境事業部次長  いろいろ一般廃棄物並びに産業廃棄物は環境の問題で大変なものでございます。今後、循環型社会の形成に向かいまして、それぞれ各所管が尽力しているところでございます。循環型社会の形成法の中には、国の義務あるいは国民の義務、事業者の義務等が明確に規定されておる中で、我々といたしましても、循環型社会をめざしての廃棄物の減量は当然のことながら、その効率的な処理等に向けて行政担当課としては頑張ってまいりたいと、おのずから国民あるいは市で申しましたら市民、自治体あるいは事業者等の責任を明確化することによって廃棄物行政を効率的に進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。以上です。


◆吉川敏文 委員  それはよくわかってるんです。この循環型社会をつくるというのは、その責任をどう分担するのかということとあわせて、費用をどう分担するのかという大きな課題があるわけですね。それを今、このごみの収集運搬、中間処理、最終処分という話でわかりやすく議論をさせていただいてるわけなんです。循環型社会をつくるためのじゃあコスト、これは皆さん、これからどれぐらいかけていくのが理想だと考えられてますか。


◎北尾 環境事業管理課長  循環型社会構築に向けてのコストのご質問でございます。ご存じのとおり、一般廃棄物の分野につきましては、各市町村それぞれの事情によりまして、例えば清掃工場がないから工場に入る前にごみを徹底的に分別するんだというところもあります。今まで大阪市に代表されますように、とにかく徹底的にコストを追求して、分別をできる限り少なく、ただ燃やすことが一番経費的には安いというふうな考え方でやっている市もございます。
 堺市としてどうあるべきかということなんですが、私ども今考えておりますのは、やはり入ってくるごみについては、できるだけ少なくしたいというのは私たちの希望でございます。その一方、資源循環型社会構築のために資源の分別収集についてもやっていきたい。ただ、分別収集するについては経費がかかる。この経費がどれぐらいが妥当かという面については、まだ私どもといたしまして、確たる数値というんですか、そういうのは持ってございません。ただ、できれば現状のごみ処理経費の中で資源ごみの収集もしたいというように思っておるんですが、今のところ、非常に財政的な面もございまして、困難な状況であるということでございます。


◆吉川敏文 委員  正直にご答弁いただいてると思うんです。財政的に今大変な状況なんです。その中で自治体はいろんなことをやっていかないといけない、課題を背負ってるんです。1つ1つ、その考え方をはっきりさせていただいて、それをどう実行していくのかという戦略を明らかにしていただいて、なおかつ具体的なプログラムをつくっていただく。足りないのは、その財源をどうするのかということをお示しいただきたいということです。我々は、決算・予算委員会でさまざまな財政的な議論をいたしますけれども、皆様方、どうも何かをやるときに、一番後回しにされている。実は一番最初に計算されてるんだろうけれども、一番最後に説明されるのが財政的な話です。それも非常に不明確な場合が多いんです。
 ちょっときょうはこれ以上お話を進めても結論は出ませんので、何点かの課題を要望いたしまして終わりたいと思うんですが、1つは将来の、きょうもございました循環型社会形成基本法に基づく条例ができるというお話です。そういう社会を構築するにあたって、当市ではどういう財政の、ごめんなさい、財政じゃなくて、どういうコストをそこにつぎ込んでいくのかという、大枠のスキーム、これをきちっと議論をして定めていただきたい。リサイクル、幾らでもやれば、コストは幾らでもかかる。じゃあ、どこに線を引くのかという話。それからもう一つは、100億全体を減らすという方策を具体的に検討いただきたい。それから、皆さん、この中で目標を立てられてますよね。ごみ総排出量2010年度の目標、30万トンと書かれてます。この目標に対して皆様方は、これを達成するためにどうするのかということ、先ほどは、これから何ぼでも、ごみ、ふえますねんというお話を聞かせていただきましたが、こういう目標がある以上、それは是が非でも達成をしていただきたい。そしてもう一つは、市民の皆様方にもお手伝いいただけるところは、しっかりとお願いをしていくという姿勢が必要だと思います。
 料金の話だけではないと思うんですよ、私。ごみを有料化するとか、無料化するとか、そういう各論の議論ではなくて、ごみというのは、私たち、1つの家から全部出てくるわけですから、協力いただくところは協力いただく。そのためにはどうしたらいいのかということをお示しをいただきたい。この点を要望いたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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