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2001年07月09日政令指定都市問題対策特別委員会


◆吉川 委員  おはようございます。公明党の吉川でございます。私の方からは、確認の意味も込めてご質問を簡単にさせていただきたいと思いますが、ただいま種々ご丁寧に説明をいただきましてありがとうございました。その中で、まずですね、今回の合併、そして指定都市への移行に関して活動している組織体といいますか、形というのは、指定都市推進協議会が一つある。そして、美原町、大阪狭山市との共同研究という形がある。そして、庁内の中では、指定都市推進部という部を設置いただき、指定都市推進委員会というのも設置をいただいているというご報告をいただいたわけでございますけれども、それぞれの活動体といいますか、組織といいますか、それの位置づけ、ポジショニング、役割、そのあたりはどういうふうに考えたらいいのか。また、最終的な目標というのは、確かに平成17年3月の合併ということでございますけれども、その間のそれぞれの活動体あるいは組織がめざすべき目標というのは、どのように明確になっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。


◎太田 指定都市・広域行政推進担当課長  推進体制と申しますか、それの役割分担ということのお尋ねでございます。
 まず、指定都市推進協議会、民間団体の部分でございますが、これは、やはり住民意識の高揚を図ると、堺市行政の取り組む部分に対して、それを積極的にサポート、支援をしていこうと、こういう役割のものでございます。やはり行政が取り組む部分、もちろんこれは大事な話でございますけれども、住民の意識といった点では、やはり経済界とか各種団体を網羅しました民間活動、自主的な活動と、こういったところも大きく影響するものと、そういった考えの中で、私どもも推進協議会とは車の両輪といいますかね、行政と民間の両輪の役割というふうに考えてございまして、その活動に対する補助を行っておると、こういう趣旨のものでございます。
 それから、2つ目のご指摘の大阪狭山市及び美原町との共同研究でございます。これは、先ほどその経緯をご説明しましたが、発足はお互いの行政課題をともに解決できる道、広域行政からスタートをしてきたものでございます。その中で、合併問題も今日的テーマであるから、調査研究に着手しようと、こういった流れのものでございます。ですから、この共同研究が、やはり地域住民のさらなる住民福祉を考えたときに、今日的なテーマであります行政のあり方というものを真摯に考えていく。つまり、例えば何とか分野、何とか分野で互いに協力できるという、そういう単なる事業、事業の積み重ねももちろん大事でございますけれども、それ以上に、行政・住民サービスの向上に向けた行政のあり方といいますか、大きな枠組みというものの必要性についてを研究しようと、こういう形のものでございまして、これが合併に進むかどうかは、まだ不確かなところでございますけれども、将来的には、私どもとしては、それが合意を見ましたならば、合併に進んでいきたいと、こういう思いでございます。
 それから、3つ目の庁内の体制でございます。やはり庁内の体制と申しますと、核となる所掌、専門的に所管する部局というのが必要でございまして、私どもも長い歴史がございます。指定都市準備室から始まりまして、企画部の中のチームでありましたり、対策室という形をとったときもございます。今回、推進部という形で、その名前ともども強化を図っていただいたところでございます。やはり私どもが中心になることは事実でございますけれども、私どもだけでできるかという話になりますと、庁内一丸となって取り組んでいただくためには、それにかわるといいますか、サポートしていただく体制というのが必要、そういった意味から、庁内の検討委員会を推進委員会に格上げした上で、各部局の担当課長も入れたワーキングをつくり、それらを通じまして、まずは共同研究のサポートをお願いしながら、また、私どもと各局の役割分担をしながらと、こういう形で進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 17年3月ということからいきますと、タイトではございますけれども、やはりひとつ、ここは、私どもの口から言うのは何ですが、情熱を持って取り組んでまいりたいと、かように思っておる次第です。以上です。


◆吉川 委員  それぞれの役割というか、考え方をお示しいただいたわけですけれども、今おっしゃいましたように、確かに非常にタイトであるなというふうな気がいたします。新潟市の例を参考に載せていただいてますけれども、この任意の協議会が発足してから合併まで5年かかっていると、それが長いのか短いのかというのは、私にはわかりませんが、先ほどの堺の当面の想定スケジュールでは、任意協議会を設置してからもう3年しかないという、非常にタイトなスケジュールの中でいろいろやっていかないといけない。その中で、先ほど申し上げた各プロセスごとの目標をしっかりとそれぞれに定めていくというのは、非常に重要なことであるというふうに思うわけですけれども、そのあたりの目標設定ですね。先ほど想定スケジュールの中では、任意の合併協議会あるいは法定合併協議会の設置というのが一つのスケジュールにはお示しをいただいているんですけれども、例えば、この指定都市推進部、あるいは庁内の推進委員会の中で、今何を一番最初に目標を定めてつくり上げていかないといけないかというような各プロセスごとの目標というのは明確になっているんでしょうか。


◎太田 指定都市・広域行政推進担当課長  プロセスごとの目標といいますか、当然、私ども必要なこととは重々認識をいたしております。ただ、明確に例えばこの時期までに推進部がこれをして、庁内の委員会がこれをしてという形でお示しできないのは事実でございますけれども、やはり私どもとしましては、今先ほど申し上げました共同研究がスタートをしました。これを主軸にしておるというのが事実でございます。と申しますのは、やはりその合併問題は、私どもだけが所管するという形ではないと、それではできない。ですから、今例えば事務事業の洗い出しをしています。これは推進委員会という組織を通じて各局に照会をかける。照会をかけた上で、次のステップですけれども、今度は、そしたら、その課題は何やねんと、こういう次、分析が入ります。これも、私どもは事務局として当然まとめ役をいたしますけれども、やはりその辺の考え方とか各局と協議をしていくと、つまり本市が合併問題に向かって動いてるということを各局の方にも認識をしていただくと、こういった形で進めてまいりたい、こういうようなことは想定をいたしております。


◆吉川 委員  確かに合併という手続を完了させるためには、細かい事務的なさまざまなことを詰めていかないといけないというのはよくわかるんですけれども、もう少しマクロ的に見ると、じゃあ、合併する。指定都市に移行する。そのときに堺市の都市イメージとしてはどうなるのかということを初めに、これはある程度明確にしておいた方がいいのではないかなというふうに思います。
 例えば合併先、どこになるかわかりませんけれども、合併をしよう、あるいは堺市がしてほしいという意思がある市や町に対して一番重要なことは、そこに対して合併のメリットをどう提示できるのかということではないかなというふうな気がするわけですね。そのためには、当然細かい実務的な詰めというのも確かに重要なことだとは思うんですけれども、大まかにマクロ的に言って、どういう相手先にメリットを提供できるのかという言い方は変かもしれませんけれども、それを早く示すことによって相手の意欲を高揚させるということが重要ではないかと私は考えるんですけれども、そのあたりは、じゃあ、どういう形でつくられているのか、お聞かせいただけますか。


◎太田 指定都市・広域行政推進担当課長  お示しのように、合併という問題は、やはりお互いが将来のまちを考えたときにメリットをどう感じるか、こういうことに尽きるだろうと思います。今より悪くなって合併を望むということは当然ながらあり得ないわけでございまして、その夢といいますか、それがどう提示されるかということは、もう最大の関心事ではないかというふうに考えております。お示しのように、それをできるだけ早くつくるべき、都市イメージをつくって提示していくべきではないか、このご指摘、ごもっともでございます。私どもとしましては、今、例えばこういうまちづくりを考えていますとお示しをできればいい話なんですけれども、その資料3ページの方でお示しをしています共同研究の間、もちろんこれは共同研究の中でもある一定程度反映すべきだろうと思いますけれども、本市の欄を見ていただきますと、まちづくりに関する基本的な考え方を整理します。それから、この方向性を検討します。そういったものと研究経過を持ちながら、任意の協議会の合併協議会の申し入れをしていく。当然、そこでは私どもが一緒になって、こんなまちをつくりましょうよと、こういった提案、当然必要であろう。個別具体の重要メニューという形ではなくても、例えば道路網をこういった形で整備しましょうとか、何とかを優先的にやりましょうとか、そういったものは少なくとも必要になろう。そういうことから、この1年、共同研究に並行しながら、それをまとめていきたい。こういった思いをしておるところでございます。


◆吉川 委員  それは確かにそうなんですけれども、そこで今おっしゃられたこのポイントですよね。いわゆる例えば道路網をこうしようとか、こういうものをここにつくりましょうという、そういう提示を私は早くしないと、要するに堺市が幾ら1市だけで頑張ってても、当然合併というのは相手先がある話で、相手先が乗ってくるようなメニューというか、これを提示することが必要ではないか。それをつくるためには、当然全体像は確かに先ほど申し上げたようにイメージを固めるべきでありますけれども、その中でもポイントになる部分というのがどこだというあたりは、もう既につかんでられるんでしょうか。


◎太田 指定都市・広域行政推進担当課長  なかなか難しいご質問でございます。当然つかんでおるという形でご紹介できればいいんですけれども、少なくとも大阪狭山市、美原町とは、ことしからスタートしたものではございません。美原町とは平成7年よりスタートしておりますし、大阪狭山市とは平11年より共同研究がスタートをしております。その中では、それぞれ分野別にどういった課題といいますか、ただ、これは従来は広域の協議会でございますから、共同事業化できるものはないかというような観点で拾い出したものでございますけれども、そういったものは一応あって、その中で、また具体の連携の方策という形にはまだ進んでおりませんので、やはり、委員お示しのことは重々ごもっともではございますけれども、私どもとしましても、できるだけそういうものは早期に研究していくという姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。以上。


◆吉川 委員  そうですね、相手方の意欲を高める、そういった堺市がこういうものを提示できるという具体化を早くやっていただきたいというふうに思います。
 先ほどの説明をお聞きしますと、共同研究から任意の協議会、このあたりが実質的なポイントになるかと思いますが、堺市単独でも既にさまざまなシミュレーションはできる力はあると思いますので、堺市だけでも、先にさまざまなシミュレーションをやる中で、想定する中で一刻も早くこの作業を進められるようにお願いをしたいと思います。
 それともう1点だけなんですけれども、あと、先ほど全庁的に取り組むことが必要であるというふうにおっしゃっておりましたけれども、堺市の職員の皆さんの意識はどうなのかな。確かに市民の皆さんの意識の高揚も大切であると思いますけれども、それにも増して堺市の職員の皆様方の意識というものも重要ではないかというふうに思いますが、この辺はどのように感じられていますか。


◎太田 指定都市・広域行政推進担当課長  職員の意識はどうかというお尋ねでございます。私どもとしましては、合併に向けて全庁一丸となった意識を含めて取り組んでいただいていると、こうお答えをしたいところでございますけれども、なかなかやはり現実を見てみますと、合併問題についても、懐疑的な見方、意見を述べられる方もおられるのも事実でございます。私どもとしましては、当然、相手さんへ働きかける以上は、市の職員末端までがそれを十分認識をした、そういった対応というのが必要であろうと、こういうふうに考えております。
 そういったことからいいますと、私どもの役割と申しますか、ちょっとお答えになるかどうかあれですが、大きく3つかなというふうに考えてございます。1つ目は、やはり合併・政令市に向けた情報といいますか、考えとか、どういうふうに今進んでるんかとか、情報をまず全庁職員が共有していただかないかんだろうと、そういうことは私どももホームページへ流すなり、いろんな形で取り組んでおるところですけれども、まずはその情報を共有していただく。2つ目が、やはり言葉だけの問題ではなくて、実際に担当各部局ごとが、合併問題を意識した施策決定であるとか、事業実施ということをやっていただかないけません。つまり、そういった日常の事業展開の中で広域というのを意識した取り組みをお願いする必要があろうと、単に道路の問題であるとか何とかということではなくて、すべからく部局が近隣市町との交流という観点を持った事業運営をしていただきたいということでございます。そういう意味では、先ほど申し上げました共同研究のサポート、事業把握なども、そういう形で私どもも行っているところです。3つ目が、常識的といえば常識的ですけれども、やはり職員研修だろうと、そういう中で今日的な本市の抱える最重要課題というような研修メニューといいますか、カリキュラムといいますか、随所に散りばめていただきたいなと、これは現に能力開発支援センターの方ともお話をしながら、一部実施をさせていただいていると、こういう現況でございます。以上。


◆吉川 委員  今の3点、お示しいただきましたけれども、これ、きちっと見ていただきたい。情報も流すだけではだれも見ないと思います。やはり意識というのは、そこにかかわりを持つことから高まっていくものであり、流れている川を見て、そこから何か拾おうかというようなことでは、意識は高揚できないというふうに思います。
 1つ提案なんですけれども、皆さん方、さまざまな自主研究グループをいろんな形でつくられていると思うんですけれども、ぜひとも、職員の皆さんでこの政令市に向けた自主研究グループをどんどんつくっていただいて、わいわいがやがや議論する中で意識というのは高まってまいりますし、そこにかかわりを持つということが次の行動へつながっていくんではないかというふうに思います。組織的・職務命令的に上から下に流すものだけではなくて、そうした形もひとつお考えをいただきたい。
 最後に要望でございますけれども、今さまざまに皆さん、活動していただいている情報、これをもっと公開すべきであるなと、市民の皆さんというのは、まだまだ政令市「?」というふうな意識の方が多いのではないか、これは堺市の市民の皆さん一人一人の大切な課題であると、問題であるというふうに思いますので、どうか、市民の皆様には情報公開を大いにしていただいて、市民の皆様の中からでも、いろいろ話し合ってみようという、こういう機運が盛り上がるような形にしていただきたいということを要望いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。



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