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2002年(H14)政令指定都市問題対策特別01月22日

◆吉川 委員  おはようございます。公明党の吉川でございます。
 まず、昨年の12月、堺市美原町広域行政課題連絡協議会の方から、地方分権時代に対応した両市町行政のあり方の中間取りまとめの提示をいただきました。一読をさせていただきまして、非常に簡潔にまとめていただいているというふうに評価をするわけでございますけれども、まず初めに、今後のスケジュールについて確認をしたいと思います。予定どおり中間取りまとめを出していただきましたけれども、今後のスケジュール、これはどのようにお考えでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  美原町との共同研究の今後のスケジュールということでございます。中間取りまとめにおきましては、行政分野別にいろいろ課題等整理した中で合併に伴って期待される事項、こういうような形でまとめております。今後、財政シミュレーションを初め、それから新しいまちづくり、その一定の方向性をも踏まえて、合併した場合にどういったことが想定されるかと、こういうものを取りまとめ、3月末をめどに報告書として取りまとめていきたい、かように考えております。以上です。


◆吉川 委員  この取りまとめについては、3月末をめどにということでございますけれども、これは対美原町だけではなくて、その他の市のパターンも考えていただいていると思いますけれども、どことどこを対象にした報告書を3月末までにご提示をいただけるんでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  ご案内のように、私ども現在、この美原町を初め大阪狭山市と共同研究いたしております。大阪狭山市との共同研究も同じような歩調をたどっておりますが、若干、この中間報告がおくれまして、近々公表させていただくと。同じように、3月末をめどに新しいまちづくりの方向性といったものを報告書としてまとめていきたい。現在のところ、形としては、この2つの研究会でございまして、それを中心にした活動をやっていると、こういう現況でございます。以上です。


◆吉川 委員  大阪府が示しております合併パターンの中には、高石市というのもあったかというふうに思いますけれども、高石市との状況はどのようになっておりますでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  委員ご質問のとおり、大阪府のパターンにおきましては、高石市との案というのも出されております。今まで事務レベルでいろいろ協議・検討をしましょうという呼びかけ等やってまいりましたが、結果として、現在では、美原町、また大阪狭山市のような研究会活動の設置には至っておらない、こういう状況でございます。


◆吉川 委員  この3月末の報告書ができ上がると、次の段階では、合併協議会設置の申し入れという段取りになるかと思いますけれども、この報告書ができた段階で、当然合併協議会設置の申し入れをしていこうという堺市の意思があると思いますけれども、これについては、どこに対して合併協議会の申し入れをされようとお考えでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  本特別委員会の第2回の方でもお示しをいたしました。今後の想定スケジュールということで、平成14年度の早い時期に協議の申し入れをしてまいると、こういうふうに考えてございます。やはり大阪狭山市及び美原町とは先行した形でこういう研究が進んでまいったわけでございますので、ある時期と申しますか、いろいろタイミングもございましょうが、やはりそういう申し入れ的なものは行ってまいりたい。ほかの市町村につきましては、私どもとしては、広い範囲での政令市の実現という目標を掲げてございますけれども、やはり諸条件が整わないと、なかなかそういう話にはならない。そういうものに具体に形ができるような努力を今後とも続けたい、こういう考えでございます。


◆吉川 委員  この、そもそも合併という機運が全国的に盛り上がっているというのは、国による大きな地方自治体の再編という、こういう構想があるんではないかというふうに思います。今後、税収が大きく伸びることが予想されない状況の中で、地方自治体が行政サービスの質の低下を招くことなく、その水準を維持していくためには、この合併という行財政基盤を強化しながら行政効率を上げていくという、この方策をとらざるを得ない。それに対して国は手厚い合併特例債を初め、さまざまな手だてを講じていると、私はこのように理解をしているわけです。
 今までの特別委員会の中での議論も、特に当然のことですけれども、堺市を中心としたさまざまな議論がされてきたわけですけれども、ここで合併というものに対する考え方、これを再確認する必要があるのではないかなと。と申しますのは、例えば小規模の市町村でこれから合併をせずにですね、市町村運営が、果たして先ほど申し上げたような行政サービスの質の低下を招くことなく一定水準を持ちながら発展していくということが可能なのかどうか、そういうことも私たちはこの周辺の市町村とともに議論をしていった方がいいのではないかというふうに考えているわけですけれども、そうした研究・議論というものは、皆さんどういうふうにされているんでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  今、委員からお示しの視点と申しますか、合併についての基本的な認識というお尋ねかと思います。私どもとしましては、近隣市町村の行財政状況がどうであるかとか、そういう話では、この合併問題をとらえてはおりません。と申しますのは、南大阪地域を見たときに、これから将来のまちづくり、21世紀のまちづくりを考えたときに、一体行政はどうあるべきかと、こういう議論の出発点でございます。つまり、やはり活力ある、魅力あるまちづくりをしていこうと、そうした中で、従来の行政の枠組みというのが余り意味を持たない。先ほども申しましたが、広い地域で一体となって、ともにまちづくりを進めていこうと、こういう考えでございます。以上です。


◆吉川 委員  もう少し具体的に話をしますと、例えば、国は今、3,000ある自治体を大体1,000ぐらいに再編していくのがいいのではないかと、地方自治体の規模としては30万程度というふうな一つの目安といいますか、を示していますね。その根拠がどこにあるのか、そういう形をとらないと、今後の市町村運営が非常に難しくなるよという国の推定のもとに、そういう議論がされてるんではないかなというふうに思うんですね。確かに堺市は堺市のことを一生懸命当然考えるのは当たり前のことだとは思うんですけれども、この大阪府下の堺市を取り巻く市町村とともに発展を期していくならば、そういった議論も共有すべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  お示しのとおり、いろいろな意見といいますか、調査の研究でありますとか等々の中では、行政の効率化とか、よりサービスの向上が見込めるという一定の規模というような考え方も示されております。当然ながら、行政運営と申しますのは、やはり組織があってのことでございますから、それを追求していく。今現在の時代と申しますのは、行財政改革の必要性が盛んに言われている。そういった中で、現行の地方制度上、30万の中核市でありますとか、20万以上の特例市という制度が用意されているわけでございますから、当然にそういうものを活用していくと、これは当然なことであろうというふうに考えております。以上です。


◆吉川 委員  ですから、よその市町村のことを堺市が勝手にどうのこうのという議論をしろということではなくて、堺市と合併をしていただくという議論の裏返しの議論も片一方ではしておくべきではないかというふうに私は思っておるんですね。例えば今、美原町とか大阪狭山市と、いろいろ研究していただいておりますけれども、例えば堺市と合併しなければどうなるんでしょうかというような議論とかね、どことも合併を考えなければどうなるんでしょうかというような議論、こうした議論も堺市と合併することによって得られるメリットを浮き彫りにするという意味では必要なことではないかというふうに私は考えます。
 そうしたことも当然ですね、堺市が大阪市以南の市町村をこれから引っ張っていくという言い方は傲慢かもしれませんけれども、ともに発展を期していく上では、そういったことも議論をして、我々市民もそのことを情報として共有した方がいいのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。


◎指吸 市長公室理事  今、委員お尋ねの、いわゆる広域行政としていろんな共通の課題を抱えながら、それをお互いのものとし、認識をしながら解決をしていくと、これはもう当然のことでありまして、広域行政の結果、いろんな非効率の問題あるいは効率的な行政をめざすならば、合併をした方がいいと。今まで単独で運営してきた、いわゆる運営あるいは都市を経営してきたということが、やはりここの趨勢延長上のいろんな諸情勢を勘案すれば、当然成り立ちにくいだろうと、これはもう税の大幅な、地方税だけでなく、国税というベースで、いろんな財政環境、日本経済全体がやはり活力がないということでありますから、そういうふうな中で大きな問題は1つは経営の問題が出てきます。
 したがいまして、広域行政を合併するというメリットは、やはり非効率な行政をしないと、効率的な行政をやっていこうということで、お互いにそこに共通の課題を抱えて合併をするんだと、これが市民の、あるいは町民のために、お互いに住民のためによくなると、こういうことをやはり念頭に置きながら対応をしていきたい。ただし、その中には、やはり経営が成り立たない状況が見えているということが、ある意味では推察されますので、合併のための特例債は、それを促進する材料あるいは促進剤でありますので、3,300ある市町村を1,000にまとめ上げるためには、そういった促進剤をあえて国がそういう制度を活用せよと、こういうことでありますので、そういう活用をしながら、お互いの共通項を求める。さらに、その先には都市経営が非常に難しい時代が来るであろうということは頭に、念頭に置きながら、住民の間あるいは行政の間、そういうものではきちっと議論をしていかなきゃならないというふうに思っております。以上であります。


◆吉川 委員  ありがとうございます。どうしても、合併をすればどういうメリットがあるのか、合併をすればどういうデメリットがあるのかという意見に偏りがちになるわけですね。やはり大前提である地方自治体の分権論の中にある合併論がなぜあるのかというあたりを、ひとつ市民の皆さんにもよくわかるように情報公開を進めながら、ご説明もいただければありがたいというふうに思います。
 それで、先ほど、今後のスケジュールを確認をさせていただいたわけでございますけれども、特にこの3月末を予定していただいたおります報告書の取りまとめの中で、まちづくりの方向性、こういったものが非常にこれからはポイントになってくる。相手市町村がですね、例えば堺市と合併したいという意欲を盛り立てるというか、そういう意向をくみ上げる、私はこのまちづくりの方向性をつくっていかないといけないというふうに思うわけでございますけれども、このあたりの議論というのは、どの程度まで今進んでいるんでしょうか。


◎太田 指定都市推進部副理事兼指定都市・広域行政推進担当課長  現在の作業の進捗ということと、それから、どういうような考えを持っているかというお尋ねかと思います。
 私どもとしましては、やはり現在のそれぞれの市町におきましては、総合計画というのがあるわけでございますから、それは当然ながら、促進をしてまいるという考えがまず第1点に、根底にございます。その上で、合併という新しいステージができるわけでございますから、さらにいいまちづくりを考えたときに、どういう絵がかけるかと、この辺を明確にする必要があろうかと、大きくは、やはり4つほどの視点があろうかと考えております。
 1つは、やはり住民福祉の向上、いわゆる行政サービスの高度化・多様化に対する対応をどうしていくかということ。それから、当然ながら合併の基本的なスタートであります生活圏が一体化されておりますから、そこの住民の利便性をいかに向上していくか、インフラの整備の方向性でありますとか、そういうものが必要であろうと。それから、21世紀を展望したときに、豊かさを実感できる新しい地域振興と、大きくこの3つがある。さらには、私どもとしては、その地方制度上の問題として政令指定都市という問題が大きくかかわってまいります。この中で一体どういうまちづくりができる可能性があるかと、大きくこの4つの視点でまとめていきたいなというふうな考えでございます。ただ、具体的にどこまでの作業ができるかというのは、ちょっと心もとないところですが、大きく考え方としては、こういう視点で取り組んでまいりたい、かように考えております。以上です。


◆吉川 委員  ここにはですね、大きな、私、政治的な決断が必要だということは前々から申し上げてきたところでございます。今、お示しいただいた新しいまちづくりを考えていく上での基本視点、これはそのとおりであると、非常にきちっとした視点を持ってとらえていただいていることはありがたいことだというふうに思うわけですけれども、要は、例えば先ほどから合併特例債の話が出ておりますけれども、堺市が美原町や大阪狭山市と合併したとして試算をした特例債というのは、大体300億近くなるわけですね。この300億近いこの新たな財源をもとに、どれだけ双方のニーズを満足させていくのかという、これは非常に難しいこれからの協議になっていくかとは思うんですが、その中で、どうしても堺市は合併を促進していきたいという意思のあらわれとして、例えば極端な話ですよ、この300億の財源をすべて相手市さんに投入するというようなことも、政治的な判断としては必要なんではないかというふうに私は考えるわけです。
 その中で、将来政令市になったときに、その政令市という制度を活用しながら、さらに大きな発展をめざしていくという方向性を定めることができれば、決してその堺市と合併することが、相手市や相手町の皆さんにとって悪い話ではなくなっていくんではないかというふうに私は考えます。このあたりの決断をするための基本的な資料というものを市民の皆さんを初め広く早く情報を提供していただき、その判断の材料に我々はしていきたいというふうに思うわけでございます。
 いずれにしましても、これからが、この3月までが正念場というふうに私は考えておりますので、最大限の知恵を絞っていただきながら、しっかりと相手市町の要求も聞いていただきながら、この中間取りまとめをつくっていただきたいというふうに要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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