2002年(H14)平成14年度予算審査特別委員会03月04日
◆吉川敏文 委員 公明党の吉川敏文でございます。私が最後でございますので、よろしくお願いをいたします。私からは2点お聞きをしたいと思います。
まず、第1項総務管理費第12目防災対策費に関連をいたしましてお聞きをいたします。午前中も大毛委員の方から南海地震のお話がございましたけれども、私たちは阪神・淡路大震災以来、さまざまな防災議論をしてきたわけですけれども、ここに来て、少しこの防災についていろいろ議論する時間がありませんでしたので、この機会に少しお聞きをしたいと思いますが、阪神・淡路大震災のときに、その活動が報道されました災害救助犬というものがございました。私もテレビではよく見て、その存在を知っていたわけでございますけれども、これ調べてみると、公に認知した活動では、どうもないようだいうことで、さらに調べますと、国内では幾つかのボランティア団体、または、法人格さんが独自にその災害救助犬というものを育成して、また、独自の認定の制度を持ちながら、災害救助犬を認定して、なおかつ、養成があれば自前の費用でそこに災害救助犬を派遣をして災害救助にあたるというふうなものであるというのがぼんやりとわかってまいりました。その中でも一番大きな組織としては、社団法人ジャパンケネルクラブというのがございまして、ここにもたくさんの災害救助犬が所属をしているということがわかったわけでございます。
じゃあ、この堺市がもし災害に遭ったときに、この災害救助犬が来てもらえるのかどうか、これがどうなのかなというふうに思ったんですけれども、当局の皆さんは、まず、この存在と、そういう仕組みについてはご存じでしょうか。
◎池西 市民生活安全課長 確かに阪神・淡路大震災のときに、自衛隊あるいは警察等が救助犬を使ったりしながら人命救助を行ったというケースはございます。私どもも、民間の団体で救助犬を持っておるというのは、過去、平成11年の防災訓練、2府7県の防災訓練のときに、そういう団体が訓練に参加をいただきまして、こういう団体もいろいろあるんだなということを承知しております。ご指摘のジャパンケネルクラブにつきましても、複数の自治体あるいは東京消防庁等もいろいろ協定を結んだりというような活動を自主的に行っておられるということも承知をしておりまして、こういう活動、民間レベルでの活動でありますけども、非常に災害対策につきましては、非常に有効なことが期待できるというぐあいに判断をしております。以上です。
◆吉川敏文 委員 済みません、今、ご報告いただきましたように、その有効性もご答弁をいただきましたけれども、これは堺に来てもらおうと思えば、その団体さんと協定、約束事を結ばないといけないというルールになっているようでございまして、先ほどご報告いただきましたように、いろんな自治体、または東京消防庁もそういう提携を結んでいるということでございました。私はお願いをしたいのは、堺市にも来てちょうだいと言えば来ていただけるように、今、その約束事を結ばないと、何か来てくれないということでございますので、どうかですね、この提携の実施を推進していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎池西 市民生活安全課長 先ほど申し上げましたように、こういう民間の団体が災害救助という点でご協力いただくのは非常にありがたいことでございますので、前向きに検討してまいりたいと考えております。以上です。
◆吉川敏文 委員 ぜひ、この点、よろしくお願いをいたします。
次に、2点目でございますけれども、同じ第1項総務管理費第6目事務改善費のうち、行政情報化の推進についてお尋ねをいたします。
これまでも何回か議論はさせていただいたわけですけれども、今回も、この行政情報化推進ということにつきましては、6億2,000万の予算が上がっております。そこでお伺いをいたしますけれども、特に庁内LANについてお伺いをいたします。情報化の大きな目的のうちの1つに情報を共有化するということがございます。情報を共有化することによって、事務効率を上げていこうというものがあるんですけれども、この庁内LANにつきまして、そういう効率化が実現できたものがあれば、その代表的なものを挙げていただきたいと思います。
◎鴨田 情報システム課長 ただいまの庁内LANにおけます情報の共有化ということでございますが、現在進めてきまして、グループウエアの導入、また、文書やデータの相互利用、こういった分野が進んできております。また電子掲示板、こういったものを有効に活用することによりまして、全庁的に通知等の周知徹底、また統計データなど、こういったもののデータの共有ということで図られております。また、ワープロ文書、また表計算の表ですね、こういったものなどの資料、こういったものを部署内での文書共有という形で進んでおります。
そこで、ちなみにですが、文書共有用のサーバー、こういったものにいろんな文書が入ってきておるわけですけれども、現在、調べますと、30万件というファイルが保存されておりまして、庁内LANを介しまして部門間の横断的な情報共有、また活用がなされております。以上でございます。
◆吉川敏文 委員 私は、効果については常日ごろ、定量的な形で評価をしてくださいというふうに申し上げております。特にこれまでの効果の中で金額換算ができるものがございましたら、その代表的なものを示していただきたいと思います。
◎鴨田 情報システム課長 数字的な効果ということで一例申し上げますと、個別のデータベースシステム、こういったものを導入いたしまして、例えば市例規集の検索システム、また、議会の会議録検索システム、こういったものがございまして、例えば市例規の場合ですが、データベースの形で庁内LAN上に共有することによりまして、紙で行っておりました追録の経費、これが例年に比べまして、約800万近く削減することができました。また、同じく会議録の場合で申し上げますと、印刷部数の方を削減いたしまして、約400万程度の削減ができております。以上でございます。
◆吉川敏文 委員 今回のISO14001の取得で資源の節減も取り組まないといけないわけでございますけれども、皆さんがよくおっしゃってるペーパーレス、この効果が上がっておればご報告をいただきたいと思います。
◎鴨田 情報システム課長 ペーパーレスということでございますが、例えば紙での配布を廃止したもの、または減らしたものの一例を申し上げますと、今まで庁内情報紙という形で配布しておりました市政情報、これをグループウエアに掲載することで、職員一人一人への配布の方を廃止してございます。また、議会の図書だより、これも議会の図書検索システムを導入いたしましたことによりまして、紙での配布を廃止、また、同じように堺の人口というのがございましたが、これも電子掲示板に掲載して各課への配布をやめております。また、会議室の予約でございますが、これを庁内LAN上でオンライン化することによりまして、その申請書の方を廃止、また、訃報におきましては、そのコピーの枚数も大幅に削減しておるというようなことで、この紙の節約においても効果を出しておりますが、事務作業の軽減のみならず、こういった省資源化にも貢献できたと考えておりますが、今後こういった成果についてもさらに精査していきたいと思っております。以上でございます。
◆吉川敏文 委員 ただいま庁内LANの導入効果についてご報告をいただきました。代表的なものということで、ほかにもいろいろあると思うんですけれども、代表的なものがこれですということは、その効果が目立ったものというふうに私は解釈をしております。
これまで、私はこの庁内LANにつきましては、情報化の基盤整備であるというふうに考えております。その整備と職員の皆さんの情報リテラシーが一定のレベルに達するまでは、この庁内LANについての導入効果は言及しないでおこうというふうに考えておったわけです。しかし、来年度の予算で、ほぼこの整備も一定完了するというふうに伺っておりますので、今後はですね、この導入効果、きちっと評価をいただきまして、かつ情報化がもたらす大きな効果をさらにねらっていただきたいなというふうに考えております。
これは、ちょっと手前みそで申しわけないんですけれども、私は、かつて企業で生産技術関係の研究開発の仕事をしておりました。中でも主に取り組んできたものがCAD/CAMシステム、議事録にはカタカナで書かないでいただきたいんですけれども、CAD/CAMと書くんですけれども、Computer
Aided Design and Computer Aided Manufacturingのシステムです。それから、Factory
Automation、FAシステムの開発の仕事に従事をしておりました。
この一例を少し申しますと、従来、機械設計の技術者、これはドラフター、技術系の職員の方はご存じかと思いますけれども、これは、こういう四角い製図版にアームのようなものがついておりまして、その先っぽに直角に交わる2つの直定規がついていると、これを使いながら鉛筆で設計図面を書いていたわけですね。でき上がった設計図面は青焼きと言われる、いわゆるジアゾのコピーですね、これにかけて、コピーした図面を今度は機械の加工者の方に渡すわけですね。機械の加工者は、この青焼きされた図面を見て、1人1台、フライス盤とか旋盤とか、金属加工する機械を使いながら、その図面どおりの部品といいますか、製品をつくるんですね。
まず、これを我々はコンピューターを使って、コンピューターの画面上で設計図面を書いて、プロッターという機械で設計図面を出力する。こういうのをCADシステムというんですけれども、これを開発をして、設計技術者の作業効率を上げようという試みをまず行いました。その結果、期待に反して設計時間は3割ぐらいしか削減できなかったんですね。もっと早よなるやろと、コンピューター使ってるんやから、もっと早よなるよと思ってたんですけれども、3割程度の作業の効率化しか望めなかったんです。これは従来のドラフターを使って手で図面を書いていた作業をそのままコンピューターに置きかえただけだったんで、その効果しか出なかったわけですね。そこからプロッターから出てきた図面は、同じように、またジアゾのコピーで青焼きして加工作業者に渡すという、それ以降の工程は従来のままだったわけです。これを私たちは第一次効果と呼ぶことにしようと、こういうふうにしたわけですね。
次に取り組んだのが、それまで設計技術者というのは、CADを導入しても、自分が好きな部品を好き勝手に選んできて設計をしておったわけですね。自分が使いたい部品をあちこちから本を見て、好き勝手使っておった。これを同じ機能を持つ部品というものを全社的に統一して極力使用する部品の種類を減らしたわけです。これは標準化作業という作業ですけれども、そして、それをコンピューターのデータベースに登録することで、部品購入コストを抑えて設計スピードも上げるという試みをしたんです。さらに、設計図面データというのは、これはコンピューターの中に入っておりますので、それを使ってコンピューター制御の工作機械を自動で動かして、無人でこの製品を完成させる、いわゆるCAMシステムというんですけれども、それを同時に開発したわけですね。
このことによりまして、設計者が今まで部品の形状を、たとえCADを使っても一つ一つ書いておったわけですけれども、データベースにある部品を選ぶだけで、瞬時に部品が図面化されるんです。同時に機械が自動で動いて機械加工してくれて、その製品を完成させるという、これを私どもは第二次効果と呼んでおるんですけれども、これを生み出したわけであります。
これ従来の仕事を大きく変えるものでございました。機械作業者の人は、今まで1人1台機械を動かしてたんですけれども、1人で3台、4台の機械の面倒を見るという、全く種類の違う数値制御装置のオペレーターという仕事に変わったわけですね。ようやくトータル効果が大きく出てきたというふうに私たちは考えたわけです。
ただ、このところに至るまでは、私たちが行った仕事というのは、コンピューターと全く無縁のですね、現場でどんな部品使ってんねんという、このヒアリング作業とか、どういう部品が幾らで売ってるんやという作業とか、組織はこのままでいいんかという、まさに本当にコンピューターと全く無縁な仕事をしたわけですね。これが大体その作業の半分ぐらいを費やしたわけです。
随分話が長くなって申しわけないんですけれども、私は、こうした経験を踏まえて、コンピューターは手段であって、従来の仕事のやり方をそのままコンピューターで置きかえるだけでは、大きな効果が生まれませんよということを、これまで申し上げてきたわけでございます。
先ほどご答弁いただいた効果というのは、まだ、いわゆる私たちが言ってた一次効果の域を出ていないのではないかなというふうに思います。仕事のやり方まで変革する、どうか二次効果というものを出していただかないと、庁内LANへの投資というのは決してペイしないということを肝に銘じていただきたいんですね。これ、大きな金額です。そのための私は仕事を推進する責任部署、これをはっきり決めていただいて、第二次効果というものを大きく生み出す取り組みをしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
◎鴨田 情報システム課長 ただいまの吉川委員さんのお話、一次効果、二次効果というお話でございました。確かに今まで、きょう申し上げましたのは、一次効果としては、一定の成果かなと思うんですけれども、さらに、この効果を大きくアップするためには、この二次効果を求めなければいかんというふうに理解しております。
そういった中で、今後どうしていけばいいんかということにつきましては、部内初め十分検討して、進めていかないかんなと思っております。以上でございます。
◆吉川敏文 委員 先般、行財政見直し担当の方がBPR手法を取り入れるという検討もするというお話を伺ったわけでございます。これは何回も言いますけれども、コンピューターをやるから、コンピューター専門舞台でその仕事をやるというのは、私はよくないと思います。業務を改革し、新しい時代の役所の仕事を助ける、このツールを使いながら、21世紀の堺市役所をつくっていただくと、こういう取り組みでなければいけないんじゃないかなというふうに思うんですね。ですから、そういった視点も十分踏まえていただいて、投資に見合った効果というよりも、投資以上の効果を出していただくように要望をいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。