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2007年(平成19年)09月18日総務財政常任委員会


◆吉川 委員  公明党の吉川でございます。今、本松委員の方から行政評価というお話がございました。今、私たちは大変重要な岐路に日本全体が立っている のではないかと常日ごろ思っております。急速に進む少子高齢化というのは、単にかけ声だけではなくて、現実のものとして私たちの生活に大きな影響を与えて いるわけでございまして、例えば社会保障給付一つをとりましても、2025年には160兆円を超えるという推測もございます。その中で、私たちは税の配分 をどうしていくのかということも市民生活に目線を置きながら、中・長期的なビジョンで考えていかなければならないというふうに思っておる次第でございま す。
 今の行政評価の話、大変共感できる部分もございます。しかし、いま一度、前提としてさまざまな行革に向かう前提として、今の時代に合った、私たちのこの 堺のさまざまな環境を考慮しながら、シビルミニマムというのがどうあるべきなのかという部分を一度考えてみてもいいんではないかなというふうな気もいたし ます。その上に立って、新たな投資をどういうふうに配分していくのかという議論がなければ、さまざまな負担増につながるだけの議論に移ってしまうような気 もいたします。ただ、堺市には、先ほどもございましたが、大きな企業の進出や、政令市になってさまざまな明るい材料もございまして、そういったことを勘案 しながら、今後も皆様方の努力を冒頭お願いをしたいところでございます。
 私の方から1点、前回も少し質問させていただきました明るい話題の一つのサッカー・ナショナルトレーニングセンターの整備について前回の質問以後の進捗の確認をしたいと思います。
 私、前回も申し上げました、この取り組みに対しまして大変わくわく感といいますか、子どもみたいな期待感を抱いておりまして、誕生日のプレゼントを待ち きれなくて前の日にあけてしまうとか、そういうふうな心情でございまして、大変期待をしておりまして、いろいろお伺いをしたいと思っております。
 まず最初に確認でございますけれども、この施設の概要をお示しいただきたいと思います。


◎森岡 企画推進担当課長  施設の概要についてでございますが、まずサッカーピッチを14面、うち天然芝のものを5面、人工芝のものを9面、さらにフッ トサルピッチ8面、クラブハウス、複数のロッカーハウス、多目的に利用できますスポーツ広場、サイクリングやウォーキングのコースなどを整備するものでご ざいます。以上でございます。


◆吉川 委員  ありがとうございます。大変、なかなか想像できないぐらいの大きな施設でございますけれども、現在の取り組み、いわゆる進捗の状況をご報告いただきたいと思います。



◎森岡 企画推進担当課長  現在の進捗状況につきましては、これまで財団法人日本サッカー協会との間で行ってまいりました。利用者の利便性向上や利用促 進につながるような施設機能の整備などに関しての基本的な検討協議を踏まえまして、7月末に設計業務の契約を締結いたしております。本年10月末ごろの業 務管理をめどといたしまして、設計業務を現在履行中でございます。また、ソフト面の取り組みを検討するとともに、建設に関する法的な諸手続についても進め ているところでございます。
 なお、設計業務完了後は、今年度内に工事の発注を行うべく、年内の工事公告に向けまして、速やかに諸手続を進めてまいる所存でございます。以上です。


◆吉川 委員  10月末には設計が完了するということで具体的な施設の顔も見えてくるわけでございますけれども、少し確認したいんですが、この施設整備にあたっての財政のスキームというんですかね、これはどのようになっておりましたでしょうか。


◎森岡 企画推進担当課長  建設に関しましての財源でございますが、今年度当初予算におきまして25億5,649万円、さらに債務負担として42億円の予算となっております。以上でございます。


◆吉川 委員  今後のランニングコスト、いわゆる施設を維持する、あるいはさまざまなことをここでやられるわけですけれども、そういったランニングコストの試算、メンテナンスも含めてされておりましたら、ご報告をいただきたいと思うんですが。


◎森岡 企画推進担当課長  ランニングコスト等収支の試算につきましては、施設概要も固まりましたので、主たる収入となりますピッチの利用収入、それか らレストラン・駐車場を初めといたしました施設の利用収入等につきまして、現在精査しているところでございます。なお、ピッチの芝のメンテナンス等を初め といたしましたランニングコストの支出についても同様でございます。以上でございます。


◆吉川 委員  これから具体的に数字を精査いただくということでございますけれども、済みません、質問がちょっと後戻りするかもしれないんですが、この施設の整備の目的・ねらいというところはどのあたりにあるんでしょうか。


◎森岡 企画推進担当課長  整備のねらいでございますが、1つ目に、地域の子どもから大人まで多くの人々がサッカーを初めといたしましたスポーツに親し み、健康づくりを進める場として整備するものであります。2つ目に、国内外のスポーツ団体との交流や、世界に羽ばたく選手の育成などによりまして、スポー ツを通じた堺市の情報発信と集客交流の拠点づくり、並びにそういった人々を定住人口として誘導するために整備するものであります。3つ目に、日本最大のナ ショナルトレーニングセンターでありまして、日本代表を初めとした幅広い層が利用できるサッカー活動の拠点づくりとして整備をするねらいでございます。以 上でございます。


◆吉川 委員  幾つかのねらいを定めていただいておりますけれども、それぞれのねらいに対して、いわゆる効果の指標というんですかね、そういうものは設定をされてますでしょうか。


◎森岡 企画推進担当課長  整備の効果指標でございますが、幾つか考えられるものがございます。まず直接的に利用者数でありますとか施設の利用頻度、こ ういったものが挙げられるというふうに考えております。それから、続きまして経済関係では経済波及効果についても指標としては考えられるというふうに思っ ております。さらに、間接的には市や臨海部の知名度でありますとかイメージアップにつながるような手法といたしまして、マスメディアでの露出度、そういっ たものが挙げられるのではないかというふうに考えております。さらに、ここにおきまして、世界レベルの選手を輩出することによりまして、これもまた堺市の アピールでありますとか施設のイメージアップなどにつながる指標になるのではないかというふうに考えております。さらには、中・長期的には健康増進に寄与 するということでございますので、健康保険を初めといたしました医療関係の財政支出の減、こういったものも指標の一つとして挙げられるのではないかという ふうに考えております。以上でございます。


◆吉川 委員  ありがとうございます。こうしたことを行政コストも含めて、この計画段階 で、概略でも結構なんですけれども、まずお示しをいただいた方がいいのではないかと、たくさんのプロジェクトが堺市、今動いておりますけれども、詳しく詳 細にというのは、当然設計も終わって、また工事も具体的に考えてというふうにならないといけないとは思うんですが、計画段階で、こういう取り組みをするよ という段階で、そのねらいをはっきりさせて、そしてその効果の指標をはっきりさせて、そしてどれぐらいの費用負担になるのかという長期的なコストもお示し をいただいて、そして判断を仰ぐという、こういう体質をつくっていただければ、議会というところは、地方議会の場合ですね、二元代表制でございますので、 我々議会の役割というのは、皆さんがお示しをいただいたさまざまな資料をもって判断をするという、判断した以上は責任を問われるわけでございまして、ぜ ひ、そうした取り組みを、この件を今ちょっと例に挙げさせていただいたわけでございますけれども、今後全般にわたってお願いをしたいところでございます。
 ちょっと済みません、横道にそれたんですが、またNTCの話に戻りたいんですけれども、前回の総務財政委員会で質問させていただいて、ご答弁では、堺市 と財団法人日本サッカー協会、JFAというんですかね、間で施設整備に関して利用者の利便性の向上及び利用促進につながる施設のあり方や機能などについて 検討協議を重ね、基本協議を終えられたと、このように伺ったわけでございます。その内容は、サッカー日本代表チームも利用できるようなクラブハウス、先ほ ど施設の概要でもお示しをいただいたわけでございますけれども、その規模や機能、人工芝サッカーピッチの品質水準、大規模大会開催での利用者の動線及び必 要施設の検討と、このようにも伺いましたけれども、このJFAとの協議内容、もう少し、以後ですね、具体的になった部分がございましたら、ご報告をいただ けますでしょうか。



◎森岡 企画推進担当課長  協議事項の具体的な内容でございますが、例えばメディアへの対応機能、さらに日本代表等のセキュリティーなどを配慮いたしま したレイアウト設計、大規模な大会運営に必要となってまいります部屋等の確保、それから選手同士や施設利用者の交流や集いが可能なスペースのあり方につい て、さらに人工芝の品質水準など、先行のJヴィレッジ福島などの事例を踏まえまして、広く利用者の利便性向上につながりますよう協議を行ってまいりまし た。以上でございます。


◆吉川 委員  その中で、この施設の付加価値、今はサッカーの競技をする、あるいは練習を するということを主体に、当然、第一義的にはそれが目的の施設ですので、当然ではあると思うんですけれども、先ほどご答弁をいただきましたねらいの部分、 大変多岐にわたってこの施設のねらいを設定されています。ということは、そうしたことを達成するためのさまざまな工夫あるいは付加価値をつけていかないと いけないと思うんですけれども、そうしたことの具体的な取り組みというのはございますでしょうか。


◎森岡 企画推進担当課長  施設の付加価値を高めるような具体的な取り組みについてでございますが、現在、日本最大規模のサッカー・ナショナルトレーニ ングセンターといたしまして、日本代表の合宿での利用はもとより、近畿のみならず、全国規模の大会を積極的に誘致し、サッカーの拠点機能としての充実を図 るほかに、世界で活躍できますような選手を育成するためのプログラム、それから市民の方の健康づくり、青少年の方がスポーツを通じて健やかな心身をはぐく むことができるようなプログラムの展開を現在検討しているところでございます。以上でございます。


◆吉川 委員  ちょっと、なかなかイメージしにくいんですけれども、そうしたことが今いろ いろお答えいただいたんですが、現実のものとして、この施設のこういうところに、今おっしゃられたことが実現するような工夫をしただとか、目に見える形で 具体的に以後また教えていただければと思います。
 私思いますのは、今のご答弁をお聞きする中で、先ほども申しましたが、サッカーの練習をしたり大会をしたり、いわゆるサッカーを中心とした見方を当然さ れてるわけなんですけれども、これはもう少し幅広い視点でいろんな角度から、この施設のハード・ソフト面をお考えいただいた方がいいのではないかなという ふうに考えております。例えば、これもう素人考えで大変申しわけないんですが、この臨海部にあるので海が近いわけですね。ここに来られた方は、サッカーだ けではなくて、ほかに楽しめるような付加価値、どうなるかわかりませんけど、私、現地知らないんで。例えば、夕日がきれいだとか、潮風がさわやかだとか、 それ付加価値につながるのかどうかは別としても、そういった視点で、先ほど集客というねらいもあるとおっしゃられたわけでございますので、そういった部分 でちょっとした工夫でここに集客を図るような付加価値をつけられないかとか、そういう具体的なことをいろいろな角度でご検討をいただきたい。とにかくサッ カーをする場所やねんということで、それの一元的なとらえ方だけではなくてお願いをしたい。
 また、先ほど人工芝のピッチが9面あるということでございました。お聞きすると、1つのピッチというのは90メートル、100メートルでしたか、あると いう、すごい大きなところに人工芝張るわけですね。人工芝の現物も見せていただいたんですが、これを例えばメンテナンスするときに、長い間持ちますよと、 10年ぐらい大丈夫ですとおっしゃってましたけれども、10年たてば張りかえると、全部張りかえたら、そこからの廃棄物というのは膨大だろうなと、一瞬 ちょっと思ってしまったんですね。じゃあ、それが環境に負荷を与えないような方法で施工されるのかどうかとか、そういう環境面でも一つの付加価値をつける ということを考えていただいて工夫をいただくとか、そういう取り組みをぜひともお願いをしたいと思います。
 それから、今、ハードの話が主になっているわけでございますけれども、ここを利用するという部分では、当然先ほど少しご報告もございましたが、ソフト面 の取り組みも並行して十分議論していただきたいと前回も申し上げましたけれども、現在、これはどのような取り組みをされているか、ご報告をいただきたいと 思います。



◎森岡 企画推進担当課長  現在のソフト面での取り組みでございますけど、先ほど申し上げましたように、サッカーのみならず、多種目での利用、ほかに多 面的な魅力づくりに向けたソフトづくりを、現在庁内におきましては、市内のスポーツ活動等の状況を把握しておりますスポーツ部でありますとか、あと学校で の利用も考えまして、教育委員会とも連携して、その内容を具体的に検討してまいります。以上でございます。


◆吉川 委員  それも具体的にはこれからという感がするわけですけれども、今、幾つかの部署のお名前を挙げられてましたけれども、このナショナルトレーニングセンター整備に対して、どれぐらいの部署がかかわってるんでしょうか。


◎森岡 企画推進担当課長  局で申し上げますと、現在、ハード整備につきましては、建設局及び建築都市局が中心になって進めております。そしてソフト面 につきましては、財政局並びに市民人権局、それから教育委員会、さらには産業振興局、このような部局からいろいろお知恵なんかもいただきながら、現在ソフ ト面の利用の検討を進めているところでございます。以上でございます。


◆吉川 委員  そのソフト面の取り組みについて、今のそれぞれの部署が明確にその目的を持って仕事ができる体制になっておるんでしょうか。


◎森岡 企画推進担当課長  先ほど申し上げましたように、いろいろなねらいがございますので、そのねらいに沿った形で各局の方で、この施設をご利用いただけるように、いろいろご提案等をいただいておるところでございます。以上でございます。


◆吉川 委員  しつこく聞いて申しわけないんですが、じゃあ、提案をいただく局に、あるいは部とか課に対してどういうような形で仕事をお願いしているんでしょうか。



◎森岡 企画推進担当課長  現在、まずハードにつきましては、先ほど申し上げました2局と財政局の方で、定期的な協議の場をJFAも入れて持っておると ころでございます。そのほかのところにつきましても、そのテーマごとと申しますか、現在検討してる中身で、随時各局と内容について協議を進めているとい う、そういう状況でございます。以上でございます。


◆吉川 委員  ですから、お願いする側が、今は企画部が主導で、このプロジェクトをリード していただいてると思うんですが、お願いする側は一生懸命やってても、受ける側が一生懸命やってない場合も多々あるかと思います。そんなことはないとは思 うんですけれども、一つ、そういう部分は明確に、体制というんですか、位置づけていただいた方がいいのかなと、どうしてもこういう器、ハードが先行する事 業については、ソフトがおくれがちになるんですが、実はこの施設を生かすも殺すもソフト的な取り組みが私は重要であるというふうに考えております。それを 具体的に並行して進める以上、さまざまな方の知識やお知恵を拝借をして、この形を、先ほどおっしゃってたねらい、そして効果の指標も明確にしていただい て、それを達成するためには、どういうふうにしていくのかということを具体的にお示しをいただきたいんですね。そのためには、当然、それだけの体制が必要 だというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 私は、日ごろ、皆様方にこういう大きなプロジェクトはタスクフォースでぜひともお願いしたいということを要望をしておりますけれども、責任の所在はとに かく明確にして、そして仕事の内容も明確にして、期間も明確にして結果を出していただきたいというふうに期待を申し上げる次第でございます。
 それからもう一つだけ、最後要望でございますけれども、でき上がってからのことも大事ではございますけれども、でき上がる前も十分活用したらというふう に思います。私のように、1人、そわそわわくわくしてる人間も少なからずおるわけで、その人たちをでき上がる前から囲い込むというような何か取り組みとか ですね。関空でもよくやってましたね、埋め立ての段階からいろんなイベントを組んだりしておりますので、そうしたでき上がる期待感をうまく利用して、それ を市民の皆さんに広げていっていただくという取り組みもお願いを申し上げまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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