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平成12年度決算審査特別委員会−2001年11月14日

◆吉川 委員  公明党の吉川でございます。第2目商工業振興費について、特に商業の振興についてお伺いをしたいと思います。
 まず初めに、私は商業の振興というものは事業者がみずから、その意欲を喚起し、自己の努力によって行うべきであるというふうに考えております。これが大原則ではないかというふうに考えております。ただ、その中で公が行わなければならない役割というものがあるのであれば、それをまず初めに明確にした上で行動を起こさなければならないのではないかというふうに考えるわけです。市民の目から見て、商業の振興がどういう角度で必要なのということを見きわめた施策を行うべきではないかというふうに考えます。

 話は変わりますけれども、2000年のヒット商品番付、1番、2番覚えてはります。いつも日経で年末にヒット商品の番付が発表されるわけです。昨年、2000年のヒット商品番付の東の横綱はユニクロでございました。西の横綱が平日半額バーガー、私も随分お世話になっておるんですけれども、これです。西の大関がプレステーション2、東の大関がスターバックス、スターバックスというのはコーヒーのチェーン店ですね、ご存じですか。三菱総合研究所の研究員は、これを評して、単に安いだけではなく、質の高さが際立ってよい商品が売れている。人気があるのは、ちょっとリッチという気分を味わえる商品、サービスと分析しているわけですね。この日経新聞の見出しは倹約志向、気分はリッチにという見出しがついておったわけでございます。

 ただ、こういうふうに出た結果を分析して、ああだ、こうだというのは、そう難しい話ではないと思います。しかし、皆様方が担っていただいている仕事というのは、将来を見通してやらなければならない。その困難さは私は十分に理解ができるわけなんでございますけれども、その難しい仕事をやっていただいている中で、少し質問したいんですが、これは平成8年度決算、さらに平成12年度予算でも私は質問した項目でございますけれども、決算書には商店街活性化推進委員会負担金1,900万というのが決算されているわけでございますけれども、これはどういうものに使われたんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  ただいま商店街活性化推進委員会負担金についてのお尋ねかと思います。この活性化推進委員会負担金の内容でございますけども、私どもは平成4年に堺市小売商業振興ビジョンを策定いたしまして、その中で、その基本方針の中で小売商業振興施策の大きな柱といたしまして、商業地の重点整備、それから意欲ある商業者の育成、それと商業団体の機能強化・支援ということを策定いたしました。この趣旨に基づきまして、商業団体の機能強化・支援という視点から、その具体的な取り組みといたしまして、上部団体、各商店街の上部団体としての商店街連合会の機能強化と個別商店街の活性化の支援を目的といたしまして、堺市と堺商工会議所、それから、堺市商店連合会の3者によりまして堺商店街活性化推進委員会を設置いたしております。

 この事業は、主に人材育成事業、先ほども委員が申しておられますように、意欲ある商業者をどうしていくかというのが基本であるというご指摘ございましたけども、そういう人材を堺の商店街の中でつくっていく、こういう人材育成事業、それから商店街の活性化支援事業、いろんな商店街の販売促進事業とか活性化のイベントだとか、そういう事業の取り組みをしておられますけども、そういう支援事業あるいは商店街ウイークなどの消費者参加型の事業を実施するにあたって、こういう事業を負担しております。以上でございます。


◆吉川 委員  それでは、この商店街活性化推進委員会、堺市は1,900万負担をしたわけですけれども、ここに参画されている事業主さんの負担というのはあるんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  今申し上げましたように、この堺市と堺商工会議所、堺市商店連合会のこの3者でやっております。以上でございます。


◆吉川 委員  堺市は1,900万の負担金を持っているわけですけれども、その3者とおっしゃる後の残りの2者、堺商工会議所、堺市商店連合会は、この推進委員会の負担金をご負担はされているんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  負担しておられます。


◆吉川 委員  その割合はどうですか。


◎足立 商工振興課長  堺市が、先ほど申し上げましたように1,900万円、商店連合会が200万円、商工会議所が100万円、以上でございます。


◆吉川 委員  この負担金は、平成8年度から始まったとお伺いをしているわけですけれども、平成8年度からこの負担金の金額はどのように変化をしておるんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  平成8年度からの推移を申し上げますと、平成8年度は500万円、平成9年度は700万円、平成10年度は1,700万円、平成11年度も同じく1,700万円、平成12年度が1,900万円、ちなみに今年度1,700万円、以上でございます。


◆吉川 委員  平成8年度500万円だった負担金が12年度は1,900万円、今年度は1,700万になっているということでございますけれども、非常に負担金がふえているわけですけれども、この理由は、どうしてでしょうか。


◎足立 商工振興課長  まず、平成8年から9年にかけまして500万が700万になったということでございますけども、これは先ほど申し上げました平成4年度に策定いたしました小売商業振興ビジョンの策定の中での一つの柱であります意欲ある商業者の育成の中でありました堺商人塾という事業を実施しておりました。この事業を堺市商店街活性化推進委員会の事業の中に組み込みまして200万円を増額したのが平成8年から9年にかけての増額の理由でございます。

 それから、平成9年が700万円になりまして、平成10年が1,700万になりました。これにつきましては、この時期、現在でも基本的には同じ状況が続いているわけでございますけれども、本市の市民生活の利便を支える商業振興を全市的な視点からこれを活性化させる必要があるということで、統一的な販売促進事業に対しまして、この事業を展開するということで1,700万円にアップさせていただいたものでございます。

 それから、平成12年度につきましては、先ほど申し上げました1,900万でございますけれども、これは平成12年度に実施されました世界民族芸能祭とタイアップ事業を商店街がタイアップして実施するということで200万円アップしたということです。したがいまして、平成13年度は1,700万ということになっております。以上でございます。


◆吉川 委員  ほかに地域商業活性化事業補助というのがございますけれども、これはどういったものでしょうか。及びその対象はどこになるんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  まず、対象について説明させていただきますと、今申し上げました商店街活性化推進委員会の負担金につきましては、これの構成団体である商店連合会あるいは商工会議所と3者で構成しているということで負担金をしておるんでございますけども、この地域商業活性化事業補助というのは、商店街に加入しておられない方、商店街の方に対しても対象として事業をやっております。
 その事業の内容でございますけども、これも同じく平成4年度の小売商業振興ビジョンに基づきまして、にぎわいの創出ということの位置づけの中で、商店街小売市場が主体となり、商業振興及び地域の活性化を図ることを目的として実施しております。具体的には、いろんなイベントですね、大売出しやるだとか、いろんな催し物を各商店街で工夫してやられるイベントに対する補助でございまして、補助対象経費の50%以内ということで、限度額40万円ということでございます。以上でございます。


◆吉川 委員  今、1つの負担金と1つの補助金についてお伺いしましたけれども、そのほかいろいろと、同じような目的で、この2つはソフト的な支援だと思うんですけれども、ハード的な支援としては、商業共同施設設置事業補助金とかあるんですね。それから、商店街まちづくり整備事業補助金というのがあります。アーケードをきれいにしたり、道路をきれいにしたりというようなことだと思うんですね。

 12年度決算なので、この話をするのはおかしいかもしれませんが、13年度予算には、新たに商業共同施設機能向上支援事業補助金510万円が新たな項目として上がっているわけでございます。いずれも、その目的は商業の振興を目的とされたものであるそうでございますけれども、果たして私は何回この質問をさせていただいてご答弁をいただいても、どうも納得がいかないというか、こうした負担金や補助金が本来の商業振興という目的を果たして達成しているのかどうか、ここがなかなか、冒頭申し上げましたように難しい課題でございますので、言いにくいとは思いますけれども、その本来の目的を果たして達成していると皆さんはお考えなのかどうか、このあたりはいかがなんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  補助金の効果がどうなっているんやというご質問の趣旨かと思いますけれども、私どもは補助金の支出にあたりましては、事業効果の検証ということは基本的に選択しなきゃならないし、当たり前のことだという認識は持っております。ただ、こういう商業振興という部分の事業といいますのは、非常に、正直いいまして難しい部分、どういう物差しで、この事業効果を図るかということにつきましては、私どもといたしましても、非常に困難な問題だという認識があります。そういう中にありましても、例えば、中小の小売商業者は従業員1人当たりの年間販売額を上げるだとか、あるいは顧客流出入比率を上げるといったようなことが考えられます。これらは国内の景気動向やとか、あるいは中小企業商業者の開廃業あるいは消費者ニーズの多様化など、事業の補助金とは違う側面からの要素というものがありまして、直ちに補助金の効果を測定ということがなかなか結びつかないというような面もあるかと思いますけれども、今、委員ご指摘のありましたような事業効果、今申し上げました例えばの話で申し上げましたように、顧客流出入比率だとか、従業員1人当たりの年間販売額をどう上げていくのかとかいうような視点に立ちまして、こういう事業の効果を意識しながら実施していきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。


◆吉川 委員  そこが、私どうも納得できないんですが、例えば販売実績を上げていく。商業者に対しては皆さんはそれを支援される。サラリーマンの人の年収を上げるのに皆さんは努力をされるのか、サラリーマンの方も堺市の市民であるし、当然商業者の方も堺市の市民である場合が多いわけですけれども、努力をされるのか、それに皆さんは、そういう同じ補助金や負担金をサラリーマンの方にも出しているのか、そういうちょっとね、私、角度が違うのかなと、皆さんがやるべき仕事の角度が本来そこにあるのではないのじゃないかなという気がずっとしているわけなんですね。ですから、同じことを何回も聞いているわけなんですね。

 今、消費不況と言われて、非常に時間がたっているわけですけれども、この消費が例えば生活必需品のみ向いているのではないという現状があるわけですね。消費者は、自分のしっかりとした価値観を基準に納得できる理由のある商品を購入する納得消費を実践しているというふうに私は思います。例えばソニーが出しているアイボ、犬型ロボットですね。猫型ロボットはドラえもんですけれども、これ一見、何の役にも立たない、実用性もない。だけれども、15万も20万もする非常に高価なものがなぜかヒットしている。決してそれを値引きして売っているわけではないわけですね。逆に生活必需品の支出を抑えてでも高額なブランド商品を購入するような若者の高額消費、こういうものもあるわけですね。いわゆる自分の物差しに合えば支出を惜しまないという傾向もあるわけです。私はこうした消費性向をしっかりととらえて、その変化に合わせて先取りをする。あるいはその対応する。いわゆるマーケティング力というんですか、そういうものが商業振興にはつながると思うんですけれども、まずこの点は、この考え方、間違っていませんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  私もそういう認識でおります。


◆吉川 委員  そうすると、商品開発とかいうのは、メーカーみずから、さっき言ったユニクロだって、平日半額バーガーだって、ヒットの陰には、その企業の並々ならぬ努力があったと思うんですね。行政がユニクロの前の道をきれいにしたとか、平日半額バーガーの前の電気をつけたとか、そんな話ではない。

 ですから、本来高めないといけないマーケティング力を事業者みずからが、その努力によってかち取っていかなければ商業振興にはつながっていかない。そこで、皆さんの役割はどこにあるのか。本来、そうした力をつける、そうした努力をする、そこを下支えする必要があるのかどうか、そこが私ですね、いつもこの商業振興策についての公の役割というところで、いつも迷うところなんですね。

 ひょっとしたら、全く切り離してしまって、例えば、この堺東の商店であれば、商店と商店のど真ん中に堺市が、先ほどハーベストの丘の話よく出てますけれども、集客力を持つ何かをドカンとやれば、人の流れができます。人の流れができるということは、自然とそこに魅力ある商店があれば、販売力は上がっていくん違うかと、そういう角度でのかかわりもひょっとしたら別にあるのではないかなというふうに思うんですね。

 私自身、明確な今答えを持っておりません。そういうことに対して皆さんは今後どのように考えていかれるのか、ここをちょっとお聞かせいただきたいと思います。


◎足立 商工振興課長  私ども、1つ、ご質問の前に、私ども補助金出しております趣旨の問題でございますけども、商業団体ということに対する助成をやっておりますけども、補助しておりますけども、あくまでも、これは基本的に商業というものが市民生活という部分を支えるんだという、そういう視点からも支出をしているという認識があります。サラリーマンの例の話、ちょっと関係で一つ申し上げました。

 私ども、今後の問題につきましては、私どもも現在、これは今年度の事業の話でございますけれども、工業商業振興ビジョンの策定の中で、いろんな考え方というんですか、特に今後の商工の振興策をどう考えていくかというようなことを現在議論をしているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。


◆吉川 委員  ちょっと、私の前段の申し上げたことの意味が伝わってないようなんですけれども、商業の振興が市民にとって大切なものである。これは私も同意見です。同じです。でも、そこの視点はあくまでも市民の視点で皆さんは働きかけないといけないんじゃないかなということなんですよ。その点は誤解をしないでいただきたいというふうに思います。

 この商業振興について今新たな取り組みをされているということでございますけれども、これは具体的にはどういう形でお示しをいただけるんでしょうか。


◎足立 商工振興課長  具体的にどうかというご質問でございますけれども、今年度の事業の中で、私どもこれからの小売商業のあり方、考え方、今、委員ご指摘のようなあり方をどうしていくんかというようなところを、いろんな各界からの市民からのご意見をお伺いしながら、庁内で策定していく、こういうことでございます。


◆吉川 委員  今年度かけて、次に、この考え方を明らかにして、また新しい取り組みをやっていただけるということを私、大いに期待をして、そのときにまた、いろいろと議論を深めてまいりたいと。

 実は私、大変な食いしん坊でございまして、食べるの好きです。1つの夢がございまして、堺に世界の食街ができないかなと、横浜と神戸には中華街というのがあります。神戸にはちょくちょく行くんですけれども、すぐ行けますよね、車で。別に神戸の中華街、周り何もないんですね。ビジネス街にぽつんとあるわけですけれども、しかし、いつもにぎわっております。そこに一歩、足を踏み入れると、何ともいえない異国情緒に包まれて、別に何も食べなくても、何となく心がうきうきしてくるわけでございます。

 かつて経済企画庁消費貯蓄展望研究会、ここは余暇時間の有無が消費の意思決定に大きな影響力を持つとして、自由時間と所得と消費の関係を位置づけて、時間消費型消費という概念を出されたことがございます。完全週5日制や快適志向を背景にして、家計消費支出に占める生活必需品以外の支出が大きくなっているそうでございまして、これは先ほども申し上げましたが、まとまった自由時間が必要な時間消費、空間消費の占める比率が増大しているというふうにおっしゃられているわけです。それとともに時間消費のための新しいソフトや空間の質の一層の充実が要請されているというようなお話もその中でございました。

 例えば消費低迷の中にあっても好調な深夜マーケットとかイーターテインメント、これはイート、英語の食べるですね、イートとエンターテインメントの造語だそうですけれども、時間消費型、空間消費型のエンターテインメント機能を持ったレストランのことですけれども、こういうのが非常に好調であるということがその傾向を裏づけれるというふうに言っているわけなんですね。例えば先ほど私の夢なんですけれども、堺に世界の、それこそほんまもののおいしいものを食べさせてくれる食街があればなというふうに私は夢を描いているんですね。
 そういうふうないろんな市民のニーズというか、それをくみ上げて、商業振興に皆様が果たすべき役割を明らかにした上で新たな施策を展開していただけるように、私はお願いをいたしまして、また、今年度いっぱいに新たな取り組みに対する考え方が出るということでございますので、そのときにまた議論をさせていただくことをお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。

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