[議会での質問]メニューに戻る]

1998年(H10)平成10年予算03月05日

◆吉川 委員 公明の吉川でございます。市内経済の活力向上には、新しい力の創出が必要であり、それを軸とした新たな産業の拡大も重要な観点であると、このように私は考えるわけでございますが、その意味では、ベンチャー企業の輩出というのは新たな希望であり、今予算で創業者支援対策が拡充されたことは大いに評価したいと思うわけでございます。特に、施策開発型事業促進施設を中心としたベンチャー企業支援策が形として、ここにはっきり見えてきたことに対する皆さんのご努力に対し感謝をしたいわけでございますが、ただ気になるのは、この景気低迷によるベンチャーマインドの冷え込み、これがこの施策の成功に対する大きな逆風となるわけでございまして、その困難を乗り越えて皆様方のねらいどおりのベンチャー育成ができるような大胆な展開をお願いしたいと思うわけでございます。
 その意味でも、平成8年度の決算でも申し上げましたけれども、数多いこの継続事業を一たん整理していただいて、重点投資を心がけていただきたいと思うわけでございます。今予算でも継続事業として、例えば創業者育成セミナーということで載っております。その説明には、ここには起業、起こす業ですね、起業をめざす人に対して基礎的な知識を習得させる、このセミナーがですよ。それから予算の説明資料の中には、同じように新規創業に必要な知識についてのセミナーを開催すると。企業をこれから起こそうとする人が果たして基礎的な知識を必要としているのか、また新規創業しようとしてる人が、それに必要な知識をこれから勉強するという立場にあるのかどうか、若干疑問に思うわけでございまして、またこれも角度を変えて、たしかあのビル・ゲイツは、このマイクロソフト社のビル・ゲイツはその成功した中心軸は技術であったわけですが、この技術の核を持っていた。そして、そこに足りないもの、経営とかマネジメント部分は人を集めてきて、そのいろんな知識をリンクして、あの大成功を勝ち得たというふうに言われてるわけでございまして、これからやる人に一から教えるのではなくて、そうした人を掘り起こすという観点で、ぜひともこのセミナーは活用いただきたいとお願いして、この件に関しては終わります。
 それから、中心市街地活性化事業ということで、今予算にはこの基本構想を策定するということで2,000万の予算が上がっております。中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案というものが、この2月の10日閣議決定され、空洞化の進行している中心市街地の活性を図るため、地域の創意工夫を生かしつつ、市街地の整備改善、商業等の活性化を柱とする総合的、一体的な対策を推進するということを目的に今議会で審議されてるわけでございます。それに先駆けて、この中心市街地活性化事業を構想いただいてるということに対しては大いに推進をお願いしたいわけでございますが、その前に、この中心市街地、これは堺東地区だというふうに思うわけでございますが、既にこの堺東駅前には、堺の表玄関としてその活性化や整備ということに関して議会でもさまざま議論がなされてきたところでございます。皆様方も種々施策を講じられてきたわけでございますが、ここにあるこの法律の商業等の活性化という面で、今まで当局が実施されてきた支援策はどういうものがあったのか、それからその評価はどのようにされているのかお聞かせ願えますか。


◎玉置 商工課長 ただいま堺東地域の中で、特に市として実施してきた支援策ということでございます。
 当然中心市街地としての堺東地区につきましては、従来より活性化といったことを念頭に置きまして、国・府の施策を活用しながらハード・ソフト両面にわたりましてその支援を実施してまいってきたわけでございます。具体的な事業といたしましては、堺東中瓦町商店街における輸入品フェア、これは昭和63年でございます。そして商店街案内看板の設置、これも昭和63年でございます。アーケードの設置事業、これは平成3年でございます。また、カラー舗装整備、これは平成4年にやってございます。また堺銀座西商店街におきましては、アーケードの設置事業、これは平成6年度にやってございます。また同じ年度にチャレンジストア事業をやっておるという状況でございます。また、今現在パティオ事業計画ということへの支援としてやっておりますし、また別途各種イベント支援などにつきましても支援を今やっておるというところでございまして、このように今、国・府の施策ということの中で支援をしております。これはやはり点とか線といった支援整備が中心となってきてございますけれども、これにより、やはり活性化を、空洞化をできるだけ防ぐべく頑張ってきてるという状況でございます。以上です。


◆吉川 委員 従来のいろんな施策が一定の成果を上げたというふうに評価されてるということでございますが、まだまだこの表玄関にふさわしい活性化は達成できてないのではないかというふうに思うわけですが、この中心市街地活性化事業が従前の施策と異なって、この堺東地区の活性化を実現でき得るその可能性を生む観点は何でしょうか。


◎松原 経済総務課参事 ただいま委員仰せの従来施策と違った今回の中心市街地活性化対策のポイントということでございますけれども、今回の中心市街地活性化対策につきましては、特に国の方につきましても通産省、建設省、自治省等を代表いたしまして11の関係省庁がその活性化につきまして総合的な対策を推進するということでございます。具体的に申し上げますと、特に11省庁合わせますと約1兆円規模の予算を国の方では用意しておりまして、その予算を各地中心市街地に、それぞれの中心市街地に重点的に配分することによりまして、従来の施策とは違った手厚い対策を講じられるものというふうに考えております。以上でございます。


◆吉川 委員 国の大きなてこ入れが期待できるというお話かと思います。それでは、この中心市街地活性化法に係る具体的な事業というものは、どういうものが考えられてるんでしょうか。


◎松原 経済総務課参事 ただいまのご質問の具体的な事業でございますけれども、まず、国の対策を背景にいたしますと、代表的なものを申し上げますと、基本的にはその中心市街地におけるその商業施設、こういったものの整備に対する補助金制度、それから高度化無利子融資制度等がございます。そしてまた、国の機関でございます地域整備公団、この公団によります施設整備に対する特例制度等の事業がございます。また一方、当市における具体的な事業、予定しておる事業ということでございますけれども、基本的には商業メニューといたしましては、堺東地区におきます大型店跡地の活用をいたしましたテナントミックス事業であるとか、あるいは地域の都市型産業の誘致でございますとか、そういった事業、それからソフト事業といたしましては、共通駐車券事業、それから商店街の情報化を図るための事業、そういった事業をやっていきたいというふうに現時点では予定しております。以上でございます。


◆吉川 委員 今、種々事業の概略をお答えいただいたわけでございますが、その中に商業TMOを中心としたタウン・マネジメントという観点が新たに加えられてるように思うんですけれども、このTMOの概要についてお答えいただけますか。


◎松原 経済総務課参事 ただいま委員ご質問のTMOの概要でございますけれども、TMOの概要でございますけれども、TMO、すなわちタウン・マネジメント・オーガニゼーション、まちづくり推進機構と申しまして、これは文字どおり、まちづくりをマネジメントをしていく機関でございます。つまり、さまざまな主体が参加するまちの運営を特に横断的、総合的に調整し、またプロデュースする機関として認識できるものと考えております。時には、このTMOが施設の建設主体となることも可能でございます。そういったTMOが中心となりまして、中心市街地の面的整備を総合的に図っていけるものと、そういうふうに位置づけているというふうに考えております。以上でございます。


◆吉川 委員 それでは、今回予算が上げられております中心市街地活性化事業というものは、まずこの基本構想を策定されるということでございますが、これの構想の作成期間、タイムスケジュール及びその構想が終了した後の実施の大まかな期間ですね、それはどのように考えられてますか。


◎松原 経済総務課参事 当市で今考えております当市の中心市街地の基本計画の策定のスケジュールに関するご質問でございますけれども、まず平成10年度、予算計上させておりますけれども、堺東地区を中心といたしまして、中心市街地の基本計画を策定していきたいというふうに考えております。具体的には、学識経験者、それから国・府及び堺商工会議所、または地元事業者などの方々によりまして委員会を組織いたしまして、精力的にこの平成10年度をかけまして基本計画を策定していきたいというふうに考えております。また、平成11年度につきましては、そういった策定されました基本計画に基づきまして、より具体的な活性化の実施計画でございますタウン・マネジメント計画といったものを平成11年度につきまして策定をしていきたいというふうに考えておりまして、具体的な事業につきましては、平成12年度以降、ソフト事業、先ほどご答弁申し上げました例えば共通駐車券事業等のソフト事業といった比較的実施の容易なものから鋭意実施していきたいというふうに考えております。以上でございます。


◆吉川 委員 委員会をつくって、そこで構想を練っていただけるということでございますが、この委員会に対して当局の皆様のかかわりはどのように考えられていますか。


◎松原 経済総務課参事 当局のこの委員会に対するかかわりでございますけれども、さきの議会でも市長から答弁がありましたとおり、本件につきましては、一人経済局の問題にかかわりませんで、例えば市街地のその都市整備という観点もございまして、基本的にはまちづくりという観点から全市を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えておりますし、またそういった問題の性格であると考えております。したがいまして、当市といたしましては、当局といたしましては、そのかかわりという観点から申し上げますと、その策定委員会で実質的に当局の人間が入って汗を流して基本計画をつくってまいりたいというふうに考えておりますし、またこれは一人経済局の問題ではなくて、全庁挙げてそういった体制を組んでまいりたいというふうに考えております。以上でございます。


◆吉川 委員 わかりました。それでは、この市街地活性化事業が成功した暁には、どのような形になるのかという、この成功イメージというものはございますか。


◎浅井 経済総務課長 現在まだ基本構想を策定しておりませんので、委員のご質問には申しわけないんですが、今のところお答えできるような具体的なものは持ち合わせておりません。


◆吉川 委員 そのイメージはまだないと、これはこれから構想を決めてやっていくというお話でございましたが、ぜひとも、まず成功イメージを皆様方の中に抱いていただいて、夢を描いていただいて、それに向かって汗を流していただくというまず観点が非常に重要ではないかというふうに思います。それと、この法律の基本的な考え方の中には、市街地の整備改善と商業等の活性化が車の両輪であるということと、都市化社会から都市型社会への歴史的転換期にあたっての都市の再構築であるというふうに述べられているわけでございます。先ほどのご答弁にもございましたが、経済局一人ではなくて全庁挙げてこれに取り組んでいくということでございまして、当然この都市の再構築という観点を考えれば、これは大変な事業であるんだなということが容易に想像できるわけでございますが、これはぜひとも成功させていただかないといけないというふうに思うわけでございます。
 この週刊ダイヤモンドブックスの全国692都市ランキングの中に堺市の小売業売り場面積ランキングベスト100というのが載ってました。何と堺市というのは16番なんですね、すごいなと。小売業の売り場面積は全国16番目、すごいなと。だけれども、小売販売額を見ると、全国411番目という順位が載ってまして、売り場は広いけど売れるものが少ないというような状況かなと、これはなぜなのかなということの、やはり要因の分析というものが当然大事なことであると思うんですが、それらも含めて、分析はより緻密に、そして計画はより大胆に進めていただきたいと思うわけでございます。
 それと、先ほどもおっしゃってたように、経済局一人ではないということで、全庁挙げてというふうにおっしゃってました。それでは、この計画を推進するにあたって、全庁挙げての体制はどのようにお考えか、見解はございますか。


◎浅井 経済総務課長 さきの本会議で市長からも全市を挙げて取り組むとお答えさせていただいたと思います。現在まだ我々としては、経済局としては商業メニューを中心に考えております。現在まだ国との折衝も終わっておりません。国の箇所づけもまだできておりません。実際に今現在、都市局等とも折衝中であります。ただ市を挙げてやるという市長の姿勢が示されておりますので、我々としても全力を挙げて庁内関係部局寄って頑張っていきたいと、かように考えております。以上です。


◆吉川 委員 全庁挙げてやることというふうにおっしゃっていただきました。全庁挙げてやることがいっぱいあるなというふうに思うわけでございまして、やはりその心意気を国が決める前に堺がその決意をどれだけここに注いでいくのかという、その形をみずからが自分たちのまちのことでございますので、示していくことが大事ではないかと、当然財政的な基盤の確保というものも、もちろんこの先必要になってくるわけでございまして、ぜひともその推進の体制をきっちりとした目に見える形でつくっていただいて、職員の方が、もうそれに専念して事業を進めていただけるよう要望して質問を終わります。ありがとうございました。

[議会での質問]メニューに戻る]