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平成16年度予算審査特別委員会−03月11日


◆吉川 委員  公明党の吉川でございます。私で最後ですので、よろしくお願いしたいと思います。私の方からは2点、緑道・公園の園路の安全確保についてと良好な都市景観の形成について質問をしたいと思います。
 まず、緑道・公園の園路の安全確保につきましては、午前中、山口典子委員からもご質問がありましたので、重複する部分は省略したいと思いますが、その中でも特に園路に絞って質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この公園内にある園路あるいは緑道にある園路、いわゆる簡単に言うと、公園とか緑道にある道ですね、これの安全確保についての基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。


◎井上 公園管理課長  緑道は、住民の日常生活の中で通勤あるいは通学の利用のため、安全な園路として利用していただいております。利用者の安全性を確保するため、公園管理者としての重要な責務であると考えております。府条例の指針の中で、園路利用者の安全確保に関する指針として見通しの確保及び夜間照度基準の確保が示されております。状況に応じまして、この指針を着実に推進することが利用者の安全確保につながるという観点から、日常の維持管理の中で見通しを確保するため、樹木の下枝剪定、明るさを確保するため枝払い、あるいは照明灯の改良を行っております。さらに、警察にパトロールをお願いいたしまして、実施していただいております。今後もより一層の安全なまちづくりの推進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。


◆吉川 委員  ありがとうございます。公園の、あるいは緑道の園路の安全確保は、その管理者としての重要な責務であるというご認識をお示しをいただきまして、また、現在の取り組み内容もお知らせをいただきました。その中でご答弁にございました、この大阪府の安全なまちづくり条例の中には、確認をしたいと思うんですが、その11条には、警察署長は、その管轄区域内における通学・通園等の用に供されている道路及び幼児・児童・生徒等が日常的に利用している公園・広場等において、当該通学路等の施設の管理者、地域住民、保護者及び学校等の管理者と連携して、幼児・児童・生徒等の安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとするとございます。
 また、この条例のもとに示されている安全確保に関する指針の中には、通学路における安全確保の基準として、防犯灯、街路灯等により、夜間において人の行動を視認できる程度以上の照度、おおむね3ルクス以上が確保されていることという指針が示されております。今、ご答弁いただきましたように、必要に応じて照明灯の改良も行っていただいているということでございますが、それだけではなくて、もう少し、私、泉北ニュータウンに居住をしておるんですが、この園路は生活道路あるいは通学路として使われている部分がたくさんございます。その中に、これまでさまざまな地元の方々からの要望がございました。暗いから危険だとか、いろいろございましたけれども、公園の、または緑道の園路ということで道路のように防犯灯設置もなかなかやりにくい状況でございました。そうしたことを改善をしていただける第一歩として今回の取り組みの初めがあるというふうに私は思っておるんですけれども、今後、こうした安全確保に対する取り組みというのはどのようにお考えでしょうか。


◎井上 公園管理課長  園路の見通し確保及び明るさ確保につきましては、日常の維持管理の中で、引き続き実施してまいります。ただいまご質問の照度アップにつきましては、緑道を含めまして一定規模以上の公園を対象に、これは近隣公園以上であると考えております。現況及び夜間の利用度を調査いたしまして、必要に応じた措置を講じてまいりたいと考えております。以上でございます。


◆吉川 委員  ありがとうございます。当然、その利用状況を調査していただいた上で、重点的に安全確保の対策を打たないといけない部分というのは、ぜひ対策を打っていただきたいと思います。その中で、先ほどの府条例の中にございましたハード的な整備だけではなくて、ソフト的な安全確保の取り組みもあわせて推進を要望して、この質問は終わりたいと思います。
 次に、良好な都市景観の形成について質問をしたいと思いますが、昨日、いっぱい資料をいただきまして、これを勉強するだけで疲れてしまって、質問がちょっと整理されてなくて、当局の皆さんに迷惑をかけるかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 私、昨年の10月7日に都市活性化・雇用対策特別委員会で観光について議論をさせていただきました。そこでは、堺の都市活性化の要素としての観光、それも明らかに都市型観光、アーバンツーリズムと呼ばれているそうでございますが、それが重要であり、その都市型観光をどう推進していくのかという観点の一つとして、魅力ある都市そのものを最大の観光資源ととらえることが重要ではないかと訴えさせていただきました。また、都市型観光は自然のトレンド型では想像することができない、都市の集積を対象に積極的・政策的に明確な意図を込めて創出しなければならないとも申し上げさせていただきました。そして、この都市活性化につながる、また、都市観光を創出する上で、積極的・政策的なつくり込みが不可欠なものの一つとして、私は都市景観、良好な都市景観の形成があるのではないかというふうに考えております。まず、この点に関して当局のお考えをお示しいただきたいと思います。


◎前川 まちづくり支援課参事  都市景観といいますと、視覚的にとらえられます建築物あるいは道路などの公共空間、そのほか木々の緑などの遠景としての風景というんですか、これらの自然環境はもとより、市民生活の中から生まれてきますまちの表情、文化、それから心象風景などを含めた総体的なものとして受けとめられるものでありまして、都市の活性化と、それから生活環境の豊かさ、あるいは都市型観光を創出する上で都市景観は重要な要素の一つであると考えております。以上です。


◆吉川 委員  都市景観の形成というのは非常に重要だという認識は一致したわけでございますけども、そこで、平成5年に堺市は堺市景観条例というものを策定をしております。この条例の目的は、ちょっと飛ばしますけれども、調和と風格のある堺らしい景観の実現に資することを目的とするとございます。非常に私は難しい条例だというふうに感じました。それは堺らしい景観の実現、堺らしい景観ということを具体的にイメージできなければ、この条例は何の役にも立たない条例だなというふうにまず感じました。それほど非常に難しい条例である。しかし、重要であるから、これは制定されたわけでございます。そして、第3条には、その中に市の責務というのもございまして、市は景観の形成を図るため、総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとするとございます。それでは、この責務を全うするために、市はこの条例策定以降、どのような取り組みをされたんでしょうか。


◎前川 まちづくり支援課参事  平成5年3月31日に堺市景観条例を公布いたしまして、その後、平成5年、同年9月ですけども、堺市景観基本計画を策定いたしました。すぐれた景観を総合的に、あるいは計画的に形成するために計画を策定いたしております。その後、平成9年3月に景観基本計画を踏まえまして、今後、重点的に景観形成の誘導を図ろうとする都心地域につきまして、約220ヘクタールございますけども、都心地域景観形成計画を策定いたしております。
 それから、平成6年から、実際景観条例の運用ということでございますけども、景観形成上、影響の大きい一定規模を超えます大規模建築物等につきまして、周辺景観との調和を図るために、大規模建築物等の届け出制度を実施してございます。それから、同じく平成6年度からでございますけども、景観形成の一環といたしまして、文化的な都市空間の形成に寄与するために、美しい個性的なまちづくりに貢献した建築物等や、それらを支える人々を表彰いたします堺市景観賞を実施しております。以上でございます。


◆吉川 委員  この条例の中には、今ご報告をいただいたとおりでございますが、まず、市長は、景観の形成を総合的かつ計画的に進めるため、景観形成の基本的な目標を明らかにするとともに、市民と市がともに協力して、その目標を実現するための指針となる景観基本計画を策定するものとすると、今ご報告をいただいたとおり、これが1993年に制定をされました。これが目標だと。そして、さらに重点的に12条には景観基本計画、今度は計画の定めるところによって重点的に景観の形成に関する施策を実施する必要があると認める地域について景観形成計画を策定するものとするということで、1997年に都心地域景観形成計画、4年後ですけれども、策定をされました。
 今、2004年ですね。こういうものを皆さん、つくられるのは本当に上手です。私もいつも感心します。でも、つくった後が大事だと私は思います。ただ、このテーマが非常に難しいだけに、どうやと聞くのは心苦しいんですが、これらを策定されて、その後、現時点で結構でございますので、皆さんはこの良好な都市景観の形成、堺市の景観形成について、どのような現時点での評価をされているのか、お聞かせいただけますでしょうか。


◎前川 まちづくり支援課参事  景観条例を制定しまして10年になるわけですけども、どのようにまちが変わってきているかということなんですけども、まず、条例7条に行政の先導的役割というものが規定されておりまして、道路、公園、その他公共施設の整備改善、建築物の建築等を行う場合には、景観基本計画との整合を図るとともに、景観の形成に先導的役割を果たすように努めなければならないと規定されておりまして、そういうことで、公共空間と言われるものについては、ある程度、整備はされつつあると考えております。
 景観という場合ですね、先ほどちょっと概念的なところで申し上げましたけども、公共空間だけではなく、民間の建築物等につきましても、当然、公共性があるということでございます。そのあたりにつきましては、先ほどちょっと申し上げました一定規模の建築物等につきまして、大規模の届け出制度というのがございます。ただ、残念ながら点でしかございませんので、面的な、あるいは線的な景観形成というのはできておらないという部分がございますけども、現状としては、景観行政そのものはやはり官民一体となった取り組みが必要であると考えておりますけども、評価としては、ちょっと漠然といったお答えになると思うんですけども、以上でございます。


◆吉川 委員  反省も込めて言っていただいた部分もあるので、余り申し上げたくないんですが、この堺らしい景観ということを具体的にイメージをして景観を形成していかないと、意図する景観というのは形成されないんではないかというのが、きょう私が申し上げたいことなんですね。今のまま、このまま進めていけば、良好な都市景観というのが本当に形成されるんだろうか、これは非常に長い時間を要する話だというふうに私は認識しております。10年、20年でできるものではないでしょうと、しかし現状のまま、このままずっとこれやっていって、果たして100年後どうなっているのかという部分が見えにくいんですね。
 それは、これ全部読ませていただきました。例えば、この堺市景観基本計画にございます、ここでは2つの視点からこの基本計画を策定されているんですけれども、大体、こういう紙というのは余分な部分が多過ぎて、大事なところがすぐ見つからないのが難点なんですが、理念を達成するための方向を示す領域別の計画、それから具体的に景観をつくり出すための主要景観、構成要素別の計画という、この2つからこの計画が組み立てられているんですね。その中で幾つかの章立てがあるんですが、堺文化を記すという章立ての中で、こういうふうにございます。新しい建築物等の景観誘導というのがあるんですね。景観形成に大きな影響を与える新しい大規模建築物等の景観誘導を図るシステムの検討を行う。じゃあ、この基本計画、1993年につくられてから、こうしたシステムはあるのかな。また、公共公益的施設が集積する地区では、全体のデザイン指針の確立を図り、それに基づいた景観形成を図ると書いてます。この景観条例が策定されて、この景観基本計画が策定されてから、先ほど公共物のこともおっしゃってましたけれども、堺市は幾つかの公共施設を建てています。じゃあ、その建てられた公共施設がこうしたことを満足できているのかなというと、若干私は疑問が残ります。
 もう少し見てみますと、今度は活力ある新しい顔をつくるという章立ての中に、堺駅周辺地区というのがございます。これは歴史の風格の演出とございまして、旧堺港や内川等の歴史的景観資源を生かしながら、市街地の再編を通じて歴史の風格を感じさせる市街地景観の創出をめざす。南海本線堺駅からその周辺の話ですね。歴史の風格を感じさせる市街地景観の創出をめざすとございます。ここには南蛮人、南蛮船といった歴史的要素のデザインモチーフとしての活用ともございまして、そうなのかなと思ってしまいませんか、皆さん。
 じゃあ、具体的に皆さんが都市景観を誘導するための指針というものはどこにあるのか、先ほど大規模建築物等指導基準というのをお示しをいただきました。いただくと、これです。例えばまちの特性に対する配慮とありまして、都市空間を景観的に魅力づける街角になるよう建築物の形態、意匠を工夫するとともに、街角を特色づける空間等の確保に努める。これが指導基準なんですね。どうしたらいいんだろうと、具体的に、じゃあ。
 もっとほかにないのかと言うと、いろいろいただきまして、デザインマニュアルとかチェックシート、見たんですが、いずれも、先ほどおっしゃった、一つの建物としてのデザインの良好な景観というのは確かに確保できるかもしれませんが、町並み、面でとらえると、果たしてこれだけの基準やマニュアルでそれが形成されるのかなという疑問がございます。私は、建築の専門家ではございませんので、詳しいことはわかりませんが、現状のこうしたものだけで本当に100年後、すばらしい町並みが堺に出現するのかなというふうにちょっと思ってしまいます。
 したがいまして、きょう申し上げたいことは、16年度予算、政策枠予算の中にも、まちに活力をということで、さまざまな再開発に対する予算をつけていただいておりますけれども、この都市景観を形成する。特に、原稿がどこかへ行ってしまいましたが、都市デザイン、都市景観から一歩踏み込んだ都市デザインというものを当然、堺は一つでは統一はできないと思います。その街角、街角で、そこには歴史と文化があるはずですから、その歴史と文化をしっかりと把握した上で、そのデザイン的なコンセプトを明確にした街角の景観形成というものを積極的に誘導すべきではないかと私は思ってしまうんですけれども、どうでしょうか。


◎前川 まちづくり支援課参事  先ほどちょっと申し上げましたけれども、全市域を対象にした大規模建築物の届け出制度というのは実施しております。ただ、先ほども言いましたけれども、点の形成であると。それで、いわゆる全市域にそういうすばらしい景観というんですか、個別に配慮していくというのはなかなか難しいものでございまして、一定の地域に絞って対応すると、モデル的に堺のすばらしい景観を一つつくるということは必要ではないかと思っております。
 景観条例上、景観協定なり、あるいは景観地区指定という制度がございます。そういう景観条例のメニューの中で、堺を代表する顔をつくるというようなことが必要であるということで、今現在、大小路筋を中心とした阪神高速よりも以西ですか、堺駅までの間の1.2キロの中で、大小路界隈夢倶楽部というんですか、そういう、ただ、活動の中身としては、まちの活性化なり、あるいは町並み保全あるいは文化の育成、情報の発信とか、そういういろいろな面の中で、特に町並み保全という部分で取り組みが行われつつあります。
 そういう市民と協働の中で、例えば景観形成協定いうんですか、そういうものを一つつくり上げていくと、それをつくることによって、堺市内にこういうモデルとして広めていくという形を、今現在、実際の取り組みとしてやってございます。以上でございます。


◆吉川 委員  今、国の方でも景観に対する認識というのは大きく変化をしておりまして、景観緑三法というものが今国会でも審議をされております。景観に対して、国を挙げて積極的な取り組みをしていこうという姿勢のあらわれだと思うんですが、ぜひとも、現体制では私、少し無理があるのかなと思います。専門的なスタッフをそろえていただいて、しっかりと私は、この景観形成に対しての積極的な働きかけをしていただきたい。こうしてる間にもたくさんの大規模な建物というのはできていっております。どんどんどんどんできていっておりまして、それを変えるのは何十倍も労力が必要だと思われますので、早急に皆さんの態勢を整えていただいて、16年度予算の審議をしてて、17年度予算のことを言っては申しわけないんですが、新たな政策枠予算として景観形成のための、人・物・金をつけていただいて取り組んでいただけますよう要望いたしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。




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