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2003年(平成15年) 3月10日平成15年度予算審査特別委員会

◆吉川 委員  公明党の吉川でございます。私の方からも、この下水道料金についてお聞きをしたいと思いますが、ただいま吉井委員より種々質問がございまして、重なる部分は割愛をしながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、これは確認でございます。先ほどもご答弁があったかと思いますが、今回、下水道料金改定案、そしてそれを盛り込んだ予算案が示されているわけでございますけれども、この料金を改定しなければならなくなった主な要因、これを簡潔にもう一度確認の意味でお答えをいただきたいと思います。


◎西出 経営監理課長  今回の下水道料金の使用料の改定の理由でございますけれども、下水道事業には、ご存じのように、多額の費用が必要でございます。その財源としまして、国からの補助金、受益者負担金などを充てておりますが、大半は借金であります企業債で賄っている状況です。市民の強い要望を受けまして、近年急激に下水道整備を拡充してきました結果、企業債残高が増加をしまして、平成13年度末では約2,370億円ということになっております。そのため、平成13年度では企業債の支払い利息が約82億円、それと償還金が約58億円ということになりまして、元利償還金が増大し、経営状況が悪化しておる状況です。現行料金で推移いたしますと、運転資金の不足を示します不良債務の額が平成15年度で約100億円を超えるということになる見込みでございます。このため、現在の一般会計の深刻な財政状況や下水道の便益を受ける人とそうでない人との負担の公平の見地からも、汚水管理運営費に占める下水道使用料の充当割合を現在の約60%という程度から90%程度まで引き上げまして、早期に独立採算制を確保するために下水道使用料の改定をお願いしているものでございます。
 また、行財政改革計画の財政の健全化目標でございます平成18年度当初予算までに単年度収支の均衡を実現するということで、下水道事業につきましても、平成18年度単年度の黒字をめざしたこと、それと経費の回収率が100%とするためには、さらに高率の改定が必要となり、利用者負担が大き過ぎるということ、それと政令市の経費回収率の平均値が約90%であるということ等を勘案しまして、今回経費回収率90%程度となるような平均改定率24.56%としたものでございまして、このことによりまして、公営企業の独立採算をめざしていくというものでございます。以上です。


◆吉川 委員  今のお話を整理すると、まず、3点の主な要因があったかというふうに私は理解をいたしました。1点目としては、急激な下水道整備によって企業債残高が急増し、その元利償還金が経営を圧迫しているというのが1点。それから、下水道使用料の充当率を60%から90%に引き上げるということ、これが2つ目。そして、財政健全化目標の平成18年度当初予算までに単年度収支均衡を掲げて、その目標を達成するための改定であるという、この3つがその主な理由だというふうに理解をするんですけれども、そのことについて間違いがないかどうか。そして、そうしたことを市民の皆様にどういう形でお知らせをしてきたのか、アナウンスをしてきたのか、お答えをいただきたいと思います。


◎西出 経営監理課長  3点の内容については、そういうことでございます。
 それと、市民の方にどのようなアナウンスをしてきたかということですけども、前回、12年の改定ですけども、そのときに、広報さかい、それと下水道部が出しております堺市下水道だより、それと堺市のホームページ等によりまして、市民の方に下水道事業会計の厳しさ、改定理由などについてお知らせをしてきました。また、議会におきましても同様の説明をさせていただいたところでございます。それと、今回の改定につきましても、新たに策定されました行財政改革計画の中で、使用料の改定を盛り込みまして、パブリックコメントを行った中で、市民の方のご意見をお聞きしたところでございます。また、広報さかい3月号、それと堺市のホームページにおきましても、お知らせをしているところでございます。以上です。


◆吉川 委員  私も広報さかい、それから、皆様方がお出しになっているホームページ、下水道だより、すべて見させていただきました。いわゆる財政状況が厳しくなった、先ほどの吉井委員と同じ、私も意見なんですが、財政状況が厳しくなったから値上げをしますよという、共通してそういうことしか書かれてないわけですね。私は、先ほど3つの要因をご答弁いただいたわけですけれども、そのすべてね、これは行政サイドでコントロールできる話なんですね。こういったことを十分に料金改定も含めて事前に推測をされていたと思うんですけれども、そのことにあわせてのアナウンスが不足しているのではないかと、私はまずこういうふうに感じるんです。
 なぜ皆さん、行政サイドでコントロールできるかというと、下水道整備を計画されるのはまず皆様方ですから、当然市民の皆さんのご要望をお聞きするというのは当然あるかとは思うんですが、計画をして企業債を発行して整備をするというのは皆様方サイドの話です。さらにですね、下水道使用料の充当率を60%から90%、これも政令市平均は90%やから90%にするという目標を皆さんが立てられたわけで、中核市平均は、じゃあ幾らなのかというと、決して90ではないわけです。これも皆さんが実はコントロールできる話ではないかなと思います。それからもう一つ、財政健全化目標に平成18年度単年度収支均衡を図ると、これもですね、当然市財政の厳しい状況は重々私どもも理解をしておりますし、市民の皆様も理解をされていることとは思いますけれども、18年度当初予算という目標を立てられたのも皆さんでございまして、この3つの話はすべて皆さんの側でコントロールできる話なんです。
 ということは、こういうことを当然、私も平成12年の料金改定のときにはお聞きもしたかとは思うんですけれども、十分予測して財政シミュレーションもして、こうなりますよということもあわせてですね、実は本当は市民の皆様にお知らせしないといけないことではないかということをまず指摘を申し上げたいと思うんです。今、この充当率というお話を少しさせていただきましたけれども、なぜですね、今まで、じゃあ60%でずっと来たのかと、これ、何かお答えございますか。


◎熊取谷 下水道部副理事  実はですね、前回の12年の値上げの際には、普及率が76.6%でございました。そういうふうな中で、下水道事業といいますのは初期投資が非常に大きいものがございます。そういうふうな中で、普及率が低い中で、その市民の方たちだけで負担していただくのはどうかというふうな考え方がございまして、前回につきましては、60%充当というふうな考え方で議会等にもご理解をいただいたところでございます。今回につきましては、先ほどから課長答弁しておりますように、普及率も94%近くなってまいりました。そういうふうな中で、あくまでも私費というのは使用料で賄うという、この基本原則がございまして、そういうふうな中で、約90%程度の充当率をさせていただいたというふうな経過でございます。以上であります。


◆吉川 委員  済みません、平成12年度に料金改定をされたときに、普及率というのは76.6%だったんですか。


◎熊取谷 下水道部副理事  そうでございます。


◆吉川 委員  ちょっと私記憶にないんですけれども、12年ってそんなに低かったんですかね、そうなんですかね。それはいいんですけれども、済みません。今のですね、企業会計としての独立採算制を考えるならば、充当率は100%の話でしょうと、先ほどのご答弁では、100%では余りにも負担がふえるので90%という目標を立てたということなんですが、一定ご配慮は、理解はできるんですけれどもね。なぜ、今になって60、90、独立採算ということが急速に浮き彫りになってきたのか、この辺のねらいがどこにあるのかですね、これを少しお答えをいただきたいんです。


◎熊取谷 下水道部副理事  先ほどの答弁の中で数値が間違っておりました。失礼いたしました。11年度時点では、11年度の議会でお示しいたしましたので、11年度末で80.8%でございます。失礼いたしました。
 先ほどから課長答弁しておりますように、起債の残が大きな金額になってきております。それと、それにあわせまして起債の元利償還、これが今後かなりふえてくる。それと、資本費であります減価償却費、これにつきましてもどんどん高騰してくるというふうな中で、やはり地方財政法にも示されておりますように、下水道事業と申しますのは、やはり独立採算ですべきであるというふうな基本原則がございます。そういうふうな中で今回、90%の充当率をお願いいたしまして、少なくとも18年度には単年度で資金収支が黒になるような状況というふうな形の中でお願いしているものでございます。


◆吉川 委員  普及率って非常に大事な話ですので、これは絶対間違わないで、皆さんの方が専門家なわけですから、よろしくお願いします。
 それと今のご答弁、どうも理解できないんですけれども、当然私はですね、企業会計は独立採算、それは大前提でしょうと、当たり前の話でしょうと、私もそれには異論はないわけなんですよ、ないんです。当然、ほかにも企業会計でやっているところ、たくさんありますけれども、私どもはそういう独立採算を否定しているわけでも何でもございません。当然それで運営できるのが一番いいわけなんですけれども、これまで、いわゆる60%で来た充当率を独立採算やいうことで90%にしたという、しなければならないというね、ここには私、一般会計との関連があるわけでしょう。そこを明確に市民の皆さんにお知らせ、私ども独立採算を決めましたと、そやから料金値上げしますねんと、こんな話で理解できるわけはないわけでしょう。と私は思うんですね。それは皆さんが勝手に決めた話違いますのと、市民の皆さんは、できるだけ安い下水道料金で早く下水道の普及率を100%してほしい、願いはこれだけなんですよ。でも、その願いを満足するためには、こうなりますよ、ああなりますよ、こうなりますよということを皆さんのプロの目から見て、こうなりますよということをもっと市民の皆様方にお知らせをしないといけないということが私必要だと思うんですね。それをですね、役所の論理で独立採算せなあきませんねんて、そんなん今に始まった話違うやろということなんですわ。それがなぜ60が90にいきなりなるのかなと、非常に単純に疑問に思うわけですね。それはこちらさんの話も関連するからでしょう、違うんですか。


◎北川 下水道部長  平成12年度に改定をさせていただいて、この3年間ということでございますけども、私どもの下水道の経営の見通しの甘さの部分も確かにあったやに思います。当時60%ですから、40%一般会計でお助けをいただいて、その当時は当然企業会計をとっておりますから、そのときには、もう既に100%というものをめざさなきゃいけなかったんですが、先ほど副理事が答弁させていただいてますように、まだ、普及率としてはまだ80%そこそこという状況ということでございましたので、甘えとしまして、一般会計にお願いしてきたということでございます。ただ、ここ数年の一般会計の状況あるいは今後の状況を見込む中で、いよいよやはり下水道としては、本当の独立をやっていかないけないという部分で、庁内的にはそういう形でいこうということでございます。
 それで、それでは、その分を全部使用者の方にお願いをするということになりますと、例えば単純計算ですけれども、60%から90%に充当率を上げますから、単純にいきますと、30%値上げしなければいけないということなんですが、ここのところは私たちは、先ほど課長も答弁させていただいてますように、経営改善を行っています。それから、お客様もふやすために普及率も上げさせていただくと、いわゆる水洗化率も上げていく。そういった中で5%程度は何とか経営努力で頑張っていきたいということで、今回24.56%というような数字が出たわけです。それと単年度収支、何とか3年後には単年度の均衡を図りたいというような形で、3つがミックスされたような形で、こういうような数字が出たわけでございます。
 また、委員ご指摘のように、この12年の改定以降ですね、下水道の状況を市民の方あるいは議会の方にも、余り広く突っ込んだ形でお知らせをしてこなかったということにつきましては、私、十分反省もしておりますし、今後、委員のご意見に従った中で広く市民の方にもご理解を求めていきたいというふうに思ってございますので、ひとつよろしくお願いします。


◆吉川 委員  ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。ただ、下水道さんの姿勢は私偉いなと、全部私が悪いんでございますということをおっしゃられている。私はちょっと違うと思いますね。下水道事業というのは、確かに担当部局は建設局でやられているかもしれませんけれども、今のお話の中でよく考えると、これ、全市的な判断がもう少し前提にあるということなんですよ。そこの部分を一人おっかぶって今ご答弁いただきましたけれども、そうではないということを本当は言わないといけないと私は思いますよ。
 あと、下水道のね、先ほど吉井委員もおっしゃってました事業の努力というお話がございました。これは重ねてお聞きはしませんが、先ほどのご答弁の中で、ポンプ場の民間委託とか、いろいろ14名の削減とか、1億6,000万円の経費削減とかお答えをいただきましたけれども、これ、12年度の料金改定以降、1億6,000万の経費削減と、15年度については4億1,000万を削減予定ということでしたけれども、先ほどのご答弁では。これ、13年度、14年度というのは何もなかったんでしょうか。


◎西出 経営監理課長  先ほど吉井委員にご答弁をさせていただきましたけども、平成14年度に金岡の下水ポンプ場の民間委託というのを実施をしております。


◆吉川 委員  ということは、平成12年度の料金改定以降、いわゆる13年度、14年度とかけて14名の削減を行って、約1億6,000万の経費を削減したということでよろしいんですね。


◎西出 経営監理課長  先ほどご答弁申し上げました三宝の下水処理場の部分ですけども、これが12年度に行っております。ですから、12年、それと先ほどの金岡下水ポンプ場が14年ということで、そのあたり合計しまして1億6,000万ということでございます。


◆吉川 委員  わかりました。それではね、そして15年度については、4億1,000万の行革効果を出す予定だとお答えをいただいていたかと思うんですけれども、先ほどおっしゃってた単年度収支均衡を図る。平成18年度当初予算までに、この行革効果、累積でどれぐらい皆さんは努力をしていこうというふうに試算をされているんでしょうか。


◎西出 経営監理課長  今後の経営改善の経費の見込みということでございますけども、先ほど申しましたように、ポンプ場の委託等進めていくという中で、平成17年度までの3年間ということで、約12億3,000万ほどの経費の削減を考えております。以上です。


◆吉川 委員  経費削減効果は12億3,000万、このうち人件費の削減というのは何名ぐらい予定されているんでしょうか。


◎西出 経営監理課長  職員数の削減ということでございますけども、今の予定では73名の削減を予定をしております。


◆吉川 委員  大体、今、下水道に携わられている方の人員数といえば、350名ぐらいだったでしょうか。


◎西出 経営監理課長  平成14年の4月1日で357名でございます。


◆吉川 委員  357名もの人員を抱えられておって、そこから累積で77名の削減ということでございますけれども、これは、もう思い切ってやらないと私はいけないと思っているんですけれども、思い切ってやると大変な、実際に手足を動かして行う仕事ですから、大変なことも起こってくるんですが、ここは大胆に本会議でも市長の方からも提案されています水道事業と下水を一緒にするという話がございます。その中で思い切った事業の効率化を図っていくというお話でございますけれども、こういったお話は現在、進んでいるんでしょうか。


◎北川 下水道部長  今お尋ねの水道部門と下水道部門の統合のことかと思いますけれども、昨年の夏ぐらいから、ちょっとそういう話も出まして、庁内的には、この2月に両局のトップといろいろお話をした中で、また、行革の計画書にも出させていただいておりますように、できるだけ早い段階に下水道と水道の統合を図っていくということで、いよいよ4月に入りまして、それの専門部会でありますとか、立ち上げまして、検討し、進めてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。


◆吉川 委員  これはですね、もうぜひとも早急にご検討いただきたい。といいますのは、私、この企業債の元利償還金の平成25年までの予定表をいただいております。これを見ると、一体この値上げというのは、本当に今回だけで済むのかなという非常に不安があるんですね。これ、大変じゃないかなと思うんですね。皆さん、今お聞きをしたら、正確に答えられないんじゃないかなと思います。それは一方では行革を一生懸命進めていただいておりますので、その効果が一体どこまで上がるのかというのは、この平成25年という、そんな先まではわからないわけですから、しかし、公共事業というのは、最後はね、公共料金を上げれば採算がとれるんですよ、だれがやってもそうなるんです。ですけれども、その手段というのは、私はもう最終の手段ではないかなというふうに思います。非常に困難なことかもしれませんが、そういった大胆な私は大きな行革の取り組みを行っていただいて、市民の皆様のご理解をいただいてほしいというふうに思います。
 それから、総務費で私は包括外部監査についてお伺いをいたしました。平成14年度の包括外部監査のテーマは、堺市の水道事業、下水道事業の財務に関する事務の執行及び経営に係る事務の管理並びにこれら事業に関するその他一切の事項というふうにご答弁をいただいております。この包括外部監査の報告は3月24日になされるというふうに伺っておるわけですけれども、この包括外部監査、総務費で当局よりその内容についてはですね、財務に関することについて経済性、効率性、有効性の観点からも外部の専門家について監査をいただくと、このようにご答弁をいただいております。私は今回の提案が、なぜ、この包括外部監査の結果を待てなかったのかということも疑問に思っております。3月24日というのは、もうすぐでございまして、外部の専門家がどのような目で、この水道事業、下水道事業を見られているのかということも非常に私は大切な話として参照しなければならないんじゃないかなというふうに思っております。こうしたことについても、しっかりと実は検討していただきたかったというふうに思っております。
 あと、今後の対応につきましては、まだまだ、この議会の中では私の疑問を全部払拭するというまでには実は至っておりません。ですから、当然、市民の皆様方はもっとわかりにくい話ではないかなというふうに感じます。吉井委員もおっしゃってましたけれども、この市民の下水道ですね、市民の皆さんのこの事業をどうしていくかについては、やはり市民の皆様方のご理解をいただくというのが第一義であるというふうに感じます。その理解が得られぬまま、いきなりこういう提案というのは、最後まで私は疑問を残したままになるんじゃないかなということを申し上げて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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